記録的大雨で土台が崩壊、線路は宙に…JR九州「年明けも当面運休」――肥薩線(吉松~隼人) 工事道路の整備途上、本体着工できず

2025/11/19 06:48
大雨の影響で線路の土台が崩れた肥薩線表木山-日当山間=12日、霧島市隼人(JR九州提供)
大雨の影響で線路の土台が崩れた肥薩線表木山-日当山間=12日、霧島市隼人(JR九州提供)
 8月の記録的大雨の影響で年内運休見通しとなっているJR肥薩線の吉松(鹿児島県湧水町)-隼人(霧島市)について、JR九州は18日、来年1月以降も運休が当面続くことを明らかにした。運転再開の時期は精査中で、同社は「再開時期が決まり次第、お知らせしたい」としている。

 同区間の表木山(霧島市)-日当山(同)では、線路を支える高さ10メートルの土台が約50メートルにわたり崩壊した。同社によると、現場は周囲に道路がない山中のため重機や資材を運ぶのも困難。10月から機材や資材の搬入経路の整備に着手しているものの、線路本体の工事には取りかかれていない。

 同社は9月から、平日のみ上下11本の代替バスを手配している。12月27日から翌年1月4日までの年末年始期間は休日と同様の扱いとして、運休することも発表した。

 現場は1993年の8・6水害でも被災しており、周囲に川や土砂流入を防ぐための擁壁や水路を設けて対策していた。JR九州の古宮洋二社長はこれまでの会見で「今後の雨量なども想定しながら工法を検討する必要がある」と述べ、復旧には時間がかかるとの考えを示している。

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