2025-05-02

俺は夜な夜なはてなブックマークを漁るのが日課だ。ホッテントリを眺め、気になった記事ポチポチブックマークをつける。コメント欄には、いつものように鋭い意見皮肉妄言が並ぶけど、最近ちょっと妙なことに気づいた。

ある記事――たぶん偏った政治系のニュースだった――のコメント欄で、所謂はてサ」と呼ばれるアカウント書き込みを見かけた。

はてサってのは、はてブ左派的なコメントバンバン投稿するアカウント俗称だ。

過激言葉政府企業批判し、タグに「ネトウヨ」「また自民党か」を連発する。

いつもの風景だと思ってスルーしたけど、そのコメントが妙に引っかかった。

「この記事ちゃんと読んだ? 真実を隠してるよ。私のエントリーを見て。」

短縮URLリンクが貼られていた。

覗いてみるとはてな匿名ダイアリー増田URLだ。

興味本位クリックすると、短い投稿が現れた。内容は、メディア偏向権力の裏側を告発するものだったけど、なんか…異様に生々しい。文末にはこう書かれていた。

ブックマークしたあなたコメント欄で私の名前を呼んで。話したいことがある」

ゾクッとしたけど、増田なんて誰かの悪ふざけだろ? そう思ってブラウザを閉じた。

翌日、はてブを開くと先のはてサの新しい書き込みメタブで付けられていた。

「なんで無視するの? 私のエントリーちゃんと読んだよね?」

背筋が冷たくなった。気持ちいから、しばらくはてブを触らないことにした。

数日後、友達と飲んでた時に何気なくその話をしたら、そいつが真顔でこう言った。

「お前、あのはてサコメントに反応しただろ? あれ、触っちゃダメなんだよ。」

「は?」と聞き返すと、そいつは声を潜めて続けた。

「あのはてサって、ただのユーザーじゃないって噂がある。昔、はてブ過激コメントしまくってたアカウントが、ある日突然消えたんだ。けど、その後も、特定記事そいつコメントが現れる。リンククリックすると、増田誘導されて…そこで名前を呼ぶと、そいつが『見つける』らしい。」

冗談だろ、と思ったけど、帰宅してパソコンを開いた瞬間、画面がフリーズした。はてブ勝手に起動し、コメント欄に新しい書き込みが表示される。

「ねえ、名前を呼んでよ。あなたの後ろにいるよ。」

振り返っても誰もいない。部屋の明かりが一瞬チカッと点滅した。慌てて電源を切ったけど、モニターの反射に、なんか…人影みたいなものがチラついた気がした。

それ以来、はてブを開くたびに、例のはてサコメントが目に入る。政治記事技術記事、猫の写真まで、関係なく現れる。「見て」「話して」「ここにいる」。

増田リンクも、ブロックしたはずなのに復活する。昨日なんて やっと、俺は決めた。はてなアカウントを削除する。でも、最後に一つだけ試してみたいことがある。

コメント欄で、はてサ名前を呼んでみる…あなたなら、どうする?

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