2025-10-03

ネット必須業務化によって、公共性を失ったNHK

10/1からネット必須業務化に伴い、NHKウェブサイトは、NHK ONEへと移行した。結果として、公共放送NHKは、実質的なペイウォールを設け、公共性を大きく失ったメディアへと成り下がった。

NHK ONEコンテンツアクセスしようとすると、同意ボタンを押すことを求められる。現在の建付けでは、この同意ボタンを押せば、受信を開始したとみなされ、放送法上の受信契約の締結義務受信料支払い義務が発生する。NHK ONEでは、この実質的なペイウォールの向こう側にほぼすべてが置かれており、受信契約同意せずお金を払う意思のない人間は、NHK情報へのアクセス制限される。

その他の民間メディアでも、当然ペイウォールを設けてはいる。しかし、民間メディアが(広告付きという条件はありながらも)重要ニュース無料で開放している一方、NHKラジオ関連や緊急情報を除いてほぼすべてを“ペイウォール”の向こう側に隠している。緊急情報提供するという重要な役目は引き続き継続しているものの、基本的にはNHK公共性の低い有料サブスクと化している。

情報選択が行えるネット社会において、お金を払う意思がないとNHKアクセスできないのは致命的だ。今はまだテレビをもって受信料を払っている人が大多数なため、NHKウェブサイトに多くの人がアクセスできるが、今後テレビを持たない人間が増えれば、わざわざNHKお金を払うという選択肢は生まれにくい。

デマ蔓延るこの現代において、日本インターネット空間は、信頼できる公共メディアを失った。今後、数十年にわたって、日本ネット言論空間に影を落とす出来事となるだろう。

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