シャープ2025年度上期、営業利益は289億円へと改善
シャープが2025年度上期(4〜9月)の連結決算を発表した。
売上高では9503億円と前年同期を下回ったものの、営業利益は289億円へと改善した。前年同期の4億円からの伸びとなり、構造改革やコスト削減効果が収益に大きく反映された形だ。
経常利益、最終利益についても利益幅を拡大。上期の好調を受け、同社は通期最終利益予想を46.8%増の530億円へと上方修正した。
ブランド事業好調、利益率大幅増加
収益改善を牽引したのは、ブランド事業だ。第2四半期の営業利益は前年同期比58.4%増の251億円、営業利益率は6.8%と、第1四半期から利益率、利益額ともに上昇している。
ブランド事業を分野別で見ると、家電製品やスマートフォンなどを含む「スマートライフ」分野で、売上高が1507億円と前年同期比で5%減ったものの、営業利益では78.7%増の64億円へと大きく伸びた。国内ではヘルシオなど調理家電が好調を維持したことが一因と見られる。
業務用PCやオフィス機器を含む「スマートワークプレイス」分野も増収増益。売上高は前年同期比5.7%増の2191億円、営業利益は52.5%増の187億円となった。BtoBではGIGAスクール向け、官公庁、自治体向けのPC需要が引き続き堅調。BtoCでは高いデザイン性を訴求したモデルが支持を集めた。
ディスプレイデバイス事業は損益改善するも赤字
一方、ディスプレイデバイス事業は売上高は前年同期比18%減の1026億円、営業損益は62億円の赤字となった。スマートフォン向けパネルの終息や、車載向けでは米国関税の駆け込み需要の反動による減少が影響したと見られる。ただしコスト削減の効果は一定程度見られ、固定費圧縮が進んでいる模様だ。
また、「その他」セグメントでは、堺ディスプレイプロダクト(SDP)やカメラモジュール事業の終息、半導体子会社の売却・非連結化などにより、売上高は前年同期比91%減の72億円まで縮小したが、営業損益は34億円の赤字から1億円の赤字へと改善した。









