“Steam発売禁止”人間牧場ホラー『HORSES』について、GOGが販売支援表明。しかし過去の“手のひら返し”にツッコミも

GOGは11月28日、Santa Ragioneが手がける『HORSES』の予約受付を開始したと告知するとともに、本作を取り扱うことについて声明を発表した。

PCゲームのデジタル販売プラットフォームGOG.comを運営するGOGは11月28日、Santa Ragioneが手がける『HORSES』の予約受付を開始したと告知するとともに、本作を取り扱うことについて声明を発表した。本作は、Steamでの販売を運営元Valveに拒否されたとして注目を集めていた。

本作は、人里離れた場所にある“馬”の牧場を舞台に、実写映像を交えて展開される短編ホラーアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは主人公の大学生となり、夏休み中にこの牧場で働くことになる。飼われている“馬”は、どう見ても馬のマスクを被った裸の人間であるが、プレイヤーは“共犯者”として農夫の指示に従って仕事をしながら、不気味な14日間を過ごす。

『HORSES』は2023年に発表され、当初はSteam向けのリリースが計画されていた。しかし先日11月26日、開発元Santa RagioneはSteamでの発売を断念したことを発表。Valveによる審査の結果、Steamでの取り扱いを拒否されたことが理由で、具体的には作中の「sexual conduct involving a minor(未成年が関与した性的行為)」の描写が問題視されたという。

これに対し開発元は、本作には過激な表現は含まれているが、製品版に未成年のキャラクターは登場しないと説明。そして、問題のあるコンテンツは変更・削除が可能だとしてValveに再検討を求めたものの、同社は議論を重ねた末にSteamでは取り扱わないとの最終決定を下したとのこと。結果として、本作はGOG.comやEpic Gamesストアなどで販売されることとなった(関連記事)。

こうした経緯を受けてか、GOGは11月28日に『HORSES』に関して声明を発表した。同社は、本作をGOG.comにて配信し、プレイヤーに楽しんでもらえる機会を提供できて誇りに思うとコメント。また、プレイヤーは自らに合った体験を選択できるべきだと信じているとも述べている。

その上で、困難な状況にある開発元Santa Ragioneをサポートするために、本作の予約受付を同日より開始したと案内した。Steamでの取り扱い拒否は、同スタジオの経済的に困難な状況に拍車をかける結果となり、現在閉鎖の危機にあるとされる。GOGは、そうした事情を汲んだということだろう。これに対しSanta Ragioneは感謝の言葉を述べている。

『還願 Devotion』

一方で、このGOGの声明に対しては賞賛の声だけでなく、Red Candle Gamesのホラーゲーム『還願 Devotion』について言及するコメントも多数寄せられている。2019年にSteamにてリリースされた同作は、中国の国家主席・習近平氏を「くまのプーさん」になぞらえて揶揄したアセットがゲーム内に存在したことから、中国ユーザーから批判が殺到。結果、同スタジオはSteamでの販売を終了せざるを得なくなった。

その後、GOGが同作を販売すると発表するも、わずか3時間後に撤回。当時、たくさんのゲーマーからのメッセージを受け取った上での決定だと説明され、中国からの批判を受けて販売を断念したことが示唆された(関連記事)。

要するに、GOGは困難な状況に陥った『HORSES』に助け舟を出した格好だが、『還願 Devotion』を結果的に見捨てた過去が掘り返されたかたち。両作品の置かれた状況は厳密には異なるものの、『HORSES』への対応について誇りに思うと言うのであれば、『還願 Devotion』に対しても同じ姿勢を貫いてほしかったとする意見が寄せられているわけだ。『還願 Devotion』の一件は、それだけ印象的な出来事としてユーザーの記憶に残っていることがうかがえる。

『HORSES』は、PC(GOG.com/itch.io)向けに12月2日に、Epic Gamesストア向けには12月3日に配信予定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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