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正直に言おう。最初は軽蔑していた。SNSでの彼女の投稿を見ては、典型的だなと鼻で笑っていた。 反権力... 正直に言おう。最初は軽蔑していた。SNSでの彼女の投稿を見ては、典型的だなと鼻で笑っていた。 反権力、反国家、反自民。俺が守るべき秩序だと思っていたものを、彼女は全部ぶっ壊そうとしていた。 だが、現実は皮肉だ。討論の場で出会い、罵り合い、理屈の応酬を続けた結果、俺は彼女に惹かれた。 彼女の理屈は、俺の理屈と同じくらい整っていた。違うのは立場だけだった。 俺が国を守ろうとしていたのに対し、彼女は個人を守ろうとしていた。 俺が大きな構造を信じるなら、彼女は小さな痛みを信じていた。 だがどちらも、結局は誰かを守りたいという一点において、根は同じだった。 議論の末、二人で飲みに行った。酔いのせいか、あるいは理屈を越えた何かのせいか、気づいたら彼女の顔が近くにあった。 互いに思想をぶつけ合っていた口が、同じリズムで呼吸していた。 チューした瞬間、右翼も左翼もなかった。そこにあったのはただの人間だった
2025/11/01 リンク