経済学の最新知識を分かりやすく解説するコラムです。執筆者は、研究の一線で活躍する気鋭の若手経済学者たち。それぞれのテーマの中には一見難しい理論に見えるものもありますが、私たちの仕事や暮らしを考える上で役立つ身近なテーマもたくさんあります。意外なところに経済学が生かされていることも分かるはずです。(写真=Justlight/stock.adobe.com)
シリーズ
「気鋭の論点」

シリーズをフォロー
92回
資金調達は多様化するも、メーンバンク制は役に立つ
近年、目まぐるしく企業の資金調達の方法が変化している。今やシンジケートローンが人気だが、メーンバーク制はもはや古くなったのだろうか。
革新的な「組み合わせ」を創り続けた先駆者、青木昌彦氏を悼む
いつまでも若々しく活動的だった青木昌彦さんが永眠されたことが、まだ信じられない。今でも、涼しげな帽子をかぶりストライプのシャツを着た青木さんが「あ、伊藤くーん」とちょっとはにかんだような笑顔で現れて、握手のために手を差し出してくるような気がする。
「比較制度分析」の泰斗、青木昌彦氏、逝く
2015年7月15日の遅い午後(米国カリフォルニア時間)、米スタンフォード名誉教授の青木昌彦先生がお亡くなりになった。経済学、特にアジア経済の制度的分析で、さらなるご活躍を期待していただけに残念でならない。
経済学で推計した、働く母親のリアルな育児負担の重さ
子どもを持つ読者なら、子どもの数が増えるに従って世帯内での金銭や時間などの資源配分に変化が起きることを実感しているだろう。本稿は、子どもが産まれると世帯内の資源配分、特に夫婦間の資源配分がどう変化するか分析した。
「コネ採用」は制限されるべきか?
筆者の最近の研究もやはり政策の効果を簡単なモデルを使ってシミュレートするものだ。政策の標的はずばり「コネ」。「コネを通じた採用を禁止/制限すれば、コネを持たない人の厚生は向上するか」どうかである。
農協をつぶすだけでいいのか? 改革はオランダに学べ
日本の成長戦略の柱である農業改革・農協改革に関連して、オランダの農業が最近、脚光を浴びている。オランダ農業で大きな役割を果たすのは、新たな形態の「取引仲介」だ。
いまや家事は、生産性の低い「衰退産業」!?
小さな女の子に「将来どんな仕事に就きたいの?」と尋ねた時、「お嫁さん」という答えが返ってくるのは珍しくないだろう。だが「お嫁さん」を、家事などの「家庭内労働」を担う職業人として捉えると、多少見方が変わるかもしれない。
混雑時に売れ筋以外を「オススメ」すると売り上げが落ちる?
「ビッグデータ」や「データサイエンス」という言葉が巷にあふれるようになり早数年が経つ。ビッグデータが重要なトレンドであることに疑いの余地はないが、巷のビッグデータに関する言説を見ていると、若干の不安を感じることも事実である。
国は自己破産できるのか
最近、ギリシャの債務問題がまた騒がしくなってきた。筆者は2014年9月、国際通貨基金(IMF)を退職し大学に移った。債務問題というと4年前の2011年3月11日を思い出す。
「経済学の帝王」から学ぶ「折れない心」
昨年5月、1992年のノーベル経済学賞受賞者であるゲーリー・ベッカーが逝去した。彼は、すべての社会現象を経済学で説明しようとする「経済学帝国主義」の「帝王」であった。
サバイバルの条件は、創造的「自己」破壊だ
旧世代の勝者が往々にして新しい技術に対応しきれないのはなぜか。同種の疑問を抱いた研究者は多く、有名どころでも過去100年間で3人挙げることができる。クリステンセン、アロー、そしてシュンペーターだ。
経済学で考える、もっと違った投票の仕方
限られた資源を消費しすぎず、次世代にある程度資源を残すような社会を形成するには、参加者全員による投票が有効だとする研究がある。自分勝手な人の行動も、仕組みで変えることができるというのだ。
環境規制の抜け道が、日本のクルマを重くした
ガソリン価格高騰や環境意識の高まりにより、燃費は自動車購入時の重要なポイント。政策担当者が目指すのはそれぞれの自動車で燃費を向上させることにある。しかし実際は「車のサイズを大きくすること」だけで規制をクリアできてしまう。
日銀は物価をゆがめるな
量的緩和は本当に物価を上げるのであろうか?日本については議論が続いているが、ここではイギリスにおける研究結果を紹介する。
賃金格差拡大の犯人探し、世間の「常識」は経済学者の「非常識」?
賃金格差に関して多くの先進国で見られた経験的事実の1つは、製造業で就業している熟練労働者の非熟練労働者に対する相対賃金が1980年代後半から上昇し始めたことだろう。果たして何がこの賃金格差の拡大を引き起こしたのだろうか?
「著名人」自殺報道がもたらす負の連鎖
今年8月、理科学研究所の笹井芳樹氏が自ら命を絶った。その死はマスコミに大きく取り上げられ、加熱報道がしばらく続いた。著者は、笹井氏の死に関する報道を契機として日本全国で自殺者数が増えるのではないかと真剣に懸念していた。
米国、医療保険制度改革の教訓
本稿では、2014年から本格始動した医療保険制度改革、いわゆるオバマケアとその影響について考察する。米国有史以来で最も大きな政府介入の1つとされ、これまでの医療保険制度を社会保障の枠組みで捉え直す大きな変革である。
年金財政の破綻を回避する4つの選択肢
高齢化の進展に伴い、現在の年金制度がこのままでは維持できないことは明らかである。財政の不均衡は、支出が収入を上回ることにより生じ、不均衡が続けばシステムは破綻する。
「高齢者と移民」が人手不足解消のカギ?
本稿では、OECD(経済協力開発機構)のデータベースを使って、日本と他の先進国の世界同時不況期における労働市場関連のマクロ経済変数を比較する。
「小さく生んで大きく育てよ」は間違い
日本では長い間、出産において小さく生んで大きく育てよ、と言われることが多い。だがこれは、端的にいうと「間違い」である。
フォローすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
シリーズをフォロー
