コーポレートガバナンス(企業統治、CG)改革の要諦である「CGコード」が制定されて10年。取締役会の機能を強化する一環で、企業は社外取締役の積極的な登用を進めた。しかし形式的・機械的に社外取を増やす傾向も強まり、機能不全を起こす事例も多い。経営の監督だけでなく、執行側と共に闘い、社内外の壁を打ち破って活躍する──。社外取バブルともいわれる時代、真に企業に貢献する「物言う社外取」が今こそ必要だ。(写真=bizvector/stock.adobe.com)
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物言う社外取締役

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全10回
第1回
[新連載]島耕作が問う覚悟 社外取は「老後でなく現役」
日本一有名な社外取締役とも言える、「島耕作」。相談役を退き就いた塗装会社の社外取として、後継者問題などの課題に立ち向かう。作者の弘兼憲史氏は「社外取は老後でなく現役だ」と話す。島耕作は社外取や企業に企業価値向上に資する覚悟を問うている。
第2回
日産自動車・ニデックも 経営不振・不祥事が問う社外取締役の実効性
カルロス・ゴーン元会長の逮捕でガバナンス不全が露呈した日産自動車も、19年に指名委員会等設置会社に移行したが経営の混乱が収束したとは言いがたい。多様な社外取締役をそろえるニデックでは不適切会計疑惑が浮上している。社外取締役の監督機能は実効性を高めているのかが問い直されている。
第3回
三菱ケミカル、攻めの社長指名が混乱招く ギルソン体制が残した教訓
指名委員会等設置会社に移行し、異例の外国人社長であるジョンマーク・ギルソン氏を招へいした三菱ケミカルグループ。ただ同氏は3年で「事実上の解任」にあい、保守本流と言える石油化学部門に詳しい筑本学氏が後任となった。三菱ケミカルから学びとれる指名委員会の教訓とは何か。
第4回
社外取、3分の1以上の企業は83%に 取締役会での比率は主要国最下位
ガバナンス改革から10年、日本企業はどこまで進化できたのか。TOPIX上位100社では社外取締役が取締役の過半数を占める企業は5割以上。「形式面では非常に進化してきた」と評価する声もある。一方で、改革の進捗には行き詰まりも見られる。
第5回
時価総額1.5倍の丸井グループ 投資家株主の社外取が戦略検討委員会のトップに
社外取ブームに乗って集めても、使い方次第では宝の持ち腐れに陥る。常識にとらわれず見いだした人材を、業績向上の案内役にしよう。「監督と執行」の壁を打ち破ってこそ、難局を乗り越えられる。
第6回
インフロニアHD、挫折知るパイオニア元社長を社外取に 異業の経験値生かす
強い個性とリーダーシップを持つ社長ほど、社外から経営ボードに入れる人材を頼りにする。自身が考え抜いて決めたビジネスの方向性が正しいか、確認するよりどころに据えているからだ。だからこそ、人選の目利きは大きなポイントになる。
第7回
「ユーザー目線がなさ過ぎる会社」 ワークマンを変えたYouTuber社外取
作業服からカジュアル衣料などへと業態を広げているワークマン。「ユーザー目線がなさ過ぎる会社」(土屋哲雄専務)という問題意識を抱えていたワークマンに消費者の視点を持ち込んだのは、異例の「ユーチューバー社外取」だった。
第9回
セブンやスノーピーク、社外取から社長へ転身 「経営トップの登竜門」化も
監督と執行の壁が薄くなる中で、社外取締役を社長として起用する企業が出てきた。経営の現在地を熟知しているという前提に基づき、トップのバトンを経験豊富な外部人材に渡すものだ。一方で、社内のリーダー育成が不十分だったことを公に認めるという側面もある。
第9回
「AI社外取締役」がついに登場 中国古典「孫子」に精通、三谷産業が試験導入
あらゆる分野でAI活用が進む中、ついに、AI社外取締役も登場した。導入したのは金沢市の複合商社、三谷産業。取締役会の活性化や経営に東洋思想を取り込むのが狙いだ。法定の取締役ではなく、助言・提言に特化。あくまで実験だが、単なる知恵袋ならAIでも代替できる可能性を示唆する。
第10回
「社外取に私もなりたい」 育成講座に応募殺到、30~40代も
社外取締役の急増で、なり手不足や質担保の難しさなど弊害も表出。売り手市場に売り込みも殺到するがミスマッチの状態が続く。「足りない」とばかり叫んでも仕方ない。問題解決に向けた動きを探る。
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