投稿 2025年7月30日

昔の製法で塩を作る、抜け殻を提供する~自由研究の思い出2

自由研究の思い出を存分に語ってもらう投稿コーナーです。

ガチ勢から手抜き勢まで、幅広い勢力のエピソードが集まりました。

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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オロナミンCの瓶を笛だと言い張る

まずはいただいた投稿をどんどん紹介してきましょう。

小学校3年生、初めての自由研究。8/31にも関わらず自由研究をまったくやっておらず焦った私は、カメラを手に外に繰り出し「町で見つけた顔に見える風景」を撮影して回りました。

当時はフィルムカメラだったので早めに撮影を終えてすぐに現像を依頼、写真を受け取ると、夜までかけて用紙にまとめました。

学校では一応成績優秀で真面目な子として通っていたのですが、あまりにやっつけな自由研究だったよな…と思っています。(みかん)

 町で見つけた顔に見える風景、めちゃくちゃいいですね! 自由研究の「自由」に重きを置いた内容です。

「褒めれば切り花は長持ちするのか?」をテーマに研究したのですが、一声もかけなかったものが一番長持ちしました。(大藤)

余計なことをしないほうが伸び伸び成長するという結果に。

とにかく楽に終わらせたくて、サラッとした工作できりぬけていました。菜箸に彫刻刀で縦に溝を彫って『すべらない菜箸」とか(ホントに滑りにくい)、ポリバケツの底にドリルで沢山穴をあけて、その下にポリバケツ重ねて汁受けにして『生ゴミ用ゴミ箱」とか(実際、家でしばらく使ってました)。(くらだし) 

既存の物に一手間かけることで完成とします。100均のキッチングッズだってそういう感じですもんね。

私の学校も大体工作で、毎回提出日直前になんとかするタイプでした。ただの棒の片方に貝殻を貼り付けて「さかな」として発表したら、クラス中がキーーンと体験したことがない静寂に包まれたことがあります。

翌年はさらに時間がなくて、オロナミンC(瓶)のシールだけ剥がして「笛」といってみんなの前で拭いたら、さらに静まり返りました。辛い思い出です。(よざひかる)

DPZライターの與座さんです。オロナミンCの瓶を笛にするの、工作というより概念の更新でしかありません。現代アートなんじゃないだろうか。

小学校高学年の頃、同じマンションに住む幼なじみが「クルーズ船の長期旅行をした」という思い出話をでかでかと壁新聞にまとめてきました。子供心に「ずるい」、当時無かった語彙で言えば「金に飽かしたチートだ」と感じました。(りんぬ)

得意げなスネ夫の顔が目に浮かびました。 

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家族が本気を出してしまう

見るに見かねた親が手を出してしまう、という投稿も複数確認されました。

野球少年だった長男の自由研究。少年野球チームのチームメイト&コーチのグローブの写真を撮って解説をつける「グローブ図鑑」。だからなんだ?という内容ですが、意外と力作でした。

さすがにそれだけでは・・・と思って、東京ドームにある野球博物館に連れていき、展示してあるグローブも追加しました。チームメイトの写真は練習のときに撮らせてもらったので、実質調査日は野球博物館の一日だけでした。たしか、「調べもの賞」(?)みたいな賞をもらいました。(ふたふた)

プロのグローブも並べることで調査にぐっと厚みが出ますね。博物館に行くだけで意外と手間もかからないし、有用なノウハウかも。 

両親がそれぞれ理科と家庭科教師なのですが、小学4年生の時に父が本気出した顕微鏡で微生物を観察した記録(字でバレるからと一応清書は自分でしました)と、中学生の時に母が本気出して作った家の模型(自分はほぼ何もしていません)がそれぞれ賞を受賞してしまい青ざめました。

自分も国語の教員免許を持っていますが、子どもがやらないので仕方なく代わりに書いた読書感想文が賞を受賞してしまい青ざめました。20数年越しに学習していないことを反省した次第です。(鵲)

親子二代にわたり教師に、そして親子二代にわたり自由研究で受賞しています。この連鎖をお子さんは断ち切れるでしょうか。

夏休みの工作・自由研究は親が本気で取り組むもの、という家庭で育ちました。

小学生の時は本物の野菜で型を取った張子の貯金箱や、海水から作ったにがりで豆腐作りなど、祖母や母が手がけた渋め&クオリティ高めの研究を毎年提出していました。

そんな不真面目な我が家ですが、教師一族なのが不思議なところです。生徒たちの宿題を見ているうちに自分でもやりたくなるものなのでしょうか。(スミ)

まさかの教師自らが手を出すパターンも。日頃から「自分だったらもっとうまくやれるのに……」というフラストレーションがたまるのでしょうか。 

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塩も鉄も作る自由研究ガチ勢

お待たせしました。最後は自由研究ガチ勢のコーナーです。

小学三年生の自由研究で塩を同級生と三人で作りました。藻塩です。海水を海の砂利に通して濃くして濃くして煮詰めてという、図書館で調べた昔ながらの製法で。からの模造紙に過程やらを手書きして……結果、何らかの賞を受賞しました

作った藻塩は使ったのが食べられる海藻か判らない為に食べませんでした(今になって思うとホンダワラだったかと。食べりゃ良かった)(忠貴)

昔ながらの製法で塩を手作り……! あと、三人で共同研究にしてもいいんだ、と今さら気づきました。

小6の夏休み、たたら製鉄をやりました。島根県民かつ、父親の実家が出雲地方の鍛冶屋だったのでそこで。よくある操業体験ではなく、一人でやるこじんまりしたやつです。

既製の炉にブロワで空気を吹き込み、袋いっぱいの木炭と一週間かけて集めたバケツ一杯の砂鉄をひたすら放り込むこと半日。得られたのは大量の銑(不純物だらけの脆い鉄)ばかりで、玉鋼(いいやつ)は飴玉大のものがちょっとだけでした。

このときはこんなもんかと思っていたのですが、夏休みが明けて二学期の修学旅行で岡山の製鉄工場の見学に行きまして。そしたらとんでもなくでかい鉄がばんばか流れてまして…近代製鉄すごい!!それに比べてたたら製鉄は割に合わなさすぎる…と文明開花を身をもって感じたのを今でも覚えてます。(とりっぴー)

塩の次は鉄です。たたら製鉄、千と千尋の神隠しで見たアレですよね。炉と木炭と砂鉄という必要条件がそろっている環境もすごい。

爬虫類を飼っています。数年前の夏に、仲良しのご家庭の自由研究に抜け殻を提供したところ、これが大ウケ

参考画像としてトカゲを抱えた私の写真が添えられていたらしく、その後しばらく近所の小学生から「トカゲの人だ!」と指さされるようになりました。「もしかしてユーチューバーですか?」と聞かれたのが一番面白かったです。違います。(スガワラ)

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「抜け殻の提供」という形で自由研究に参加するルートがあるとは。生息地や脱皮の特徴までまとめられていて力作です。

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まだまだ募集します

自由研究、普段の生活とは違うことをやるので思い出に残りやすいですよね。喜怒哀楽すべての感情が投稿に宿っておりました。

発表はもう1回続きます。これを読んで思いだしたら、ぜひ送ってください! 画像の投稿もお待ちしております。

今年の自由研究に困ったらこちらもどうぞ。

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