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2025.10.24 11:00

走ることを、体験に。「BROOKS」が描くランニングの新時代――ウォーレン・バフェットが惚れ込んだ哲学とは

米国発のランニングシューズ専門ブランド「BROOKS」が、日本市場で存在感を高めている。大手総合スポーツブランドがしのぎを削るなか、同社はどのような戦略で挑んでいるのか―。「東京2025世界陸上」に合わせて来日したBROOKS Running(Brooks Sports, Inc.)CEO、ダン・シェリダンに話を聞いた。


9月に開催された「東京2025世界陸上」は、世界最高峰の戦いに多くの観客が沸いた。だが競い合っていたのはアスリートだけではない。選手の足元を支えるシューズメーカー同士の戦いもまた熾烈だった。そんな舞台でひときわ注目を集めたのが、米国代表スザンナ・サリバンの足元にあったランニング専門ブランド「BROOKS」の厚底シューズだ。女子マラソンで4位に入賞したサリバンは、レース直後、倒れ込んだ日本代表・小林香菜を支える姿でも話題に。スポーツの素晴らしさを改めて世界に示した瞬間だった。

バイオメカニクスに基づき開発された厚底シューズ

トップアスリートだけではない。世界では今、市民ランナーの数も右肩上がりで増えている。背景には、コロナ禍を経て高まった健康意識がある。いまなおその流れは衰えを知らない――そう語るのは、BROOKS Running(Brooks Sports, Inc.)CEOのダン・シェリダンだ。

ダン・シェリダン BROOKS Running(Brooks Sports, Inc.)CEO
ダン・シェリダン BROOKS Running(Brooks Sports, Inc.)CEO

「私たちの分析では、ランニングやウォーキングへの参加率はこの20年間、上昇し続けています。特にランナーについて言えば、少なくとも週2回以上走っている人は、世界中に2億人以上いると推定されています。世界的な健康やウェルネスのトレンド、そしてランニングに時間を割けるようになった中間層の増加が牽引し、市場は今後も拡大を続けるでしょう」

特に注目すべきはZ世代だと言う。

「興味深いのは、若い世代が早い段階からランニングを始めていることです。特にZ世代は、他の世代よりもスタートが早く、10歳を過ぎたころから走り始めた人も少なくありません。ランニング市場には今も新しい参加者が次々と加わっています」

ランナーが増加することで、ニーズも多様化している。ファッション性を重視する人もいれば、機能性や走り心地を重視する人もいる。そうした多様なニーズに応えるのがBROOKSだ。

1914年に米ペンシルベニア州フィラデルフィアで創業したBROOKSは、ランニングシューズに特化した専門ブランドだ。初心者から上級者まで、目的やランニングスタイルに応じた幅広いモデルを揃えており、近年はアスリートだけでなく市民ランナーにも広がる厚底シューズのラインナップが充実しているのも特徴だ。

「ランナーは、走りにさまざまな体験を求めています。地面の感触を楽しみながら走りたい人もいれば、浮遊感を求めるランナーもいる。後者が必要とする厚底シューズは5年前までは技術的に困難でした。ところが素材の進化とイノベーションの加速により、軽量で厚みのあるソールを実現できるようになったのです」

厚底シューズの製品化は、同社の技術力の結晶と言えるだろう。

「BROOKSの強みのひとつは、イノベーションと研究開発の能力です。人間の動きのバイオメカニクス(生体力学)に基づき、ランナーにとって最高の製品を創造するために尽力しています。東京2025世界陸上に出場した私たちの契約アスリートたちが素晴らしい記録を達成したことは、私たちが最高のランニングギアを提供している証しです」

BROOKSの厚底は、軽量クッション、前方への体重移動を助ける反り上がり形状、カーボンプレートによる推進力、広い接地面で快適性を実現している。
BROOKSの厚底は、軽量クッション、前方への体重移動を助ける反り上がり形状、カーボンプレートによる推進力、広い接地面で快適性を実現している。

トップアスリートが愛用するBROOKSだが、それは競技者だけのものではない。ブランドテーマは「Let's Run There」であり、すべての人々に対して「さあ、走ろう」と呼びかける。

ランニングコミュニティの一員としてランナーに「体験」を

111年の歴史を誇るBROOKSにとって、重要な出来事のひとつが2006年に起きた。同社は、ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイの傘下に入ったのだ。それは、「本物の価値あるブランドに長期投資する」というバフェット哲学とBROOKSの「ランニングに特化し本質を追求し続ける姿勢」が一致した結果だとシェリダンは言う。

「ランニングには、人生に変革をもたらす力があります。『Let's Run There』は、ランナーたちが歩むジャーニーを称えるとともに、まだ走ったことがない人たちをランニングへ招待するための掛け声でもあります。ただし走るという行為自体が重要なわけではありません。私たちのブランドに関わっていただくことが重要だと考えています」

「バークシャーがBROOKSを評価するのは、市場規模の大きさと高価格帯製品による収益性の高さです。世界中に多くの店舗を持たないため運営コストも低く、ROICは非常に高い。しかし、何よりも大きな理由はブランド力です。ウォーレンは、このプレミアムで最高峰のパフォーマンスブランドを愛している。だから投資したのです」

バークシャーの影響力は大きく、同社の傘下に入ってからBROOKSは、14%の年平均成長率(CAGR)を達成したという。

このように業績が好調なBROOKSが今最も重視している市場のひとつが、日本だ。シェリダンは、日本市場をどのように捉えているのだろうか。

「私たちの調査によると、日本は世界第5位のランナー数を誇る重要な市場です。製品の機能などの本質的な部分の重要性はどの市場も変わりませんが、デザインやカラー、素材といった部分には違いがある。日本は、走りのパフォーマンスとファッショントレンドの両方が重視される市場であると理解しています。

ランニングギアのカジュアル化は世界的な流れであり、私たちは最近、パフォーマンスとデザインを融合させ、日常使いができるライフスタイルカテゴリーを立ち上げました。それがパフォーマンスカテゴリーにも好影響を与えると期待しています」

日本展開するうえで最も重視しているのは、ブランド認知の向上だ。そのための施策のひとつとして、東京2025世界陸上の開催期間中に、東京・原宿で体験型ポップアップイベント「HYPERION HOUSE(ハイペリオン・ハウス)」を開催した。ブランドヒストリーの展示や最新シューズの試し履き、イベント限定商品の販売、来場ノベルティの配布など、ここでしか体験できないコンテンツを提供した。

「東京2025世界陸上」の期間中に開催された、東京・原宿で体験型ポップアップイベント「HYPERION HOUSE(ハイペリオン・ハウス)」
「東京2025世界陸上」の期間中に開催された、東京・原宿で体験型ポップアップイベント「HYPERION HOUSE(ハイペリオン・ハウス)」

「都会のなかの一軒家というユニークな空間で、BROOKSの最高峰の製品であるHYPERIONシリーズを紹介しました。私たちの契約アスリートがこの製品を使って世界陸上に臨んだので、このイベントには、その最高峰のパフォーマンス製品を称える意味もありました。また、日本のランナーたちがブランドやその歴史を体験できる場も演出しました。私たちは111年にわたり、靴の開発と製造に携わってきた職人集団です。消費者にブランドを理解してもらうことは、非常に重要だと考えています」

同イベントでは、BROOKSの契約アスリートである2018年ボストンマラソン優勝者のデジレ・リンデン、2007年大阪世界選手権10,000m2位になったカーラ・グーチャーも訪れ、2人による人気ポッドキャスト「Nobody Asked Us」のライブ収録が行われた。

認知度向上の次に重要なのは、ユーザーにどのように商品を届けるかだとシェリダンは言う。

「私たちはマルチチャネルブランドであり、日本の代理店や自社ウェブサイトを通じて販売をしています。今後はランナーと積極的に関わり、日本のランニングコミュニティの一員となるための取り組みも強化していく予定です」

BROOKSが重視するのは「体験」だ。人々が走ることを通じて求めているのが体験だからだ。ランナーにそれを提供することこそが、BROOKSの価値だとシェリダンは断言する。

「私たちの価値は、ランニングコミュニティやランナーに体験を提供することにあります。ランナーの走りを向上させる製品そのものも体験ですが、デジタル体験と店舗をつなげることで、ランナーにとって最高のソリューションを提供していきたいと考えています」

ダン・シェリダンがお気に入りのシューズとして挙げた「Glycerin MAX(グリセリンMAX)」。新素材「DNA Tuned」を前脚部に39mm、かかと部に45mm搭載しブランド史上最も厚いクッションで快適な履き心地を実現している。
ダン・シェリダンがお気に入りのシューズとして挙げた「Glycerin MAX(グリセリンMAX)」。新素材「DNA Tuned」を前足部に39mm、かかと部に45mm搭載しブランド史上最も厚いクッションで快適な履き心地を実現している。

BROOKS
https://brooksrunning.co.jp/


ダン・シェリダン(Dan Sheridan)◎BROOKS Running(Brooks Sports, Inc.)CEO。1998年に営業・マーケティング担当としてBROOKS入社。27年間にわたり、販売、オペレーション、eコマース、マーケティング、カスタマーサービス、グローバル戦略など幅広い分野で活躍。COOを経て2024年より現職。

promoted by BROOKS / text by Fumihiko Ohashi / photographs by Kenta Yoshizawa / edited by Akio Takashiro