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2025.10.24 11:00

スポーツブランドOnが銀座に旗艦店をオープン 来日したCEOが語る、技術と哲学

スイス発のスポーツブランドOnが、世界陸上を機に銀座旗艦店を開業。CEOが語るエンジニアリング企業としての矜持と、日本市場への期待。売上高1,170億円企業の「数字の裏側」にある哲学とは。


インタビューに応じるマーティン・ホフマンのブルゾンの腕に記された「Swiss Engineering」の文字に、目が止まった。Onは、エンジニアリングの企業である。ささやかながら明確な主張が、ブランドの本質を物語っている。

9月、世界陸上の熱気に包まれた東京で、On CEOのマーティン・ホフマンは語り始めた。

「我々は確かに成長を遂げてきました。大切なのは、なぜその数字が生まれたかにあります。私たちはエリートアスリートが世界大会で履くシューズをつくっているスイスのエンジニアリング企業です。技術があるからこそ、街でも履きたくなる美しさが生まれるのです」

2010年にスイスで創業したOnは、独自のクッショニング技術「CloudTec®」で瞬く間にランニング界を席巻した。今や80カ国以上で展開し、売上高約1,170億円を誇る。13年にCFOとして入社し、21年から共同CEO、そして25年からは単独でCEOも務めるマーティンは、財務の専門家として成長を支えてきた。

粗利益率が6割を超える好調な業績も、アジア太平洋地域での前年比2倍以上という驚異的な成長も、すべては技術への確信から生まれている。

「日本のランナーは、本物を見極める目をもっています。CloudTec®の反発力や、素材の機能性を理解して選んでくれる。だから世界陸上、銀座旗艦店のオープン、原宿で開催したブランドスペースOn Labs Tokyoという3つの出来事を、ランナーの目が東京に集中するタイミングに合わせてデザインしました」

9月12日にオープンした「On Flagship Store Tokyo Ginza」。地下1階から2階まで約938㎡の広さは世界2番目の規模。地下1階にはコミュニティスペース「ランクラブ」があり、ランニングイベントなどを開催する予定だ。住所は東京都中央区銀座4-3-1。
9月12日にオープンした「On Flagship Store Tokyo Ginza」。地下1階から2階まで約938㎡の広さは世界2番目の規模。地下1階にはコミュニティスペース「ランクラブ」があり、ランニングイベントなどを開催する予定だ。住所は東京都中央区銀座4-3-1。

東京で開催する世界陸上という絶好のモメンタム。原宿の小さな店舗では受け止めきれなくなった日本のファンの熱気。フルラインナップを世界観とともに見せるプレミアムな空間、コミュニティが生まれる場所。銀座店は、Onが日本で次のステージへ進むための重要な拠点となる。

技術革新と環境への責任

原宿のOn Labs Tokyoで公開したLightSpray™技術について聞くと、マーティンの目が輝いた。

「ロボットアームが3分でシューズのアッパーをつくり上げる。6年かけて開発したこの技術は、CO2排出を75%削減しながら、第二の皮膚のようなフィット感を実現します。素材の切れ端といった無駄も生まれません。プレミアムとは価格ではなく、こういう体験の質なのです」

サステナビリティへの投資という観点からは、マーティンは財務と環境の両立を強調する。

「CleanCloud®のような循環型プログラムも、LightSpray™も、短期的なリターンは期待できません。でも10年後、これらが業界標準になる。そのビジョンに投資できるのは、今の収益基盤があるからです。環境への責任と財務の健全性は、対立するものではなく、長期的には同じ方向を向いているのです」

原宿のOn Labs Tokyoで実演されたLightSpray™技術。熱可塑性ポリウレタンのフィラメントをロボットアームが噴射し、わずか3分でアッパーを形成。CO2排出量を従来の製法より75%削減、廃棄物ほぼゼロを実現。
原宿のOn Labs Tokyoで実演されたLightSpray™技術。熱可塑性ポリウレタンのフィラメントをロボットアームが噴射し、わずか3分でアッパーを形成。CO2排出量を従来の製法より75%削減、廃棄物ほぼゼロを実現。

銀座店を初めて訪れた日のことだった。スタッフ総出の歓迎を受け、ハイタッチを交わしながら店内を巡ったマーティン。そのにぎわいがひと段落したエアポケットのような時間に、一人佇む彼と目が合った。彼に歩みよると、コンクリートの壁面にそっと手を触れながら私にこう言った。

「もしかしたら、この店で私がいちばん気に入っているのは、この壁かもしれません」

そして、静かに続けた。

「ただの打ちっぱなしではない。職人さんの手仕事のあとが残されている。洗練されているのに、人の温もりを感じる。これこそ、私たちが求めているものです」

この瞬間こそ、マーティンがOnの本質を最も雄弁に語った瞬間だった。スイスの精密技術と、人間的な温かさの融合。それが彼の目指すブランドの姿なのだと感じた。

日本市場への期待を問うと、マーティンは確信に満ちた表情を見せた。

「日本のランナーたちが私たちの技術を理解し、評価してくれている。On Labs Tokyoで実際にロボットアームが動く様子を見て、多くの人が感動してくれた。これこそが、私たちが伝えたかったことです」

最後に、ブランドのミッションについて聞くと、マーティンはこう締めくくった。

「『動くことを通じて人の心に火を灯す』。技術だけでも、物語だけでも実現できない。両方が必要なのです」

スイスの時計職人のような精密さと、日本の職人が壁に残した手仕事の温もり。ふたつの職人魂が出合う場所で、Onは新たな成長の章を書き始めている。

Cloudboom Strike LSは、LightSpray™製のシームレスなアッパーがシューレース不要の快適なフィット感を提供。片足約170g(26.5cm)、40,000円。
Cloudboom Strike LSは、LightSpray™製のシームレスなアッパーがシューレース不要の快適なフィット感を提供。片足約170g(26.5cm)、40,000円。

オン・ジャパン
https://www.on.com/ja-jp/


マーティン・ホフマン◎On CEO。経営学とコンピューターサイエンスの学位をもつ。2013年にCFOとして入社し、21年1月から共同CEOを兼任。On入社前は欧州の上場小売企業でCFOを務めるなど、財務戦略の専門家として活躍。21年のIPOも主導し、テクノロジーと財務の両面からOnの急成長を支える。25年7月より単独CEO。

Promoted by オン・ジャパン | text by Tsuzumi Aoyama | photographs by Mizuaki Wakahara