アジサイの色は土の性質で変わる？植物の不思議を解説！

アジサイの色は土の性質で変わる？植物の不思議を解説！

梅雨の時期に美しく咲くアジサイ。青や紫、ピンクなどさまざまな色の花を咲かせることで知られていますが、実はその色は土の性質（pH）によって変わるってご存知でしたか？今回は、そんな植物の不思議な仕組みに迫ります。

なぜアジサイの色が変わるの？

アジサイの花の色は、土の中のpH値（酸性・アルカリ性）と、土壌に含まれる「アルミニウムイオン」の量によって決まります。

• 酸性の土壌（pH 4.5〜5.5） → 青い花になりやすい
• 中性〜弱アルカリ性（pH 6.0〜7.0） → ピンクの花になりやすい
• 中間のpH（pH 5.5〜6.0） → 紫色になることも

アルミニウムがカギだった！

アジサイの花びら（正確には「がく片」）は、アルミニウムイオンが取り込まれると青色に変化します。

酸性の土ではアルミニウムが溶け出しやすく、アジサイに吸収されて青くなるのです。反対に、アルカリ性の土ではアルミニウムが土に固定されてしまい、アジサイが吸収できないためピンク色になります。

なぜ紫になるの？

青とピンクの中間である「紫」は、アルミニウムの吸収量が中程度だった場合や、pHが中性に近いときに見られます。つまり、土壌のpHバランスが微妙なときにできる、いわば“グラデーションカラー”です。

土の性質を調整して色を変えられる？

実は家庭でもアジサイの花の色を変えることが可能です！

• 青くしたいとき → 酸性にするために、ピートモスや硫酸アルミニウムを加える
• ピンクにしたいとき → 石灰（苦土石灰など）を加えてアルカリ性に近づける

ただし、リン酸肥料を与えすぎるとアルミニウムが固定されてしまうため、バランスにも注意が必要です。また、色の変化はすぐには起こらず、翌年以降に現れることが多いです。

ちなみに…白いアジサイは？

白いアジサイは土の性質に関係なく、遺伝的に白い花を咲かせる品種です。そのため、酸性でもアルカリ性でも色はほとんど変化しません。

品種によっても違う？

すべてのアジサイが土によって色を変えるわけではありません。セイヨウアジサイ（ヒメアジサイ）などの一部の品種が特に変化しやすいとされています。

まとめ

アジサイの花色は、土壌のpHとアルミニウムの存在によって変化するという、まさに自然の科学実験のような仕組みが働いています。

自宅のアジサイを育てる際は、土の状態をチェックして、お好みの色に育ててみるのも楽しいですよ！「植物の不思議」を身近に体験できるチャンスです。