日本人の歯磨き習慣は、世界の非常識――。
「日本人の9割が歯の磨き方を間違えている」と話すのは、『歯を磨いても むし歯は防げない』著者で、歯科医師の前田一義氏だ。
【前編記事】「世界一長く歯を磨いているのに、むし歯の罹患率は高い……『9割が歯の磨き方を間違えている』日本人の非常識とは」につづき、むし歯にならない歯磨き方法や、歯ブラシの選び方を前田氏がリポートします。
口をゆすぐことは大間違い
前編では、むし歯になりたくなければ、歯磨き粉は1500ppmに近い高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉を選ぶべきだという理由をお伝えしましたが、それにあわせて、歯の磨き方も日本人の従来の方法から変えていかなくてはいけません。
たとえば歯磨き粉を使って歯磨きした後、水を入れて何度も口をゆすぐ習慣がある人がほとんどでしょう。口の中が歯磨き粉まみれでは気持ち悪いと感じる人は多いでしょう。口の中のばい菌を出すためにも口をゆすぐことが大切だと思っていらっしゃる方もいるかも知れません。
しかしそれは日本人特有の感覚で、高濃度のフッ素が入った歯磨き粉を使う場合、これは「やってはいけない習慣」となります。
海外では歯磨きのあと口の中をゆすがない人も少なくありません。とくにフッ素の効能を子供の頃から教えられているスウェーデン人は、フッ素を洗い流すようなもったいないことはしません。せいぜい口の中の余分な歯磨き粉を吐き出す程度です。
フッ素配合の歯磨き粉による歯磨き効果を高めるなら、口の中はゆすがないほうがいいのです。どうしても気持ち悪い人は、ペットボトルのキャップ1杯程度の水でゆすげば充分です。最初は物足りないかも知れませんが、慣れればこれで十分になります。