近年、痴漢や盗撮など、学校や塾の教職員が性犯罪に手を染める報道が後を絶たない。実際文科省によると、令和5年度に性犯罪で懲戒処分・訓告を受けた教職員は320人に上り、さらにその半数の157人は「生徒への性暴力」を理由に処分されている。
しかし、このような情けない実態は今にはじまったことではない。いやむしろ、昔のほうが現代の倫理観では考えられないようなことが平然と行われていた。遅くとも1970年代には、「教職員は聖職ならぬ“性職”」とテレビや新聞で揶揄されていたほどである。
「女教師とPTA会長のダブル不倫」「女生徒の生理日を職員室で大予想」など、昭和ならではのとんでもない話を、『週刊現代』1976年11月4日号の記事を再編集してお届けする。
第1回
校長先生40年めの述懐
「教師と坊主は助平が多いものだと昔からいわれている。先生は女生徒の刺激をうけながら、いつもそれを抑圧していなければならないタテマエだから、ときにそれが爆発するんです。私は教師夫婦の離婚調停を何件も経験したが、いずれもご主人に愛人ができたというケースでしたね」(弁護士・S氏)
しかし、それが“事件”となるのは、きわめて“不運”な場合に限られる。
栃木県の某女子高の校長先生(希望により匿名)は、明快に述べる。
「私の教員生活は40年、うち7年間は女子高の校長ですが、教師と女子生徒の不倫関係というのは、そんなに珍しいことではない。年に一度や二度はあるものです。
問題を起こすのは、体育、美術、音楽などの教師で、英語や数学の教師は非常に少ない。と申しますのは、クラブ活動の関係で、部室で、夜遅くまで、マン・ツー・マンの個人指導を行ううち、魔がさしたというか、衝動的にやってしまうのがほとんどです。
しかし、それらはすべて新聞沙汰にはならなかった。たとえ告訴までいっても、千余の生徒の動揺をおさえるため、教師にも父兄にも助言し、よろしくはからいます。その種の新聞記事を目にすると、よほどその校長は力がなかったのだなと、私などは思います。教師と生徒の不倫事件は、穏便に処すのが普通で、事件になるはずはないんですよ」
ニュースになる痴漢教師は氷山の一角だという背景が如実に伝わってくる話だ。が、この老校長先生の衝動説や倫理観は、いささか、古風なようだ。今様の教室風景は、もっとヒラケチャッテルーー