レビュー

「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」レビュー

『マクロスΔ』第2弾はC型のミラージュ機。ハヤテ機をベースに頭部パーツ等が新規造形

【HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)】
発売元:BANDAI SPIRITS
価格:5,500円(通常版)、8,250円(デラックスセット)
発売日:2025年10月25日
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約155mm(バトロイド形態時頭頂高)
Δ小隊の紅一点、ミラージュ・ファリーナ・ジーナスの愛機が立体化しました。

 2025年7月に発売された「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機)」(以下:J型)は多色成形を活用した色分けの再現が特徴的なプレイバリューの高いキットでした。『マクロスΔ』からのプラモデル化第2弾として、10月25日に「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」が発売されます。本稿では、C型のミラージュ機とJ型のハヤテ機の違いを確認しつつその魅力を紹介します。

ガウォーク形態時においても頭部形状がJ型と異なります。

赤紫色のパーソナルカラーのミラージュ専用機

 今回紹介する「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」はテレビアニメ「マクロスΔ」に登場したΔ小隊の紅一点ミラージュ・ファリーナ・ジーナスが搭乗する機体です。VF-31Cは、頭部機銃が左右2門装備された形状で、ミラージュ機は白地に赤紫色のカラーリングが施されています。

ファイター時はパーソナルカラーの違いをより楽しむことが可能です。

C型は頭部形状が変更。共通パーツはそのままに一部新規造形で再現

 本キットは前作のJ型と同様にインサート成形の色分けパーツが採用され、パーツを切り離すだけで複雑なカラーリングを再現できます。また、本キットはVF-31C本体のみが付属した通常版と、マキナ・中島のアクリルスタンドとオリジナル水転写式デカールが付属したデラックスセットを展開します。これまでに発売されたHGマクロスシリーズキットと同様に専用水転写式デカールも同時発売されます。

「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」通常版のパッケージ
「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)デラックスセット」のパッケージ
「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機) 専用水転写式デカール」(価格:770円)も同時発売

 今回は「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)デラックスセット」を素組みレビューで紹介します。C型とJ型の相違点に重点を置いた内容となるので、各部の組み立て詳細はJ型のレビューを参照してください。

 最初に付属するランナー等を見ていきます。本キットもVF-31Cを構成するパーツの他に専用水転写式デカールとマキナ・中島のアクリルスタンドが付属します。本アクリルスタンドのデザインも『マクロスΔ』キャラクター原案・実田千聖氏(CAPCOM)による新規描き下ろしイラストを使用したものとなります。

Aランナーは多色成形ランナーでクリアグリーンのセンサーパーツが新規造形となります。
B1ランナーに変更点はありませんが、B2ランナーは頭部パーツが新規造形です。
Cランナーに変更点はありませんが、Dランナーは機関銃パーツの形状が変更されています。
Eランナーは成型色が赤紫色に変更となり、E、Fランナー共にJ型では頭部を構成するパーツがありましたが、今回は含まれません。
GランナーもJ型の頭部を構成するパーツは含まれません。
H、I1ランナーに変更点はありませんが、本キットには新規ランナーとしてI2ランナーが追加され、K2ランナーに含まれるマキナ・中島のフィギュアも新規造形パーツです。
Jランナーに形状変更はなく、成型色が赤紫色と白色の2色です。
マーキングシールは配色の変更の他、コールサインの変更があります。
デラックスセットにはマキナ・中島の水転写式デカールが付属します。
アクリルスタンドのマキナ・中島は両面印刷です。

VF-31Cの特徴となる頭部パーツ

 本キットにおけるJ型との大きな相違点として頭部パーツの形状が挙げられます。C型は頭部機銃を2門備え、センサー形状も異なります。

パーツ状態での頭部パーツ。頭部機銃数とセンサー形状が変更しています。
完成した頭部パーツ。頭部機銃の銃身角度は固定です。
ガウォーク、ファイター時に使用する頭部パーツも同様に形状変更されます。

成型色の変更で印象が大きく変わる主翼パーツ

 「VF-31」系キット最大の特徴としてインサート成形を採用したパーツが挙げられます。J型のキットでは青色と白色の2色で成型されたパーツが採用されましたが、本機では赤紫色と白色の2色でインサート成形が採用されています。特に主翼部パーツにはインサート成形パーツが多く採用されており、印象が大きく変わります。

完成した主翼部は、成型色の変更で印象が大きく変わります。

パイロットフィギュアもキャラクターに合わせた造形

 本機のパイロットフィギュアは機体同様に1/100スケールですが、パイロットの性別が判別できるほど細かく造形されています。同スケールのマキナ・中島のフィギュアも本人と認識できるほど細かい造形です。

パイロットフィギュアはハヤテとミラージュの違いが確認できます。
マキナ・中島のフィギュアも本人と認識できる細かい造形です。

 キットで確認できるC型とJ型の主な相違点は以上となります。ここからは完成した「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」をJ型と共に見ていきます。

配色と頭部形状の変更で印象が大きく変わるVF-31Cが完成

 最初にバトロイド形態での造形を比較します。J型と比較すると、パーソナルカラーが変わることで機体の雰囲気が引き締まって見えます。

正面は引き締まった印象です。
背面の主翼はインサート成形による色分けです。
腕部固定武装のミニガンポッドは回転させることで展開可能です。
頭部は本キットで新規造形されています。

 本キットとJ型は一緒にポージングさせることでより違いを楽しむことが可能です。

VF-31CバトロイドとVF-31Jバトロイドでポージングさせてみました。並べることでより違いがはっきりします。
両機の頭部アップ。頭部の造形は完全新規造形です。

 手持ち武装はJ型と同様にガンポッドとアサルトナイフが付属します。

アサルトナイフを構えたVF-31Cバトロイド。武装はJ型と同じものが付属します。

 ここからはバトロイドからガウォークに変形させます。ガウォークへの変形プロセスはJ型と同じく差し替えパーツを使用した「差替三段変形(ショートカットチェンジ)」を採用しています。

コックピット後方の頭部パーツ以外はJ型の成型色変更となります。
背面はカラーリングの変更で印象が異なります。
尾翼のコールサインは「Δ04」です。
VF-31CガウォークとVF-31Jガウォークでポージングさせてみました。配色の違いで印象が変わります。
ガウォークにおいても頭部のみ造形が異なります。
ガンポッドはハンドパーツで保持可能です。

 最後にガウォーク形態からファイター形態に変形させます。ファイター形態への変形プロセスもVF-31Jと同じ手順で変形させます。

J型同様前進翼を持つ形状です。
足首の可動を活用し、スラスターノズルの角度を調整できます。
「差替三段変形」によってファイター形態のボディの薄さも忠実に再現できています。

 ファイター形態ではアクションベースを使用した展示はもちろん、ランディングギアを展開して複数機展示することも楽しめます。

アクションベースを使用して曲芸飛行をイメージした展示。
ランディングギアを展開してミニフィギュアと共に展示。
コックピット内部はそれぞれのキャラクターを意識した造形が採用されています。
マキナ・中島のフィギュアもフレイア・ヴィオンとの違いがはっきり分かります。

 デラックスセットに付属するマキナ・中島のアクリルスタンドはフレイア・ヴィオンのアクリルスタンドと並べることでより世界観が広がります。

本キットに付属するマキナ・中島のアクリルスタンドとJ型デラックスセットに付属するフレイア・ヴィオンのアクリルスタンド。他のメンバーもコレクションしたくなります。

 今回紹介した「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)」は、J型で実現した高い色分け精度と組み立てやすさを踏襲しつつ、頭部を新規造形にするなど、再現度にも妥協のないパーツ構成となっていました。

 また、デラックスセットに付属するアクリルスタンドはJ型に付属したフレイア・ヴィオンと並べることでよりコレクター心をくすぐるアイテムとなっています。これから登場するΔ小隊のキットとワルキューレのアクリルスタンドを、全てコレクションボードに展示した時のことを想像するとわくわくしてきます。

 次回の『マクロスΔ』のプラモデルは、2026年1月に「HG 1/100 VF-31S ジークフリード (アラド・メルダース機)」の発売が決定しており、要注目です。キットには、ワルキューレから美雲・ギンヌメールのフィギュアが付属します。