特別企画
誰でも簡単にできる! プラモやフィギュアに発光ギミックを搭載できる「模型電光」使い方ガイド
ハンダ付けやプログラミングの経験は一切不要。ソフトウェアでさまざまな発光パターンに対応
2025年10月31日 00:00
- 【小型LED制御基板「模型電光」】
- メーカー:ビット・トレード・ワン
- 11月7日発売予定
- 価格:オープン価格(市場想定売価:3,278円前後)
- ジャンル:電飾ツール
- サイズ:18×27×6mm(幅×奥行き×高さ)
- ※最大6つのLEDを制御可能
ビット・トレード・ワンから、11月7日にプラモデルや模型などの電飾向け超小型LED制御基板「模型電光」が発売される。模型電光は、親指大のコンパクトな基板ながら、最大6個のLEDを制御し、さまざまなパターンで発光させることができるユニークな製品だ。プラモデルやフィギュアなどに発光ギミックを仕込みたいという人には待望の製品ともいえる。そこで、模型電光の特徴や使い方、自己責任での拡張などを紹介する。
なお、「模型電光」を実際にプラモデルやフィギュアに取り付けた記事も掲載しているので、合わせて読んでほしい。
8ビットのPICマイコンを搭載し、6個のLEDを制御できる模型電光
今回は、模型電光の本体基板とLEDユニット6個(3色×2)、押しボタンスイッチ、USBケーブルがセットになった「スターターキット」を試用したので、まずはその中身を紹介する。
模型電光は、8ビットのPICマイコン「PIC18F14K50T-I/SS」を搭載した独自設計の基板で、サイズは幅18×奥行き27×高さ6mmとコンパクトで薄いので、ちょっとしたスペースに入れられることがメリットだ。Microchip Technology製のPICマイコンは、低価格で使いやすいマイコンとして人気があり、さまざまなデバイスで利用されている。
PIC18F14K50T-I/SSは、8ビットのPICマイコンとしては性能が高く、USBインターフェイスを内蔵していることが特徴である。模型電光には、インターフェイスとしてUSB Type-Cポートが用意されており、給電と通信の両方の役割を果たしている。PCと模型電光をUSBケーブルで接続し、専用アプリを使って設定を行なう。
模型電光には、6個のLEDと1個のスイッチを接続するためのソケットが用意されている。スターターキットに付属しているLEDユニットは、0805と呼ばれる2.0×1.25mmの極小LEDが採用されているが、あらかじめケーブルとコネクタが接続されているので、ハンダ付けなどは不要で、本体のソケットに差し込むだけですぐに使える。
模型電光は、オープンソースで開発されていることも特徴であり、回路図、ファームウェア、PCアプリのソースコードがすべて無償公開されており、ライセンスに従えば、改造や再配布、商用利用も自由だ。自分だけの光パターンや新機能を作成することもできる。
使い方はLEDとスイッチを接続し、専用アプリで発光パターンを指定するだけ
模型電光は、本体の基板に必要なLEDとスイッチを接続し、発光パターンを設定するだけですぐに使える。前述したように、LEDやスイッチにはあらかじめケーブルとコネクタが接続されているので、ハンダ付けなどは一切不要だ。LEDには極性があるが、コネクタの赤色とソケットの赤色を合わせて差し込めばOKだ。スイッチには極性はないので、向きを気にせず差し込めばよい。
発光パターンを指定するための専用アプリもUIが直感的で分かりやすく、誰でも簡単に使える。専用アプリはWindows 7以降のWindows OSに対応しており、認識のためのドライバなども不要だ。LEDとスイッチを接続した模型電光とPCをスターターキットに付属しているUSBケーブルで接続し、専用アプリを起動する。アプリの右下に「デバイス検出済」と表示されていれば正しく認識されていることになる。
まず、スイッチのパターンを設定する。「設定なし」、「ONのとき点灯」、「OFFのとき点灯」、「ONの度にON/OFF反転」、「OFFの度にON/OFF反転」の5つのパターンから選べる。一番基本的なパターンは「ONのとき点灯」で、スイッチを押している間だけLEDが点灯し、スイッチを離せば消える。
スイッチをずっと押しておくのが大変なら、「ONの度にON/OFF反転」を選べばよい。スイッチを1回押したら、離してもLEDの点灯は続き、もう一度スイッチを押すとLEDが消える。
スイッチやLEDのパターンを設定したら、その変更内容を模型電光の本体基板に書き込むか確認する画面が表示されるので、「はい」を選べばよい。ここで設定された内容は、PCから取り外したり、電源を切ったりしても、消えることはない。
続いて、LEDの点灯パターンを設定する。「未設定」、「ON」、「点滅」、「明滅」、「ゆらぎ」、「蛍光灯」、「マズルフラッシュ」、「回転灯」の8つのパターンから選べ、それぞれ初期遅延時間や輝度などを調整できる。各点灯パターンの詳細については、次のパートで説明する。
出力1~6までのLEDの点灯パターンの設定内容は、アプリ画面の右側にある設定リスト内に一覧表示されるので分かりやすい。設定リストのNo.の右側のチェックボックスは、実際にその端子に出力を行なうかを決めるもので、チェックが入っている番号のみ出力が行なわれるので、忘れずに確認しておこう。PCと接続している場合は、PCからUSB経由で電源が供給されるので、そのまま押しボタンを押せば、LEDが設定したパターンに従って点灯する。
もちろん、PCを接続せず、ACアダプターやモバイルバッテリーからUSB給電を行なうことでも、動作可能だ。ただし、流れる電流が少ないため、モバイルバッテリーによってはモバイルバッテリー側で電源を遮断してしまうことがある。その場合は、他のモバイルバッテリーを試してみるとよい。
LEDの発光パターンをすべて試してみた
模型電光は、誰でも簡単にLEDをさまざまなパターンで発光させられることが最大の魅力だ。用意されている発光パターンは、「未設定」、「ON」、「点滅」、「明滅」、「ゆらぎ」、「蛍光灯」、「マズルフラッシュ」、「回転灯」の8パターンで、それぞれ点灯時間や揺らぎの強さなどを調整可能なので、自分のイメージ通りにLEDを点灯させることができる。調整可能な項目は、発光パターンによって異なる。
一番シンプルなONの場合は、初期遅延時間と輝度のみ調整が可能である。初期遅延時間は0~60秒まで1秒刻みで調整でき、輝度は1~20まで1刻みで調整できる。
点滅は、パッと光って消えるシンプルなフラッシュで、初期遅延時間と輝度以外に、ON(点灯)時間とOFF(消灯)時間を0.02~30秒まで0.02秒刻みで調整が可能だ。また、「繰り返し」のチェックボックスにチェックを入れると、点滅を繰り返すことができる。
明滅は、点滅と似ているが、ゆっくり明るくなり、ふわっと消えるという違いがある。こちらは、初期遅延時間と輝度以外に、明滅時間とOFF(消灯時間)を0.02~30秒まで0.02秒刻みで調整が可能であり、繰り返しのチェックボックスも用意されている。
ゆらぎは、ロウソクの炎のように揺らめく光り方で、初期遅延時間以外に、強さと速さを調整できる。強さは1~5までの5段階、速さは1~10までの10段階で調整可能だ。
マズルフラッシュは、銃口の閃光のような発光を再現するもので、調整項目は、初期遅延時間と輝度以外に、点射数と点射速度、点射間隔が用意されている。点射数は1~100まで、点射速度と点射間隔は0.02~30秒まで0.02秒刻みで調整が可能で、繰り返しのチェックボックスにチェックを付ければ、発光が繰り返される。
回転灯は、やや特殊な発光パターンであり、出力1~3と出力4~6をまとめて制御する。出力1~3に対して回転灯を設定した場合、出力1が発光、出力1が消えて出力2が発光、出力2が消えて出力3が発光、出力3が消えて出力1が発光というように、順番に発光を繰り返すので、3つのLEDを用いて回転灯を表現することができる。回転灯では、初期遅延時間と輝度以外に、速さを1~10までの10段階で調整可能で、繰り返しのチェックボックスも用意されている。
あくまで自己責任! 他社パーツ&LEDで広がる新たな可能性
模型電光は、スターターキットに含まれているLEDユニットや純正オプションの追加用LEDを利用するだけでもいろいろな使い方ができて面白いが、市販されている他社のスイッチやLEDを追加することで、さらにその可能性は広がる。もちろん、純正以外の勝手パーツを使うことはメーカーの保証外になるので、試す方はあくまで自己責任ということを忘れずに。
磁石でオンオフできるスイッチを使ってみる
まず、押しボタンスイッチの代わりに磁力でONになるリードスイッチを試してみた。模型電光のソケットに差し込んで接続するには、ブレッドボード用のワイヤージャンパーを利用すると便利だ。ワイヤージャンパーそのままだとソケットに差し込む金属部分が長いので、5mm程度にカットするといいだろう。
リードスイッチには極性はないので、ソケットに差し込む向きは気にしなくてよい。リードスイッチを使えば、磁石を近づけることでON/OFFを制御できるので、例えば、魔法のステッキやペンダントなどに磁石を組込み、近づけるとフィギュアが反応して発光するといった仕掛けも実現できる。また、水銀スイッチなど、向きを逆さまにしたり傾けたりするとONになるスイッチもある。こうしたスイッチを使うことで、さまざまな仕掛けが考えられるだろう。
大きな砲弾型LED、自動発光色変化LED、長方形LEDを繋いでみた
模型電光の純正LEDは、0805と呼ばれる2.0×1.25mmの極小LEDであり、その小ささがメリットとなることは多いが、組み込む場所や模型によっては、もっと大きいLEDのほうがしっくりくることもあるだろう。
中でもオーソドックスなLEDは、砲弾型と呼ばれる形状で、その名の通り弾丸のような形をしている。直径もさまざまなものが売られている。また、正面から見たときの形が正方形や長方形のLEDも各種存在している。
こうしたLEDは、秋葉原のパーツショップなどで、1つ数十円(まとめ買いするとさらに安くなることも多い)で販売されているので、自分のイメージに合うLEDを探してみるのも面白いだろう。LEDには極性があり、極性を間違えると点灯しないので注意が必要だ。通常、LEDの足は2本あり、長い方がアノード(プラス)なので、足の長い方を模型電光のLEDソケットの赤く塗られている方に挿せばいい。足の長い方に赤色ケーブルを、短い方に黒色ケーブルを使えば、間違えて接続することを防げるだろう。
ここでは、直径5mmの青色砲弾型LED、自動発光色変化LED、オレンジ色長方形LEDを試してみた。20mA前後で点灯するLEDなら問題なく使えるようだ。自動発光色変化LEDは、電源を入れるだけで、ゲーミングPCのように七色で色が変わっていくもので、色の変化速度も何種類かある。純正以外のLEDを使いたいが、ハンダ付けなどの自信がないという人は、GSIクレオスの模型商材ブランド「Mr.HOBBY」シリーズのLEDをそのまま使うこともできる。「Mr.HOBBY」シリーズのLEDは、模型電光の純正LEDと同じようにあらかじめケーブルとコネクタが接続されているので、ハンダ付けなどの作業は不要だ。
また、初期遅延時間を活用すれば、時間が経つに連れて点灯するLEDが増えるタイマー的なギミックを作ることも可能なので、実際に試してみた(最大60秒までだが)。
アイデア次第でさまざまな用途に使える模型ファン待望の製品
模型電光は、ハンダ付けやプログラミングの知識がなくても、プラモデルや模型に発光ギミックを組み込める便利な製品だ。点灯パターンが豊富に用意されており、細かな調整も自由にできるので、自分の思い通りにLEDを制御できる。自己責任にはなるが、汎用のLEDを使うこともできるので、アイデア次第でいろんな用途に使うことができる。自分で作ったプラモデルや模型、ジオラマなどに発光ギミックを組み込んで、ディテールアップしたいという人にピッタリの製品であろう。
(C) 2025 - BitTradeOne.


































































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