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世界一個性的な成人式の衣装。忘れられた部族「セルクナム族」の独特なボディぺインティングとコスチューム(南米)

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 セルクナム族は、アルゼンチンとチリの南ティエラ・デル・フエゴに7000年間住んでいた石器時代の狩猟民族である。遊牧生活をしながら、その土地と調和し、魚を含む狩猟採集生活をしていた。

 部族のもっとも神聖な儀式は成人式である。男性たちは独特のボディペインティングを施し、不気味なお面をかぶり、恐ろしい精霊に扮するのだ。

少年が大人になるとき、精霊に扮する

 セルクナム族には酋長はいないが、”世界の父”と呼ばれる賢者が部族をまとめていた。彼らは精神的に人々、天候や行事をを支配する力を持っていたと考えられる。

 部族のもっとも神聖な儀式は、いわゆる成人式だ。成人になる男子たちは、赤、黒、白のペイントで全身に模様を描き、毛皮や羽毛、樹皮の衣装をまとい、不気味な面をかぶって、怖ろしい精霊に扮する。数日ときには何週間にもわたって、彼らはさまざまな成人の儀式を行い、少年たちは大人の男になる。

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今はもう存在しない、忘れられた部族たち

 こうした儀式が最後に行われたのは1920年のことで、宣教師のマルティン・グシンデがこれらの写真を撮影した。なので残念なことに白黒写真しか残っていない。

 グシンデがドイツで聖職者になったのは1911年。ニューギニアへわたって、エキゾチックな部族相手の宣教師になるのが望みだったが、サンティアゴのドイツ人学校で教えるよう言われて、チリに派遣された。

 数年ののちに彼はチリの民族人類学博物館に職を得て、チリとアルゼンチンの遥か南部に位置するティエラ・デル・フエゴに足を踏み入れることができた。

 1918年、グシンデは初めてティエラ・デル・フエゴのグランデ島に赴いた。彼自身の言葉によると、古くからの部族との出会いは、”言葉に言い表せないほどの熱狂”と、”若々しい夢”でいっぱいだったという。

 グシンデが彼らと接触した1918年から1924年、セルクナム族、ヤマナ族、カウェスカー族はすでに絶滅の危機に瀕していた。のちに滅んでしまった彼らの生活の一端を見せてくれる。

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 他の写真はこちらから見ることができる。

via:designyoutrust./ written konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 54件

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    1. ※1
      どうしても名前出てこないと思ったら1で出てた

      • 評価
  1. この中に何人かケムール人がいると見た

    • +11
  2. 彼らは何歳で成人式を迎えたのか。たぶん見た目よりずっと若い人たちなんだろうね。厳しい環境下で生活していただろうことがうかがえる。

    • +12
  3. この部族の人達って、白人が服の文化を持っていったら喜んで着たけど洗濯の概念を伝え忘れて、汚れた服ずっと着ていたから病気が蔓延して滅んだって部族だっけ?
    身体には獣油塗ってるから寒くないってのもこの部族だよね?

    • +11
    1. ※14
      ぐぐったらスペイン人に滅ぼされたんだってさ

      • +8
  4. 何時ぞやの呪い面と似てて思ったが、
    お面に三箇所穴を開けるのは世界共通なんだなぁ。
    世界には写真にすら、残っていない衰退した民族がいたのかもしれない。

    • 評価
  5. ストレートに怖い
    何がってこのくまなく全身から溢れ出る円谷臭

    • +23
  6. 人が考える、恐ろしくて力あるモノのビジュアルイメージは共通するんだろうか。

    • +12
  7. モザイクがある事で逆に下品に感じる。
    こういうのは不要だよ。凄く失礼。

    • +34
    1. ※21
      もちろん元写真にはモザイク無いよ

      この奇妙な姿、何処かで見た事あるなぁと思ったら
      40年以上前に家にあった、ライフ ネイチャーライブラリーの何かの巻で見た覚えがある
      民族だったか人類だったか
      ともかく、LIFEは20世紀初頭から70年代に掛けてのフォトグラフ誌の一大勢力だったから
      その当時の社会情勢、科学、生活、色んな写真があって、見掛ける有名な写真の元ネタの事が多い。
      ちなみに「サナギを半分に切ってから羽化させる」というネットに出回ってる有名な画像があるんだけど、あれもライフネイチャーライブラリーの昆虫だったか生物の巻の写真

      • +5
  8. もしかしたら、第3種接近遭遇をしたのかもしれない。

    • 評価
  9. 素敵な文化が凄いスピードで失われ
    全てが平均化しちゃうのは 寂しいねぇ。田舎の美味しい食堂が無くなり
    ファミレスチェーン店になるような味気なさ。

    • +9
  10. この伝統を引き継いで奇妙な衣装を身にまとって成人式を迎えるのが修羅の国・福岡である。

    • -3
  11. 上から三枚目の右の人がサルバトール・ダリに見えるw
    なんかこの部族の人達も彼の作品って感じがするし。

    • 評価
  12. 白黒なのがなんていうか、「失われた」感を際立たせている。
    推定でカラー着色したら、どんな感じになるんだろう。それも見てみたい。

    • +3
  13. これ自体は知ってたけどフルチンだったのはこの記事で気付いた。

    • +4
  14. 諸星大二郎の漫画に出てきそうな部族だな

    • +1
  15. 下二枚に息子スティックにモザイク忘れてる笑
    これ笑えるけど笑っちゃいけないやつだろうな

    • +6
  16. この人たちは南米にしては珍しくポリネシア系の
    血が混じってるらしいね。そうだとしたら、
    ポリネシアの精霊を衣装化したものだろうから
    奇抜な見た目だけど、それほどおどろくもの
    じゃないのかもしれないw

    • 評価
  17. 彼らの儀式の正装何だからこちらの都合でモザイク入れるのは礼を欠くと思うな

    • +8
  18. グシンデさんは民族ヲタだったんだね。失礼ながら、昔の欧米人って異教徒を改宗させたり、植民地化するイメージが強かったから、こんな人がいたのに驚き。しかも文面からすると、未知の民族に会いたいから宣教師になった感もw最終的に博物館職になってるしww

    • +11
  19. この前、本屋で見かけた「ハイン 地の果ての祭典」という本が
    この部族について扱っていたな。
    どういう文化を持っていたか気になって買うか迷っている

    • +2
  20. モザイクは礼を欠くっつったってモザイクしないで万が一ポ ルノの謗りうけて文句言われるのは管理人だしなー。絵画や彫刻とは違う。

    • +5
  21. やっぱり、隣村の何兵衛のペイントは良かったとか、今年の流行の模様だとかあるんだろうか。

    • +7
  22. 昔見た自然紀行番組(TBSの新世界紀行?)で南米の洞窟絵画を紹介する話があり
    鳥人と紹介されていた異形のものがここで紹介されている精霊と形がそっくりだな。

    • +1
  23. カオナシとピカチュウはわかった。

    • 評価
  24. これは怖い
    夜中に遭遇したら失神する

    • 評価
  25. 民族を見守る精霊のコスプレしてハロウィン的なお祭りしてたと言えば理解できる

    • 評価
  26. これが大真面目で神聖な儀式だったのか、宴会芸の一発芸をこじらせすぎたものなのか興味深い。

    • 評価

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