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ニンニクにはうがい薬と同等の抗菌力がある。問題は強烈なニオイと刺激に耐えられるかだ

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(著)

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Image by unsplash Farah Alabbouchi
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 うがい液は、口の中の細菌を殺菌して数を減らし、虫歯や歯周病、そして口臭を予防するための口腔ケア用品だ。

 アラブ首長国連邦の研究チームが行った最新の調査で、ニンニクエキスを配合したうがい液が、歯科医療の現場で標準的に使われている薬用のうがい薬と同等の抗菌能力を持つことが判明した。

 さらにその作用の持続性は、うがい薬を上回る可能性さえあるという。

 天然由来で体にやさしそうなニンニクのうがい液だがそこには壁が立ちはだかる。その強烈なニオイと刺激だ。

 虫歯や歯周病の原因菌は減らしたいが、そのために口からニンニクの香りを漂わせる覚悟はあるか?究極の選択だ。

 この研究成果は『Journal of Herbal Medicine』誌(2025年9月25日付)に掲載された。

医療用「うがい薬」に匹敵するニンニクのパワー

 現在、歯科医療の現場では、クロルヘキシジンを配合したうがい薬が標準的に使用されている

 手術後の感染予防や歯周病治療に効果的な抗菌成分だが、長期間使用すると歯に着色したり、味覚が変わったりする副作用がある。

 また、使い続けることで細菌が薬に対する抵抗力を持ってしまう「薬剤耐性菌」が出現するリスクも懸念されている。

 そこで研究者たちが注目したのが、古くからスタミナ源や抗菌作用を持つ植物として親しまれてきたニンニクである。

 アラブ首長国連邦・シャルジャ大学の研究チームは、過去の膨大な文献の中から信頼性の高い5つの臨床研究を厳選し、実際のヒトの口の中でニンニクエキス配合のうがい液がどれほどの効果を発揮するかを詳細に分析した。

 その結果、高濃度のニンニクうがい液は、口内の微生物活動を抑制する点において、医療用のうがい薬であるクロルヘキシジンとほぼ互角の効果があることがわかったのだ。

 さらにニンニクエキスには使用直後の瞬発力だけでなく、その後もしばらくの間、うがい液としての効果が長く続く傾向が見られたという。

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Image by pixabay stevepb

強烈なニオイと口の中がヒリヒリするという諸刃の剣

 ここまで聞けば、すぐにでも薬局に並んでほしいと思うかもしれないが、実用化には少し勇気が必要になりそうだ。

 今回のレビューでは、ニンニクうがい液が持つ無視できない副作用も浮き彫りになった。

 報告によると、ニンニクうがい液を使用した被験者からは、「口の中がヒリヒリと焼けるような感覚(灼熱感)」や「不快なニオイ」がするという訴えがあったという。

 化学成分のうがい薬も副作用を持つが、ニンニクの場合はその刺激と強烈なニオイがハードルとなる。

 口の中の菌を減らし、歯周病や口臭を予防するために使ったはずが、その直後からニンニク特有のニオイに悩まされるというのは、なんとも皮肉な話だ。

 研究者たちも、「患者が従来のうがい薬からニンニクベースのうがい液に切り替える意欲を削ぐ可能性がある」と認めている。

 どれだけ健康に良くても、毎朝口の中がニンニク祭りになるのは、社会生活を送る上で少々厳しいものがある。

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Image by Istock SIphotography

なぜニンニクなのか?世界が注目する「アリシン」の可能性

 そもそも、なぜこれほどまでにニンニクが注目されるのか。その秘密は、ニンニクに含まれる「アリシン」という化合物にある。

 これが強力な抗菌・抗真菌作用を発揮し、細菌だけでなく真菌やウイルスにまで対抗できるポテンシャルを秘めているのだ。

 植物学的には野菜に分類されるニンニクだが、世界中どこでも手に入るハーブでありスパイスだ。

 2024年の世界消費量は約3000万トンに達し、その市場規模は150億ドル(約2兆3000億円)を超えている。特に中国は生産と消費の両方で圧倒的なシェアを誇り、世界供給の80%近くを占めるニンニク大国である。

 処方箋が必要な場合が多い医療用のうがい薬と違い、ニンニクエキスならドラッグストアで手軽に買える製品に応用できる。安価で手に入りやすく、自然由来であることは大きな魅力だ。

 今回の研究はあくまで既存の論文を分析した段階であり、著者らは「臨床で広く使えるようにするためには、もっと大規模な調査が必要だ」と結んでいる。

 おそらく、その研究の中には「どうやってニオイと刺激を消すか」という課題も含まれていることだろう。

 もし将来、無臭で刺激の少ないニンニクうがい液が開発されれば、それは間違いなく口腔ケアの革命となる。

 だがそれまでは、大事なデートや会議の前にニンニクで口をすすぐのは控えておいたほうがよさそうだ。

 あるいは、「ニンニク臭、みんなが出してりゃ怖くない」という社会の実現もあるにはあるかもしれないが、ニオイの問題は特に日本ではデリケートだからなぁ。

References: Sciencedirect / Scientists Say Garlic Mouthwash Works As Well as Popular Antiseptics

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この記事へのコメント 21件

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  1. 仕事行かない土曜日以降ならニンニクも悪くない
    でも食べた後おしっこも臭いんだよな。これが実は困る

    • +4
    1. 無臭ニンニク作ったら一儲け出来そうだな

      • 評価
      1. そもそも薬効成分のアリシンが臭いの元だから
        効能を維持しつつ無臭にするのはなかなか難しそう

        • +9
        1. その通りだし、匂いが食欲そそるから無理だった

          • +3
  2. 生ニンニク大量に食べたらピロリ菌道連れにできないかって考えたことあるよね?

    • +4
    1. 腸内細菌で必要な連中も被害受けるので、生ニンニク大量摂取は良くないとされてます。

      • +10
    2. ピロリ菌も道連れにしてくれるかもしれないが、ピロリ菌以外の有益な菌も道連れにすることが問題かな?

      • +8
  3. おお、ニンニクの蜂蜜漬けの液を喉に直接垂らすと風邪由来の痛みが1日で治るよ
    やっぱり研究されてるんだね

    咳で痛んだ喉も保湿されて和らぐから重宝してる
    ばあちゃんが大量に作ってくれた☺️

    • +10
  4. うがいするだけでも臭いのか?

    • +1
  5. アリシンは加熱に弱いから、すりおろし生ニンニクじゃないといかんし、取りすぎると腸内細菌も殺菌されるし、日常的に使うにはかなりハードル高いな……。

    • +10
  6. 昔ペストが流行してた時代に『四人の盗賊のビネガー』っていうニンニクの酢漬けがあってだな
    感染症が流行してた時に試したが、体感的にだけど効果はそこそこあったと思う
    日常使いするなら水と油と塩を入れてドレッシングにしてサラダにかけるのが食べやすい

    • +6
  7. 同僚が腸内細菌タヒんで凄まじい腹痛でのたうち回ったらしい。 「丸ごと1個で駄目なのかっ!(´;ω;`)」だそうです。個人差あるけど皆さんもお気を付けて。

    • +8
    1. 自分も香り付け以上の量で下すよ
      形が見えたりメニュー名にニンニクが入ってるものは避けてる
      どうしても食べないとならない時は食後胃が落ち着いたくらいのタイミングで飲むヨーグルト等で援軍を送るとまあまあ無事
      食後すぐだと一瞬で殺菌されそうだから

      • 評価
  8. 加熱されていても大量摂取は悪玉だけでなく善玉まで根こそぎ持っていく
    無差別破壊兵器ぞガチで腸内細菌0になるそうだ
    一日1or2カケ、小さじ2杯程度で我慢しとき
    何事もほどほどに。だ

    • +6
  9. 無臭ニンニク(75%カット)もあるけど
    効果はどうなんだろうか
    なんとなく使用する時には4倍使う感じになる

    • +2
  10. 探せば他にあると思うw

    • +4
  11. 薬効成分そのままにニンニク臭を消したニンニクうがいを開発できたらイグノーベル賞確定

    • +1
  12. 水にとかして撒けば畑の微生物とか殲滅できるし
    生で半個も食えば後悔するほどの腹痛おこすぐらい強烈だからな

    • +4
  13. ニンニク摂りすぎ ダメ。ゼッタイ。

    • +1
  14. レオピンの液なめたら確かに強い

    • 評価

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