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各新聞が両院議員総会(執行部辞意)で社説書いてたんで比べて読もう

朝日新聞(社説)自民参院選総括 再生の道筋が見えない

2025年9月3日 5時00分
www.asahi.com


 大敗を喫した7月の参院選から1カ月半。国民生活を圧迫する物価高への対応など、喫緊の課題が山積するなか、自民党はいつまで「コップの中の嵐」のような党内の駆け引きを続けるのか。これではとても、党の地盤沈下に歯止めをかけることはできまい。

 自民が参院選総括をまとめ、両院議員総会に報告した。有権者の自民離れの要因として、物価高対策が国民に刺さらなかったことや、「政治とカネ」の不祥事による信頼喪失など9項目を列挙。SNSでの発信力強化など、今後の改善策も盛り込み、「解党的出直し」に臨むとした。

 ただ、裏金問題が「不信の底流」にあると分析しながら、「法令遵守(じゅんしゅ)」などを掲げるだけで、実態解明や企業・団体献金の見直しには全く触れていない。敗因を分析し、いくら反省を口にしても、実効性のある具体策を示せなければ、国民には本気と受け取ってもらえないだろう。

 石破首相は総会冒頭のあいさつで、敗北は「総裁たる私の責任」と認めたうえで、諸課題への対応を挙げ、続投の意思を改めて示した。「地位に恋々とするものではない」「しかるべき時に決断をする」とも述べたが、その時期には言及しなかった。

 将来の辞任をにおわすことで、足元の退陣要求を和らげたいという思惑があるのなら、個利個略と言われても仕方あるまい。

 今回の総括を受け、森山裕幹事長や小野寺五典政調会長ら党四役が辞意を表明した。首相は「余人をもって代え難い方と今も思っている」と述べ、森山氏を慰留する考えをにじませたが、誰もけじめをつけないという事態が、このまま許されるだろうか。

 今後は総裁選前倒しの是非を問う手続きに入る。党所属国会議員(衆参両院議長を除く)と47都道府県連代表を合わせた342の過半数の賛同が得られれば実施される。8日に議員の書面提出があり、結果が公表される見通しだ。

 衆参両院で「少数与党」に陥った以上、首相が職を辞すのが筋だろうが、「石破おろし」を仕掛ける側にも党再生の大義は見えない。

 首相はきのう「石破であれば変えてくれるという期待を裏切った」と、国民におわびした。あくまで政権継続をめざすというなら、失われた「石破らしさ」を取り戻し、新たな旗印を掲げて、総裁選で改めて党内の信任を取りつける道もあるのではないか。

 党のリーダーとしての正統性を再構築できねば、政策実現のために野党に協力を求めることもできないだろう。




毎日新聞   自民の参院選大敗総括 総裁のけじめなき無責任

mainichi.jp


朝刊政治面
毎日新聞
2025/9/3 東京朝刊
1647文字



 選挙で信任を失った政権トップがけじめをつけようとしない。無責任と言うほかない。

 自民党が、参院選大敗を総括する両院議員総会を開いた。石破茂首相は「地位にしがみつくつもりは全くない。しかるべき時にきちんと決断する」と強調した。

 一方で、賃上げや防衛力強化、農政改革などを挙げて「早急に対応しなければいけない課題に責任を持つ」とも述べ、現時点で退陣はしない考えを示した。



 自民、公明両党は国政選挙で連敗し、衆参両院ともに少数与党に転落した。民主主義の根幹をなす選挙において、有権者から「ノー」を突きつけられた事実は重い。

 首相自身、「石破であれば変えてくれるとの国民の期待を裏切った」と認めた。

空疎な「解党的出直し」
自民党両院議員総会で発言する森山裕幹事長(中央)。左は石破茂首相、右は木原誠二選対委員長=同党本部で2日、平田明浩撮影
 選挙敗北を理由に、森山裕幹事長ら党四役が相次いで辞意を表明した。本来であれば、党を率いてきた総裁が最大の責任を負うべき局面である。


 ところが、執行部が総会で示した総括には、総裁の責任問題についての明確な記述がなかった。敗因として、参院選公約の物価高対策が「国民に刺さらなかった」ことや、「政治とカネ」の問題による信頼喪失などを列挙するにとどまった。

 「解党的出直しに取り組み、真の国民政党に生まれ変わる」とうたいながら、党改革の具体策は乏しい。インターネットの交流サイト(SNS)による発信力強化などに言及した程度だ。


 そもそも、派閥裏金事件をきっかけに浮上した「政治とカネ」の問題で、首相がリーダーシップを発揮する場面はなかった。政策をゆがめかねない企業・団体献金についても、党内の抵抗に遭い、禁止に踏み切れなかった。

 参院選直後、首相は「政治空白を生むことがないように責任を果たす」として、当面の続投に理解を求めていた。


 だがこの間、自民は首相の進退を巡って党内抗争にうつつを抜かし、事実上の政治空白が続いている。首相は外交日程をこなすにとどまり、参院選で最大の焦点だった物価高対策については、議論さえ進んでいないのが現状だ。

 少数与党状況を打開する展望も開けていない。多くの野党は、石破内閣における連立参加などには否定的だ。秋の臨時国会や来年度予算の編成を見据えた政策協議も停滞している。

 今後の政権維持は難しくなる一方だ。党内調整や国会対応などを一手に引き受けてきた森山氏がいなくなれば、党内外の人脈が乏しい首相の党運営は立ち往生しかねない。副大臣や政務官の中からも退陣を求める声が出ている。

 前例のない「総裁リコール」の是非を問う手続きも本格化する。

 首相の総裁任期が約2年残る中で、総裁選を前倒し実施するかどうかが8日に決まる見通しだ。党所属国会議員と都道府県連代表の過半数が賛成すれば実現する。

 行き詰まりが明らかであるにもかかわらず、首相は現状を直視しようとしない。これでは混乱が長引くばかりだ。

政治空白は許されない
 浮き彫りになったのは、自民が責任政党としての当事者能力を欠いていることだ。

 最近の毎日新聞などの世論調査では、「首相が辞任する必要はない」などと、続投を容認する声が増えている。主な理由に挙げられているのが、党内抗争や国政の混乱への懸念だ。

 「石破おろし」の動きに、裏金問題の震源となった旧派閥の影がちらつくことも、反発を招いている。それが首相への消極的支持につながっている形だ。

 トップを代えるだけで批判をかわし、政権を維持しようとする。そうした旧態依然たる発想では、国民の根深い不信を払拭(ふっしょく)することはできない。

 日本の政治は大きな曲がり角にある。参院選では、既成政党への不満を吸収する形で、新興政党が勢力を伸ばした。国会の多党化が進んでいる。

 それでも、衆参両院で比較第1党に踏みとどまった自民は、他党よりも重い責任を負っている。内外に懸案が山積する中、幅広い人々の声をすくいあげる国民政党として再生できるかどうかの正念場である。

 求められるのは、大敗への真摯(しんし)な反省を踏まえ、党を挙げて抜本改革に取り組むことだ。




読売新聞   自民四役が辞意 首相は窮地に追い込まれた

2025/09/03 05:00
www.yomiuri.co.jp


 参院選惨敗の責任を取るとして、自民党の森山幹事長ら党四役が辞意を表明した。副大臣や政務官を含む所属議員からは総裁選の前倒しを求める声が強まっている。


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 それでも石破首相は、物価高対策など様々な政策課題を挙げ、「国民がやってもらいたいと思っていることに全力を尽くす」と述べ、続投の意思を強調した。

 党内は混乱を極め、政策論議も停滞しているにもかかわらず、首相は政権を維持できると思っているのか。権力への執着心には、あきれるほかない。

 自民が両院議員総会を開き、参院選の総括文書を報告した。

 物価高対策の現金給付案が国民に理解されなかったことや、政治とカネの問題への不信が続いた点などを敗因に挙げた。「自民党は左傾化している」との疑念が世論に生まれたとも指摘し、保守票が他党に流出した、と分析した。

 主要な政党は既に参院選の総括を終えている。自民が総括に時間を要したのは、首相を含む執行部への批判が下火になることを期待したからではないか。

 首相は総会で、自らの進退について「地位に恋々とするものではない」と述べ、「責任から逃れることなく、しかるべき時にきちんとした決断をする」と語った。

 だが、出席者が「いつ責任を取るのか」などと問い詰めても、首相は明言しなかった。

 総会を終え、党は総裁選前倒しの是非を問うための手続きに入った。総裁選を実施するかどうかが8日に決まる。



 自民内では、首相続投を支持する一部の議員と、即時退陣を求める議員の間で溝が深まる一方だ。首相が進退を決しない限り挙党態勢は築けまい。

 首相は、報道各社の世論調査で内閣支持率が上昇したことを続投の根拠にしているようだ。読売新聞の8月の調査で、前月比17ポイント増の39%となったのは事実だ。

 だが、この背景には野党支持層が内閣支持に回ったことがある。例えば立憲民主党の支持層では、内閣を支持すると答えた人が前月の1割台から4割台に増えた。

 立民支持層などの中には元々、自民内で長く非主流派だった首相を支持する人が一定数いる。与野党が対決する参院選が終わり、そうした支持者が、再び首相への支持を表明したようだ。

 ただ、立民支持層の支持をいくら得たところで、選挙で自民の集票力が高まるわけではない。首相の強気は勘違いも甚だしい。





東京新聞   <社説>自民参院選総括 政治空白長期化を憂う

2025年9月3日 07時58分
www.tokyo-np.co.jp



 自民党が両院議員総会で大敗した参院選を総括した。総裁の石破茂首相は進退を明確にせず、焦点は総裁選を前倒しで実施するかどうかに移った。党内抗争が長期化し、暮らしを支える政策実現に向けた動きは停滞している。政治空白の一刻も早い解消を求める。
 首相は議員総会で、自身の進退を巡り「責任から逃れず、しかるべきときにきちんとした決断をする」と述べたが、決断の時期には触れず、物価高対策や防災に引き続き取り組む考えも示した。
 総括報告書は参院選の敗因に、公約した現金給付が国民の支持を得られず、派閥裏金事件など「政治とカネ」の問題で信頼を喪失したことを挙げ「解党的出直しに取り組む」と明記した。これらの分析はおおむね妥当である。
 ただ、石破氏の責任への言及を避けたことは理解に苦しむ。参院選大敗の責任は党全体にあるとしても、組織トップが責めを負わずに解党的出直しができるのか。
 森山裕幹事長ら党四役は退任の意向を首相に伝えた。求心力を失った首相に人事の立て直しができるのか。政権運営の先行きが見通せないなら、自らの進退を早期に決するほかあるまい。
 総裁選管理委員会は事実上の総裁リコール(解職請求)となる総裁選前倒しの是非に関し、党所属国会議員と都道府県連代表に意思確認の文書を通知した。前例のない手続きは対立を激化させ、混乱に拍車をかける可能性が高い。
 総裁選前倒しを求める文書の提出は8日に締め切られ、過半数の172人が要求すれば総裁選が行われるが、新総裁の選出までにさらに1カ月程度を要し、政治空白はさらに長引く。
 物価上昇と実質賃金低迷が続く中、7月の参院選から1カ月半がたっても、新たな物価高対策は手付かずだ。自民、公明の与党が公約した現金給付は宙に浮き、ガソリン減税に向けた与野党協議も進展していない。第1党の自民党の体制が揺らいでいては、協議が停滞するのは当然である。
 与党が衆院に続き参院でも過半数割れし、物価高対策などの政策実現には野党側と議論を尽くす必要がある。自民党の内紛が長期化すればするほど、暮らしの支援策を議論する秋の臨時国会召集も遅れる。政治空白を解消する責任はひとえに自民党が負っていることを忘れてはならない。





産経新聞   <主張>自民執行部が辞意 首相は受理し自ら退陣を

社説
www.sankei.com


自民党の両院議員総会で発言する森山裕幹事長(中央)。左は石破茂首相=2日午後、党本部(春名中撮影)
自民党の両院議員総会で発言する森山裕幹事長(中央)。左は石破茂首相=2日午後、党本部(春名中撮影)

自民党の森山裕幹事長、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長ら執行部のメンバーが2日の党両院議員総会後、参院選大敗の責任を取るとして石破茂首相(自民総裁)に辞意を伝えた。

遅きに失したが、参院選で示された民意に鑑みれば辞意表明は当然だ。これは、党の最高責任者である石破首相に最も当てはまることでもある。党中枢の幹部が全て辞意を示した以上、党運営はもはや難しい。首相は辞意を受け入れ、同時に自身も退陣しなければならない。

だが、石破首相は「余人をもって代え難い」と述べつつ森山氏の辞任を認めなかった。森山氏は後任が決まるまで幹事長職を続ける考えを示した。これはおかしい。首相も森山氏もとっくに大敗の責任をとり辞任して慎んでいるべき立場である。2人の言動は政党政治の基盤を掘り崩すもので容認しがたい。

しかも石破首相は両院総会後、物価高を上回る賃金上昇の実現、対米関税対策、防衛力の強化、農業政策などの課題を並べ立て「責任をもってやっていくことも責任だ。しかるべき時期に責任は判断するが、まず国民がやってもらいたいことに全力を尽くす」と語った。

またもや続投表明である。開いた口が塞がらない。石破首相は衆参2つの国政選挙で与党過半数割れを招いた。民意をはかる最大の機会である国政選挙で「石破政治」は拒まれた。とるべき行動は民意を尊重して潔く退陣することだけだろう。

なお居座るなら、自民は議会制民主主義と選挙の意義を守るため、自浄作用を発揮するしかない。自民所属国会議員と都道府県連は総裁選前倒しに賛意を示してもらいたい。


自民執行部は参院選大敗を検証した報告書をまとめ、両院議員総会で提示した。解せないのは、党トップの石破首相について触れなかったことだ。「経済・暮らしの厳しい現状に十分寄り添えなかった」など9項目にわたって自民離れの原因を挙げたが、それを招いた政治を行ったのが誰かを書いていない。これでは党再生に生かせまい。

前回参院選と比べ545万票もの比例票を減らしたのは、保守層を失望させた首相自身に大きな原因があった。この現実を直視しなければ党勢はさらに落ち込んでいくだけだ。