ジャニオタ史上初の夜職ガッツ軍団・1973年フォーリーブス担集団補導事件の真実徹底調査

 ずっと気になっていたが明確なソースが無いままだった話のひとつとして、Wikipediaの「フォーリーブス」記事内にこのようなエピソードがある。

1973年の8月にフォーリーブスへのプレゼント代や追っかけ費用を稼ぐために売春していたという女子中学生グループが書類送検されて批判を浴びた。

 真実なら私が把握する限りジャニーズ史上初めてメディアに取り上げられた夜職ガッツであり、昭和の「夜職ガッツ」そしていわゆる「ミテコのオタク」(ミテコとは身分証提示できない子の略=18歳未満の夜職)の歴史を紐解く重要な鍵・実態調査のきっかけとなるのだが、残念ながらWikipediaのこの段には明確なソースが無い。
 度々書いているが、以前webメディアで「平成ヤラカシ史」という連載を執筆していた私。平成処女軍団出現前夜(2007〜8年頃)以降のヤラカシ・夜職ガッツの実態に関しては、この世にいるジャニオタの中では比較的詳しく把握している方ではないか? と思うが、昭和の夜職ガッツの実態、それは申し訳ないが謎のままであった。当たり前だ。裏歴史なのだから。
 私が直接取材できた中で最古の「夜職ガッツ」を見聞きした方の語る実態、それは1997〜98年頃の「KYO TO KYO」を追っかけていたとある方から伺った、詳しくは伏せるものの京都では島流しにされたJr.たちの数々の暴挙が繰り広げられた末に狂都というあだ名がつけられていた時点までしか遡れていない。大野智は……今や京都時代は「下積み修行美談」になっているが一部の狂都の残党たちの間では非常に評価の二分される人物であるらしいのだ。
 これは私の取材力と人脈、ライターとしての行動力の限界でもあり、令和の世になってからジャニオタの歴史調査を始めたための時の流れの限界でもある。まだまだ私はこの分野では「甘い」のだ。拙筆かつ幼いことを切に感じる。どうかお許しいただきたい。お叱りも甘んじて受けよう。
 しかしこの「フォーリーブス担女子中学生集団補導事件」。もし週刊誌報道などによる一次資料が残っていれば、史上最古の夜職ガッツのジャニオタの実態を報じそして描いた重要なソース、歴史の鍵となるのでは?
 どうしても歴史を紐解きたくなった私はとある場所に向かった。偉大なる日本国家の公営施設・国立国会図書館である。……こんな目的で国会図書館を使ってもいいのか? それは分からない。

 まず粘着質検証好きである私、Wikipediaにいつこの「1973年8月集団補導事件」の記述が現れたのか? 掲載当初は引用ソースが示されていたのだろうか? 過去ログを全て遡って調べてみた
 Wikipediaに「フォーリーブス」の項目ができたのは2006年3月27日。その時点では「集団補導事件」の記述はない。該当の更新を発見した。2007年12月8日更新・「Vv〜jawiki」というユーザーによる書き込みだ。しかし出典は示されておらず、明確に何を元にした記述なのかは分からない。恐らくこれがその後18年放置されているのであろう。
 1973年8月〜9月にかけて該当するであろう週刊誌を勝手に全調査した。「週刊ポスト」「週刊現代」「週刊朝日」「週刊文春」「女性セブン」「サンデー毎日」などを徹底的に確認。当時は金大中事件の真っ只中であり、各誌が金大中で大盛り上がりの様相を呈していた。
 そして執念の甲斐あって該当雑誌の該当号をついに発見したのだ。ただし、内容は一致しているもののWikipediaの記載とは微妙に時期がズレているので更新した人が間違っているのかもしれない。
 「週刊明星」1973年5月27日号、201ページからの「フォーリーブスに狂ったファンも…… 女子中高生グループ売春の実態」という特集である。

「おじさんと寝ればお小遣い1万円がもらえるの」いともアッサリいってのける女子中・高生が47名。うち5名がフォーリーブスの熱烈ファンとあっては2度ビックリ。「贈りものを買うのにお金がほしかったの」と罪の意識はサラサラない。悪いのはだれだ!


 なんとまさかのオタク以外も巻き込んで47名の徒党を組んでいたというものすごい事実が発覚。週刊明星の主張を信じるならオタクは5人だけらしいが、5人でも充分徒党を組んでいる。というかフォーリーブスのメンバーは4人なので誰か推し被りがいたはずである。まあ……そういうことはメン地下とかにもある
 要約すると、横浜在住の高校生の娘の帰りが遅くなったことを怪しんだ母親が警察に通報、売春相手が港区在住の中華料理店経営の46歳の男性だと判明。一部平成の世になってからの2chに憶測で本事件について相手が「タクシー運転手」などと書かれているが、私が記事原文を確認する限り中華料理店経営だ。
 その男を警察が捜査すると、手帳から某校長顔負けの300人の女性の住所氏名が出現。その中で警察が270名を追跡調査し、関係を持ったと判明したのが47名であるらしい。
 友達を売ると3000〜5000円(1973年当時)おじさんから貰えたらしく、このJKリフレの如きシステムにより雪だるま式におじさんと関係を持つ相手が増えていったのかもしれない。当時の3000〜5000円とはどのような価値であるのか? 1973年はちょうどいわゆる「狂乱物価」の真っ最中。時期・種類により物価は諸説あるものの、当時の大卒初任給は52,700円。素人の援助紹介にしてはまあなかなか貰っているのでは? とは思うね。
 7名が売春あっせんで書類送検され、他7名が家出・非行の経歴により家裁送りにされたとの談である。オタクたちの金の使い道はプレや遠征と、わりと普通だ。
 で、この記事のすごいのは、オタクが勝手に援助した事件についてあたかも当然であるかのようにフォーリーブス本人たちにインタビューしている。私はこれを読んだ時……吹き出したね。恐らく、史上最初にして史上最後の「ジャニーズが出した夜職ガッツへの公式見解」じゃないか?

「いちばん許せないのはその男ですよ」と、フォーリーブスは声を揃える。しかし、売春防止法では客を罰することはできない。(中略)
「それにしても、そうまでして得た金でボクたちを応援してくれたからといって、ボクたちが喜ぶと思ってるんでしょうか。ほかの真面目なファンの方たちだって、こんなことを聞いたらきっとイヤな気持ちがします」
 フォーリーブスのだれもが怒りをまじえてめいわく顔。

 そしてこの記事、個人的には衝撃すぎるラストで締められているのだ。

「世の中からケジメがなくなっているんです。その5人は、たとえフォーリーブスのファンでなくても、やはり間違いを起こす娘たちだったでしょう。私たち大人が考えなければならない困った問題です」。マネージャーのメリー・喜多川さんも、無軌道娘たちの将来を案じている。

 なんと……メリーは援助に走るオタクたちの将来を1973年の世に案じてくれていたらしい。オタクが勝手に援助しているだけなのに「大人が考えなければならない困った問題」とかなり真剣に受け止めている様子である。
 今回の徹底調査により、1973年の世に夜職ガッツがいたことと恐らくジャニーズ史上最初で最後であろう夜職オタクへの公式見解をタレントが出していたこととメリーは道を踏み外したオタクにもやたら親切であるという裏歴史が一気に判明。
 また、Wikipediaの一部版に存在する「メンバーと繋がっていた」という記述は徹底調査でも確認できなかったので恐らく間違いであろう。
 Wikipediaの出典のないこの記述……少し間違っているので、私が書き換えた方が良いのか?

☆追記
 Wikipedia、ホントにアカウント作って「集団補導事件」について少し書き換えてみた。
 実のところWikipediaを大真面目に編集するのは初めてである私。出典の付け方など、見よう見まねで調べながらやったので、「お作法」が違ったら……ごめんなさい!

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