広陵の暴力行為 ついに一般紙も報じるも主催の朝日新聞は及び腰
6日朝にXを見るとトレンドに「甲子園辞退」「出場辞退」とあった。

夏の甲子園に出場する広陵(広島)の部内で暴力があったとする投稿がX上で3日ごろから徐々に拡散されている。
また、この投稿が拡散されると暴力行為を受け、現在は違う学校へと転校した生徒の両親と見られる人物のSNSの投稿も注目を浴びた。このアカウントはことし7月23日から投稿を開始しており、暴力行為や学校側の対応、そして広陵の甲子園出場への複雑な思いを明かしている。

高野連は4日に、近年、スポーツで大会関係者に対する誹謗中傷がSNS上で増えていることを増えており「大会関係者の名誉や尊厳、人権を傷つけ、心身に深刻な影響を生じさせるものであり、決して看過できません」と声明を発表した。
たしかにスポーツ選手への誹謗中傷は近年深刻な問題となっている。応援する側がエスカレートする夏の甲子園で大会前にこの声明を出す意義はあるだろう。ただ、いかんせんタイミングが悪すぎた。SNSでは高野連が広陵をかばっていると見る向きは多く、騒ぎにさらに火を注いだ。
いまやSNSにとどまらず、メディアも取り上げるようになった今回の広陵への暴力行為。この件に関して一般紙はどう動いたのか。各社のサイトを見てみる。
【5日昼】
「<独自>甲子園出場・広陵の暴力事案がXで拡散 高野連が厳重注意済み、学校は見解公表へ」(産経新聞)
【5日夜】
「広陵で1月に暴力行為、出場は辞退せず…高野連が厳重注意」(読売新聞)「広陵で暴力行為 関与の部員処分、大会は辞退せず 夏の甲子園出場校」(毎日新聞)
「高野連「3月に広陵高を厳重注意」 情報拡散受け発表」(日経新聞)
【6日朝】
日本高校野球連盟が声明(朝日新聞)
最初に記事にしたのは産経新聞だった。
Xの投稿を受け、広陵に取材。学校側は今年1月下旬、当時1年生が寮で指導として複数の2年生から暴力行為を受けたことや、その後、広島県高野連、日本高野連に報告し3月上旬に処分を受けたため、今回の出場も辞退しないと取材に答えている。また記事には「6日にも学校のホームページに見解を公表するとしている」とある。
この産経の報道の後、高野連は5日に、広陵に厳重注意の処置があったと発表した。この件について発表しなかった理由としては「学生野球憲章に基づく『注意・厳重注意および処分申請等に関する規則』では、注意・厳重注意は原則として公表しないと定めています」としている。
5日夜には読売、毎日、日経も広陵の暴力行為についての記事を配信する。
一方で、夏の高校野球を主催する朝日はどうかというと、他社よりも18時間遅れて6日朝に「日本高校野球連盟が声明」と記事を配信。しかも見出しには広陵の文字はない。今件に関しては高野連が声明を出したことよりも広陵で暴力行為があったことの方がニュースバリューは上のはずだが……。何らかの配慮、もしくは及び腰を感じずにはいられない。
逆に6日朝には広陵の監督の記事をYahoo!ニュースなどポータルサイトに配信しているが、6日朝の段階で暴力行為に関する記事は配信していない。
これまで高校野球ではPL学園や明徳義塾など数多くの学校が部内での暴力行為によって大会出場を辞退しており、この辞退が暴力行為に対するある種の抑止力になってきた。仮にX上で出回っているいじめの内容が本当であれば、なぜ注意で済ましたのかは理解に苦しむ。
広陵が大会に出場するのは7日18時45分スタート予定の大会3日の第4試合だ。スルーをすれば選手への誹謗中傷が増えるのは必至でさらに事態の悪化を招きかねない。一方で、悠長に考える時間は残されておらず、高野連は早期の対応を迫られている。
※その後の流れはこちらにまとめました
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