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印刷2025/11/26 12:00

テストレポート

540Hz表示を実現した有機ELディスプレイ「ROG Swift OLED PG27AQWP-W」は,eスポーツ向けディスプレイの新たなベンチマークに

 高い色表現力と明暗のくっきりした映像美で,とくに画質を重視するゲーマーの間で人気の有機EL(OLED)ディスプレイ。これまでは,eスポーツ向けディスプレイは液晶パネル,画質重視なら有機ELパネルという住み分けもあったが,それを過去の話にする製品が登場した。

 それが,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)のゲーマー向けブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)から登場した有機ELディスプレイ「ROG Swift OLED PG27AQWP-W」(以下,PG27AQWP)だ。
 11月29日発売予定で,税込のメーカー想定売価は16万9920円前後である。

ROG Swift OLED PG27AQWP-W
メーカー:ASUSTeK Computer
メーカー想定売価:16万9920円前後(税込,2025年11月26日現在)
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 540Hz表示を実現した有機ELディスプレイ「ROG Swift OLED PG27AQWP-W」は,eスポーツ向けディスプレイの新たなベンチマークに

 ASUSが新たなフラッグシップモデルとして送り出したPG27AQWPは,白色有機EL(WOLED)パネルを採用しつつ,解像度2560×1440ドット時に最大540Hz,デュアルモードで解像度を1280×720ドットに切り換えると最大720Hzという,非常に高い垂直リフレッシュレートで表示できるのが最大の特徴だ。

 有機ELパネルは,原理的に応答速度が非常に高速という,とくにeスポーツゲーマーには見逃せない大きな特徴がある。
 長らく,eスポーツプロ向けディスプレイは,TNパネルの製品が――有り体に言うならBenQ ZOWIE製品が――主流となっていた。しかし,高リフレッシュレート表示が可能な有機ELディスプレイも増えており,その存在感は日に日に大きくなっている印象だ。
 PG27AQWPも,そのひとつといえるだろう。

 今回,発売前に試作機を試用する機会を得たので,細かくチェックしていこう。


シルバーカラーとトランスルーセント構造が目を引く外観


 PG27AQWPの製品ボックスには,ディスプレイ本体と2ピース構造のスタンド,VESA100準拠のウォールマウントキット,映像入力用ケーブルが2本に,USB Type-A to Type-Bケーブル1本,電源ケーブル,キャリブレーションレポートなどが付属する。
 ケーブル類は付属の「ROGポーチ」にまとめて収納されており,開封時には手間が少なく,使わないケーブルの管理が楽なのは非常に嬉しい。

PG27AQWP本体と同梱物。左からスタンドの台座,アーム,本体,ウォールマウントキット,台座中央にはめ込む「ディスプレイベース」,ケーブル類を収めたポーチ
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組み立ては簡単。アームを背面にはめ込んでから(左),スタンドとディスプレイベースを取り付けるだけ(右)
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 製品情報ページによれば,スタンドを含めた公称本体サイズは,60.56(W)×27.35(D)×54.79(H)cm。スタンドを含めた公称本体重量は7.04kgとある。

 本製品の外観で大きな特徴なのが,シルバー主体のカラーリングと,パネルの背面ユニットがトランスルーセント(スケルトン)構造になっていることだ。

シルバーを押し出したカラーリングと,半分透けて見えるトランスルーセントという,これまでにない外観。なお,パネルの左右端に見える水色のものは,パネル表面の保護シートの取っ手だ
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 斜めにカットした半分の内部構造をうかがえる凝ったデザインは,こうした製品の中でもあまり類を見ない。トランスルーセント構造ではない側にあるROGブランドのシンボルマークは,LEDイルミネーションで点灯する。

電源をオンにすると,背面右側のROGロゴが光る。スタンド中央にも,LEDイルミネーションが組み込まれていた
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 また,一部のROGディスプレイから引き継いだ仕様として,スタンド根元にはテーブル面を照らすLEDイルミネーションがあるのも,個性的なところだ。
 アクリルパネルのキャップ「ディスプレイベース」を付け替えることで,イルミネーションの柄を変更できる。背面ロゴを含むこれらのLEDは,もちろんオフにもできる。

ディスプレイベース(左)と,発光パターンを変えるキャップ(中央,右)
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ROGロゴのキャップを付けて光らせるとこのとおり
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 ディスプレイに限らず,シンプルな外観のゲーマー向け製品が増えている中で,サイバーパンク風味を感じるPG27AQWPのデザインは,ROGらしさを強く感じさせる。

 スタンドは中空構造となっているが,全体的な剛性感,安定感ともに素晴らしい。
 その反面か,手前に伸びる台座部分の横幅が,実測で約55cm程度とかなり大きいため,設置面積は広く,手前に物を置きにくい。

アームの頂部に1/4インチネジ孔がある
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 ちなみに,アーム部分の頂部には,主にカメラ三脚などで用いる1/4インチネジ孔(1/4-20UNC)があるのも特徴的だ。ディスプレイの上に,Webカメラや配信で使うライト,カメラ用の雲台などを取り付けられるのは利点と言えよう。

 スタンドの可動範囲は,−5〜+20度の上下回転(チルト)はもちろん,左右それぞれ30度への左右回転(スイーベル)や,110mmの高さ調整,ディスプレイの90度回転(ピボット)にも対応する。
 動きは非常にスムーズで,先の剛性感と相まって安心して使える印象だ。

上下回転の可動範囲は,下側に約5度(左),上側に約20度
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高さ調整の範囲は110mm。外観の印象もかなり変わる
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横方向から見ると,パネル自体は非常に薄い。背面ユニット部分の厚みはそれなりにある
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 ベゼルレス構造のディスプレイ部分は,パネル周囲を約2mmほどの金属製フレームが全周を覆っており,パネル内には上側に約6mm,下側は約9mm,左右約5mmほどの非表示領域がある。表示領域は26.5インチだ。

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左が従来の3層構造で,右がタンデム4層構造のイメージ
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 ASUSがPG27AQWPで採用した有機ELパネルは,明言はしていないがLG Display製の白色有機ELパネルである。新しい世代の有機ELパネルで,「青/緑/青/赤」の4層によって白い光を作る「タンデム4層構造」が特徴だ。
 この白色有機ELパネルにより,同社従来製品と比較して輝度は15%高まり,色の再現性も25%向上しているという。
 さらに,タンデム4層構造の有機ELパネルとヒートシンクを組み合わせることで,焼きつきのリスクを軽減しつつ,最大60%の長寿命化をはたしているのもポイントだ。

 さらに,光沢または半光沢タイプの白色有機ELパネルにおける映り込みを抑制するために,光学製品メーカーと共同開発した「True Black Glossyフィルム」を組み合わせて,映り込みを減らしている。

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 COMPUTEX 2025のASUSブースには,まだまだ紹介したい製品があった。それらの中から,32インチ4Kの白色有機EL製品や,34インチ量子ドット有機ELウルトラワイドで,「Google TV」機能を内蔵するチューナーレステレビ的ディスプレイを紹介しよう。

[2025/05/30 08:00]

 操作系統は,ディスプレイ本体下部にある出っ張りの裏側にまとめられている。半透明素材なので少々分かりにくいが,パネル背面側から見て左から電源ボタン,OSD(オンスクリーンディスプレイ)メニュー操作用のジョイスティック,ショートカットボタンの並びだ。
 ショートカットボタンは機能割り当てをカスタマイズ可能で,デフォルト動作は,後述するデュアルモードの切り替えである。

中央の黒い突起がジョイスティックで,「POWER」の文字から線が延びている左側が電源ボタン,「KEY」から線が延びている右側がショートカットボタンだ
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 操作感は全体的に良好であり,誤って電源ボタンを押しても確認のためのダイアログが表示されるので,即座に電源が切れたりはしない。

 映像入力インタフェースやUSBポートは,背面ユニット下側に並ぶ。映像入力は,DisplayPort 2.1a×1,HDMI 2.1×2の計3ポートだ。
 そのほかに,USBハブ機能用として,機器接続用のUSB 3.2 Gen 1 Type-A×3と,PC接続用のUSB 3.2 Gen 1 Type-B×1を備える。なお,PC切換器(KVM)機能はない。

インタフェース類。ディスプレイの前から見て,右側に電源とUSBが,左に映像入力と音声出力がまとまっている
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 なお,540Hz表示はすべての映像入力インタフェースで可能だ。ただし,非可逆の映像圧縮技術「DSC」(Display Stream Compression)機構を使わずに540Hzを伝送できるのはDisplayPortのみ。PCとの接続時は,DisplayPort接続がメインになるだろう。

 なお,PG27AQWPは,AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync Premium Pro」と,VESA標準のディスプレイ同期技術「Adaptive-Sync」に対応しており,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC Compatible Monitors」認証も取得している。
 さらに,ASUSは公式に謳っていないが,筆者がテストしたところ,PlayStation 5をHDMI 2.1ケーブルで接続すれば,HDMIのディスプレイ同期技術「Variable Refresh Rate」(VRR)にも対応していた。

PS5をHDMI 2.1ケーブルで接続すれば,VRR動作も可能だ
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 なお,本機はスピーカーを搭載していない。そのかわり,3極3.5mmミニピンヘッドセット出力を備えている。私物のインイヤーモニターイヤフォンを接続して試聴したところ,極端な味付けはされておらず,好印象を受けた。
 駆動出力もそれなりにあるようで,ディスプレイ備え付けのヘッドセット出力としては十分だろう。

 PG27AQWPのスペックを,以下にまとめておく。

●ROG Swift OLED PG27AQWP-W
  • パネル:26.5インチ,白色有機ELパネル方式,光沢タイプ
  • バックライト:なし(自発光式)
  • パネル解像度:2560×1440ドット
  • 垂直最大リフレッシュレート:540Hz(2560×1440ドット時),720Hz(デュアルモード時)
  • ディスプレイ同期技術:FreeSync Premium Pro,G-SYNC Compatible Monitors,Adaptive-Sync
  • HDR対応:VESA DisplayHDR 500 True Black
  • 輝度:1500cd/m2(HDR最大時)
  • 表示色:約10億7370万色
  • 対応色域:sRGBカバー率 135%,DCI-P3カバー率 99.5%
  • コントラスト比:150万:1(標準)
  • 視野角:上下左右178度
  • 応答速度:0.02ms(GTG)
  • 内部フレーム遅延:未公開
  • 映像入力インタフェース:DisplayPort 2.1×1,HDMI 2.1×2
  • そのほかの接続インタフェース:USB 3.2 Gen 1 Type-A×3
  • USBハブ機能:USB 3.2 Gen 1 Type-A×3
  • スピーカー:非搭載
  • 上下回転(チルト):−5〜+20度
  • 左右回転(スイーベル):左右30度
  • 縦回転(ピボット):対応
  • 高さ調整:0〜110mm
  • VESAマウント:100×100mm
  • 公称消費電力:55W(標準),0.5W(スタンバイ)
  • 公称本体サイズ:60.56×27.35×54.79cm(スタンド含む)
  • 公称本体重量:7.04 kg(スタンド含む),4.54 kg(パネルのみ)
  • 主な付属品:DisplayPort 2.1(DP80)ケーブル,HDMI Ultra High Speedケーブル,USB 3.2 Type A to Type-Bケーブル,VESAマウントキットなど
  • 保証期間:3年間(パネルの焼きつき含む)


扱いやすいOSDメニュー


 続いては,PG27AQWPのOSDメニューから,重要な項目を紹介していこう。

PG27AQWPのOSDメニュー
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●フレームレートブースト
 「ゲーミング」タブにある設定項目。フレームレートの上限を上げる機能かと思いきや,これがデュアルモード動作の切り替えを行うものだ。
 スイッチを入れると,解像度2560×1440ドット(1440p)/540Hzから,解像度1280×720ドット/720Hzに切り替わる。
 なお,ゲームプレイ中に操作すると,予期せぬ誤動作の原因になるので,デュアルモードを切り替えたあとにゲームを起動することを強く推奨する。

●アスペクトコントロール
 「画像」タブにある,映像をどのサイズやアスペクト比で画面に表示するかを設定する項目。動作が複雑で,とくにフレームレートブーストとの併用時には仕様が変わる。基本的にはアスペクトコントロール単体での使用をおすすめしたい。
 全パターンを掲載するのは本項の趣旨ではないので,筆者が使いやすいと感じたセッティングを抜粋して紹介しよう。

  • 16:9 フル画面 ドット・バイ・ドット
     ディスプレイ側解像度は2560×1440ドットで,ゲームの表示解像度でドットバイドット表示する。ゲーム側の設定が2560×1440ドット以下の場合,表示領域も小さくなるが,拡大はしないので画質が変化しない点がメリットだ。
  • 16:9 フル画面 24.5インチシミュレーション
     ディスプレイ上の表示サイズを24.5インチに制限するモード。その場合の解像度は2368×1332ドットになる。
  •  多くのゲームで表示できる解像度だが,一部のゲームは,この解像度に対応していないため,2560×1440ドットの縮小表示になってしまう。さらに,その場合はリフレッシュレートが120Hzに制限される。

 デュアルモード時の最大リフレッシュレート720Hzは魅力だが,実際に試してみると,今どきのゲームを表示するには解像度が低い。アスペクトコントロールと併用しにくい面もあるため,本機のデュアルモードは,正直使いどころが難しいと感じた。

 そもそも本機は,1440p時で540Hz表示を誇る,本稿執筆時点で最も垂直最大リフレッシュレートが高い有機ELディスプレイだ。
 つまり,あくまでもメインの使いかたは,1440p表示にあり,HDで720Hzを発揮するデュアルモードは,主にeスポーツ系タイトルで低めの解像度に慣れているユーザー専用と考えていいだろう。「有機ELパネルで720Hz!」というアピールのために導入した側面も強いと思う。

 OSDメニューにはほかにも,画質調整など,ゲーマー向けディスプレイとして基本的な機能は一通り備えている。

ゲーマー向けディスプレイでは定番の画質調整プリセットも備える(左)。画面上にfpsカウンターやクロスヘアを表示させる機能(右)もあるが,使っているユーザーはどの程度いるのだろうか
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有機ELディスプレイには付き物の,一定時間連続使用後に画素をリフレッシュする機能もある。初期設定は8時間ごとに実行だが,オフにもできる
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 また,有機ELディスプレイらしく,焼き付き対策も充実している。それらは,OSDメニュー内の「OLED Care」にまとめられており,画面内のピクセルに動きがない場合に自動的に輝度を落とすスクリーンセーバーや,画面全体をわずかに動かすピクセルシフト(※移動範囲は設定可能でオフにもできる),ピクセルクリーニングといった機能を利用可能だ。

 面白いのが「Neo 近接センサー」という独自機能だ。これはディスプレイの前にいるユーザーを検知して,前からいなくなると,一定時間後に画面を暗くするというもの。
 再び検知すれば即座に起動するので,「便利かも!」と思っていたのだが,試用機では,センサーによる検出が甘いという問題があった。集中してゲームをプレイしていると体がほとんど動かないからか,前に人がいないと判断してしまい,画面を消されてしまうのだ。
 誤動作が気になる場合,Neo 近接センサーはオフにできる。ただ,検出精度はファームウェアのアップデートで改善できる部分だと思うので,改善を期待したい。

 近年のASUS製ディスプレイは,ディスプレイ内蔵のOSDメニューだけでなく,PC用アプリ「ASUS DisplayWidget Center」を使うことで,PCからOSDメニューの設定を変更できる。
 DisplayWidget Centerでは,ほぼすべての本体側設定を変更可能なので,ひんぱんに画質プリセットや各種設定を変更したい人には,非常に便利だ。

DisplayWidget Centerの画質プリセット選択画面。かなり多くの項目を設定できるが,まだ最適化が不十分なのか,一部正常に機能しないものもあった
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 さらに,DisplayWidget Centerを経由して,PG27AQWP側のOSDメニューを表示させたうえで,キーボードでメニューを操作できる「EZOSD keyboard」機能もある。
 ただ,これもまだPG27AQWPとの対応が不十分なのか,筆者の環境では,OSDメニューをキーボードショートカットで呼び出す機能に問題があった。ショートカットに割り当てていないキーでも,OSDメニューが表示されてしまうという問題だ。ASUS側には報告済みなので,発売までに改善されるといいのだが。


残像感をまるで感じない圧倒的な映像体験


 さて,ここからは,実際にPG27AQWPでゲームをプレイして,使用感を確認していこう。

 冒頭にも述べた通り,本機は2560×1440ドット解像度で,垂直最大リフレッシュレート540Hzという怪物ディスプレイだ。その性能をフルに発揮しようとなると,高性能なPCが必要となる。

驚異の540Hz(左)と,いい意味でギャグかと疑ってしまう720Hz(右)。これを最大に活用するには,相応に高性能なPCを用意する必要がある
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 ゲーム側も,映像美重視で描画負荷が高いゲームよりは,描画負荷が軽めで高フレームレートで表示しやすいもののほうが適当だ。
 そこで今回は,筆者が日常的にプレイしているゲームの中ではもっとも描画負荷が軽い部類に入る,ValveのMOBAシューター「Deadlock」をプレイしてみることにした。
 Deadlockは,お世辞にも「つよつよ」とはいえない筆者のPCでも,エリア次第では2560×1440ドット時に安定して400fps半ばのフレームレートで表示できる。1920×1080ドットまで落とせば,500fpsオーバーも叩き出してくれるので,実験にうってつけだろう。

 「非常に高いリフレッシュレートを持つディスプレイとPCで,ゲームプレイに違いは出るのか」という疑問は,長らくゲーマーの間で議論されている。
 違いの分かりやすい60Hzと144Hzの差は当然として,筆者の経験と個人的な見解では「上がれば上がるほどいいが,はっきりと違いを感知できるのは360Hz前後まで」といったところだろうか。
 それが,540Hzの世界になると,一体どう変わるのだろうか。

 結論から言ってしまうと,「正直よく分からん」である。個人的には,リフレッシュレートが高くなるとトラッキングエイム(追いエイム)や,瞬時の判断を迫られる近距離の交戦で恩恵を感じることが多い。
 それは本機を使用していても感じたが,60Hzと144Hzの差や,144Hzと240Hzの差といったケースに比べると,決定的な差は感じにくい。

 eスポーツゲーマーの視点から考えた場合,PG27AQWP最大のアドバンテージは,応答速度にあると思う。公称値であることに留意する必要はあるが,本機の中間調(Gray to Gray)応答速度は,0.02msという驚異的な数値だ。
 実際に使用しても,高いリフレッシュレート(※それに見合うフレームレート)と,高速な応答速度が生み出す効果を強く感じる。勢いよく視点を振ろうが,激しい動きで駆け回ろうが,とにかく映像のキレが良く,残像感を感じないのだ。

有機ELパネルならではの非常に広い視野角も魅力。ちょっと頭を動かしたくらいでは,見え方にほぼ影響しない
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 その上で,明確な違いを感じた部分がひとつある。たとえ一瞬でも,敵がはっきり見える機会が増えたのだ。狭い通路を,敵がダッシュやブリンクで横切るとか,オブジェクトの裏からチラリとピークしてくるといった状況を想定してほしい。
 こうした状況下で,これまでのディスプレイでは「敵がいる」程度の認識だったものが,はっきりと「敵が見える」状態になる。これを勝利につなげられるかはプレイヤーの腕次第だろうが,次の行動を判断する材料が増えるのは間違いないだろう。

 もちろん,PG27AQWPの魅力は,eスポーツタイトルだけに留まらない。有機ELパネルならではの圧倒的なコントラスト比は健在で,AAAゲームの高画質な映像美を楽しみたい場合でも,本機は存分に活躍してくれるはずだ。
 とくに夜間や暗所のシーンなど,グッと深みのある黒色の表現は素晴らしい。適切な画質モードを選択したり,自分で好みの設定を施したうえで楽しんでもらいたい。


勝利を求めるゲーマーにこそ手に取ってほしい「PG27AQWP」


 さて,まとめに入ろう。
 比較的扱いやすい2560×1440ドットという解像度で,有機ELパネルでは世界最高速のリフレッシュレートを誇るPG27AQWPは,まさしくeスポーツゲーマー向けディスプレイの新たなベンチマークになり得る存在だ。

 長らくTNパネル方式が主流となっていたeスポーツプロ向けディスプレイに対する,技術革新という形でのアンサーとも言えようか。
 有機ELパネルの性質上,どうしても焼き付きリスクは避けられないが,3年間の製品保証は焼き付きも対象だ。ASUSとしても,焼き付き対策に自信があっての3年保証なのだろう。

 ROGらしいデザインと機能は,所有欲を満たしてくれる。ASUSらしい各部の剛健な作りも好印象だ。

ROGらしさが突き抜けるデザインだが,シルバーカラーがナチュラルさも演出する
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 一人の消費者として気になるのは価格だが,市場でライバルになりそうな製品との競争力は十分にある。本機のスペックを存分に享受できるマシンを使用している方であれば,そんな心配は杞憂かもしれない。

 とにかく勝利を追求したいプレイヤーには強く勧められるし,同時にeスポーツゲーマー向けディスプレイの新たな未来を感じさせてくれるプロダクトでもある。機会があれば,一度は体験することをおすすめしたい。

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