【11月21日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は20日、軍人や情報機関職員に違法な命令に従わないよう呼び掛けた民主党の上下両院議員6人を「反逆者」と呼び、「反乱扇動行為」を理由に死刑に処すべきだと述べた。

6人は全員、軍や情報機関の出身で、元宇宙飛行士で海軍出身のマーク・ケリー上院議員や、中央情報局(CIA)分析官だったエリッサ・スロトキン上院議員も含まれている。

6人は18日、X(旧ツイッター)に投稿した動画で、「違法な命令は拒否することができる」と述べ、トランプ氏が「軍人や情報機関職員を米国民と対立させている」と非難した。

「違法な命令」に具体的に言及していないが、トランプ氏は騒乱を鎮圧するためと称して、多くの場合、地元当局の意向に反して、米国内の複数の都市に州兵を派遣するよう命じている。国外では、カリブ海と東太平洋で「麻薬運搬船」への攻撃を命じている。一連の攻撃では80人以上が死亡し、国際法違反だと指摘されている。

これに対しトランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「これは本当にひどい。わが国にとって危険だ。彼らの発言は容認できない。反逆者による反乱扇動行為だ!!! 彼らを投獄すべきか???」と述べた。

その後、別の投稿で「反乱扇動行為は死刑に値する!」と付け加えた。

さらに、「彼らを絞首刑に処すべきだ」と主張し、初代大統領ジョージ・ワシントンでも同じようにしただろうと書かれたユーザーからのメッセージをリポストした。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官はその後、トランプ氏は6人の処刑を望んでいないと釈明した。

だが、6人を激しく非難し、「メディアはなぜ議員が暴力を助長・煽動(せんどう)していることを問題にしないのか」と述べた。

民主党はトランプ氏の発言に猛反発。公式Xアカウントで、「トランプ氏は民主党議員の死を要求した。全く卑劣だ」と非難した。

民主党議員6人は、トランプ氏の脅迫に屈しないと誓い、自分たちは「この国を愛する退役軍人と国家安全保障の専門家」であり、合衆国憲法を守る誓いを立てたと主張。

「この誓いは生涯続くものであり、私たちはそれを守るつもだ。脅迫、威嚇、暴力を呼び掛けようと、私たちをこの神聖な義務から引き離すことはできない」と述べた。(c)AFP