子の付き添い入院「休みなくケア」 20年変わらない環境、改善策は

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河原夏季
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 子どもが入院した際、親も泊まり込んでケアをする「付き添い入院」。常に子どもの世話をしなければならず、睡眠や食事もままならない実態が指摘されてきました。親に頼らざるを得ない看護側の事情もあるなか、改善を模索する動きも出てきています。

シャワーも浴びられず

 4年前、当時10歳の長男に付き添って1週間入院した愛知県の主婦(41)につらい記憶として残るのは、病院でレンタルした簡易ベッドだ。幅が狭く、担架のようだと思った。

 「寝返りが打てず、硬くて……。寝心地は良くなかったけど、仕方ないと思って耐えました」

 昨年、次女(7)の付き添いで2泊した別の病院では、ソファベッドを借りられてほっとした。とはいえ、娘の介助で気が休まるいとまもない。点滴をしている影響でトイレが近く、その都度、点滴のキャスターを引いて病室の外のトイレまで付き添った。食事は毎回、院内のコンビニで済ませ、シャワーを浴びる機会すらなかったという。

 「一緒に付き添ってもらうことになります」

 岐阜県に住む会社員、40代女性は病院からそう求められたことに得心がいかない思いをした。

 5年前、当時0歳の長女の入院に付き添ったときのことだ。授乳期の娘のためにと、病院の求めに応じたものの、病室は4人部屋。夜中も泣く娘をあやすために抱っこし続けた。女性は一睡もできず、病院に懇願して1泊で退院した。「付き添いたい気持ちはあったけど、休みなくケアを担うことには、抵抗感があった」と振り返る。

 こうした実態は、NPO法人「キープ・ママ・スマイリング」が6月に出した調査結果でも報告された。

 調査(有効回答3643件)…

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この記事を書いた人
河原夏季
デジタル企画報道部|withnews副編集長
専門・関心分野
子育て、AED