日銀がETF売却を決定、年間3300億円ずつ 「市場の攪乱回避」

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西尾邦明 柴田秀並
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 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、政策金利を維持すると決め、追加利上げを見送った。利上げを進める姿勢は維持し、米国の関税強化策が日本の経済・物価をどの程度、押し下げるかを見極めるとみられる。また、保有するETF(上場投資信託)について年間3300億円程度(簿価)ずつ売却し、Jリート(上場不動産投資信託)も年間50億円程度ずつ売却すると決めた。

 日銀は2010年、物価が下がり続けるデフレからの脱却を目指し、市場からETFの買い入れを始めた。東証株価指数(TOPIX)などと連動する投資信託で、個別銘柄の株式ではなく多数の銘柄に分散投資する形で、株価全体を下支えした。13年には「異次元」の金融緩和で購入を一気に増やした。

 24年3月に異次元緩和の転換とともに買い入れを終了したが、残高(簿価)は25年6月末時点で37兆1861億円に上る。時価では推計76兆2千億円に上り、東証プライム市場の時価総額の約8%を占めていた。

 売却すると株価の急落につながる可能性があるため、日銀はこれまで、処分は時間をかけて検討するなどとしてきた。年間3300億円程度(簿価)のペースで売却すると、単純計算で売却完了には112年ほどかかる。

 植田和男総裁は会合後に開い…

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この記事を書いた人
西尾邦明
経済部|金融担当
専門・関心分野
金融、財政、原発・エネルギー政策
柴田秀並
経済部|金融担当
専門・関心分野
金融、保険、資産運用