参政党「反グローバリズム」で海外右派と連携 自民との差別化戦略も

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菅原普 ブリュッセル=疋田多揚
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 「日本人ファースト」を掲げる参政党が、海外の右派勢力との連携強化に動いている。「反グローバリズム」の流れに乗って勢力拡大につなげる戦略を描く。

 参政の安藤裕幹事長と梅村みずほ参院国会対策委員長は7日、フランスの右翼政党「国民連合」(RN)に所属するビルジニー・ジョロン氏と国会内で会談した。

 2019年から欧州議会議員を務めるジョロン氏は「移民がどんどん入ってきてフランス人の職業が奪われ、格差は拡大している。参政党もRNも自国のことをまず考えるという点は一緒だ」と発言。外国人政策の厳格化などを共通項とし、双方は連携を深めていくことで一致したという。

 RNは近年、過激な主張を控える「脱悪魔化」路線を進め、看板の移民対策に加え、物価高といった国民の生活問題にも力を入れる。右派、左派を問わずに支持者を広げつつ、政権担当能力も示す狙いだ。10月の世論調査では、いま大統領選が行われればRNのジョルダン・バルデラ党首に投票すると答えた有権者が35%で、他党の候補者を引き離している。

 欧州では、極右とされた「イタリアの同胞」を率いたメローニ氏が22年から首相に就任。ウクライナ支援などで欧州連合(EU)と協調し、外交面で現実路線をとることで政権を安定させた。

 神谷宗幣代表らは、欧米の右…

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この記事を書いた人
疋田多揚
欧州総局長
専門・関心分野
欧州の政治と外交、暮らし
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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2025年11月12日14時11分 投稿
    【視点】

     現在、世界で進んでいる保守化傾向の背景には根強い反グローバル主義があります。良い悪いはともかく、過去30年の世界経済はグローバル化とデジタル化が一気に進み、各国は(日本を除いて)空前の経済成長を実現しましたが、その流れに乗れなかった層からの反発が強まっているという図式です。  日本でも政治の保守化が進んでいるとされ、その影響で高市政権が生まれたと認識されていますが、一連の国内政治の動きは世界とは少々異なっています。安倍政権はまさにその典型ですが、反グローバリズムではなく、むしろ安価な国人労働者を大量に呼び込むなどグローバル企業寄りの価値観といえます。高市氏はアベノミクスの継承を打ち出していますが、もしアベノミクスが復活することになれば、世界の保守化傾向とは大きく異なる方向性となるでしょう。  日本の有権者のどの程度の割合が、世界的な保守化傾向と方向性を同じくしているのか、現段階では分かりませんが、反グローバル主義に賛同する人が多いのだとすると、保守を自認し、当該部分を権力基盤にしようと考えている高市政権にとって、思わぬ落とし穴になるかもしれません。

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    堂本かおる
    (ニューヨーク在住ライター)
    2025年11月12日15時59分 投稿
    【視点】

    「反グローバリズム」や「排外主義」を推進するために各国の政党党首同士が国境を越えて話し合い、「連携」の強化を図るのはなんとも皮肉に感じる。

    …続きを読む