スウォッチ、「つり目」広告めぐり謝罪 中国での批判の高まり受け

画像提供, Reuters
コー・ユー BBCニュース(シンガポール)
スイスの時計メーカーのスウォッチは、モデルが目尻を両手で引き上げている画像を使った広告について謝罪し、取り下げた。この画像は、中国のソーシャルメディアのユーザーの間でしきりに批判されていた。
この広告を批判する人たちは、モデルのポーズが、歴史的にアジア人をあざ笑うのに使われてきた、人種差別的な「slanted eye(つり上がった細い目)」を思わせるとしていた。
中国のソーシャルメディアでは、この広告が拡散されるにつれ、スウォッチ製品のボイコットを求める声が高まった。
スウォッチは16日、「モデルの描写に関する最近の懸念に留意した」とする声明を発表。「今回のことが招いたかもしれない苦痛や誤解に対し、心よりお詫び申し上げる」とした。
そして、「私たちはこの問題を非常に重視しており、直ちに全世界で関連の素材をすべて削除した」と説明した。

画像提供, Swatch
だが、この謝罪で批判が鎮まることはなかった。
中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、ユーザーの1人が、「(スウォッチは)利益について恐がっているだけだ」、「謝罪してもいいが、私は許さない」と書き込んだ。
別のユーザーは、スウォッチについて、「私たちを相手にもうけているのに、それでも中国人を差別している。ボイコットして中国から締め出さないなら、私たちは根性なしだ」と投稿した。
中国での不買運動
ロイター通信によると、スウォッチは収益の約27%を中国、香港、マカオから得ている。ただ、中国では景気後退で売り上げが落ちているという。
スウォッチは、オメガ、ロンジン、ティソの各ブランドの時計も製造している。
中国の消費者は近年、自分たちの文化を侮辱されたり、国益を脅かされたりしたと感じた際に、不買運動を組織している。
ロイター通信によると、スウォッチは収益の約27%を中国、香港、マカオから得ている。ただ、中国では景気後退で売り上げが落ちているという。
スウォッチは、オメガ、ロンジン、ティソの各ブランドの時計も製造している。
中国の消費者は近年、自分たちの文化を侮辱されたり、国益を脅かされたりしたと感じた際に、不買運動を組織している。
2021年には、H&M、ナイキ、アディダスといったグローバルファッションブランドが、中国・新疆地区での人権侵害疑惑に懸念を表明したことを受け、中国でボイコットが広がった。
昨年も、日本の衣料品大手ファーストリテイリングが運営するユニクロが新疆産の綿花を使っていないと発表したことで、一部で不買運動が起こった。
イタリアのファッションブランドのドルチェ&ガッバーナも2018年、中国人モデルが不器用に箸を使ってイタリア料理を食べる動画を投稿し、ボイコットの対象となった。この広告は中国人女性を固定観念的、人種差別的に描いていると批判され、同ブランドは中国の電子商取引サイトから製品が引き上げられ、上海でのファッションショーを中止した。













