『ミッドサマー』アリ・アスター監督、河合優実に出演オファー 『ナミビアの砂漠』で感銘受ける
第38回東京国際映画祭

映画『へレディタリー/継承』『ミッドサマー』などを手がけ、現代ホラーの名手として知られるアリ・アスター監督の最新作『エディントンへようこそ』(12月12日全国公開)の舞台あいさつが30日、第38回東京国際映画祭で行われた。イベントには、アスター監督と俳優の河合優実が出席し、大ファンだというアスター監督から出演オファーを受けた河合が、大喜びする一幕があった。
【動画】『ミッドサマー』アリ・アスター監督、河合優実を次回作にオファー
今年の東京国際映画祭「ガラ・セレクション」に出品された本作は、新型コロナウイルスによるロックダウンが続く町を舞台に、マスク着用をめぐる保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)と市長テッド(ペドロ・パスカル)の対立から思いも寄らない事態が起きるさまを描いた“炎上”スリラー。
アスター監督は「こんなにも観た人の反応が違う映画を作ったことがありません。皆さんはどういう風にご覧になったでしょうか? 楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメント。花束を手渡した河合は「突然、映画と関係ないのに来てしまってすみません。日本の観客の皆さんとこの映画がより深くつながるようにお手伝いできればなと思っています」と静かに意気込み、「前回までの三部作とモチーフの捉え方や印象が違っていて、より今の世界をダイレクトに向き合う作品だなと思い、その目線に共感しながら観ていました」と感想を語った。
アスター監督が手がける作品の魅力を問われると、「登場人物がすごく魅力的で、自分の体を使って何かを演じる仕事をしている私たちにとっては、本当にくすぐられる体験になると思います」と返答。すると、MCがアスター監督の日本での映画制作や河合の出演を希望。アスター監督が「あなたと一緒に映画を作りたいです」と返すと、河合は「サンキュー。書いてください。記事に」と記者にリクエストし、「『エディントン』のプロモーションの場でわたしの夢が叶ってしまって、観客の皆さんに申し訳ないんですけど、すごく嬉しいです」とにっこり。また、河合主演の『ナミビアの砂漠』(2024)を鑑賞したアスター監督が「素晴らしかった。感銘を受けました」と演技を褒めると、河合は腰に手を当て、得意げな表情をして会場の笑いを誘った。
この日、アスター監督と交流できる貴重な機会を得た河合は「昨日、(本作を)もう一回観返しながら、ノートに(質問を)いっぱい書いたんですけど……」と迷いながら、いくつかの質問を投げかけ、本作を深く掘り下げていた。(錦怜那)


