日本代表はボリビアとの親善試合を行ない、3-0で勝利。
とはいえ、試合内容に目を向ければ、およそ喜んではいられないものだった。
ボリビアのオスカル・ビジェガス監督が「序盤は迷いが生じた」と語ったように、立ち上がりから主導権を握った日本は、立て続けに決定機を作り出し、前半4分にして鎌田大地のゴールで先制した。
しかしその後は、「20分をすぎて、試合をコントロールできるようになった」とビジェガス監督。ようやく落ちついたボリビアがショートパスをつないで前進できるようになると、日本は狙いを定めたポイントでボールを奪い切れなくなった。
得意のハイプレスで2人、3人とボールに襲い掛かるが、かわされて抜け出されてしまう。そんな場面が目についた。
加えて、イージーミスや安易なパスでマイボールを失うシーンも多く、特に後半開始からの20分ほどは、ほとんど敵陣にボールを運べなかった。
「少しでも集中が切れたり、(チームコンセプトの)ベースである切り替えが遅かったりしていれば、失点してもおかしくなかったが、難しい試合をきっちり無失点に抑えて勝ってくれた」
試合後、森保一監督はそう語っていたが、無失点は日本がやるべきことをやった結果というより、むしろ相手に助けられた面が多分にあった。
試合序盤にあまりにもラクにチャンスを作り出せたことで、徐々に集中が切れていったからこそ、相手に主導権を握られたのではないか。そんな印象の試合である。
結果的に、選手交代が功を奏して後半に2点を追加したが、決して試合を落ちつかせられたわけではない。
ところが、このボリビア戦が、森保監督が指揮する代表戦100試合目だったこともあり、試合後はお祝いムード。大台到達の記録は、それはそれで称えられるべきではあるが、試合の評価は別の話だ。
これを最後に今年の代表活動は終了となり、次は来年3月までその機会がないことを考えると、物足りなさが強く残った試合である。
それは、この試合だけのことではない。
これまでの流れを長期的に振り返っても、現在無所属の冨安健洋は言うに及ばず、三笘薫、守田英正、伊藤洋輝ら、ケガやコンディション不良で戦線離脱する選手が続出。もちろん、その責任のすべてが日本代表にあるわけではないが、まったくの無関係だと言ってしまうのも無責任だろう。
因果関係はどうあれ、昨年のアジアカップ以来、常に主力選手の招集にこだわり続けた末に現状がある。
確かに、佐野海舟や鈴木淳之介といった新たな戦力が台頭してきたことは、朗報だ。彼らの存在は、ひととき主力の不在を忘れさせてくれる。
だが、空いた穴を埋めるだけでは意味がない。
本来、ワールドカップ本大会を見据えたときには、従来の主力に加え、いかに戦力を上乗せできるか、が重要な課題だったはずだ。
主力メンバーがそろったときには、かなりの力があることはわかっているが、メンバーを入れ替えたときにも、チームとして主力組と遜色のない力を発揮できるかどうか。
つまり、ワールドカップへ向けたチーム作りの進捗状況は、森保監督が口にする「2チーム分の戦力」がどの程度整ってきたか、で判断されるべきなのだ。
ところが、戦力を上乗せする以前に、そもそもの主力選手たちが次々に戦線離脱。また、遠藤航をはじめ、負傷とは無関係に所属クラブで出場機会を減らしている選手も少なくない。ヨーロッパでの残りシーズンを経て、さらに状況が悪化している可能性もないわけではないのだ。
それを考えれば、今の日本代表が右肩上がりの成長曲線を描いているとは言い難く、どうにか現状を維持できているかどうか。下手をすれば、やや下降傾向にあるとも言えるのではないだろうか。
来年のワールドカップは、およそ中4、5日で最大8試合を戦わなければならない。仮にベスト8進出を目安にするとしても、4試合を戦ったあと、5試合目に勝たなければならないのだ。
これまでのような月に一度集まって、2試合をこなすだけの代表活動とは違い、固定メンバーで戦い続け、勝ち上がることなど、不可能だと言ってもいい。
だからこそ、日本代表が心配だ。
それを取り巻くどこかポジティブすぎるムードも含めて、心配だ。

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