保護司任期3年に延長へ 担い手や安全確保、改正案
政府は11日、刑務所出所者らの立ち直りを支援する保護司の担い手確保策や、安全対策を盛り込んだ保護司法などの改正案を閣議決定した。1期2年の任期を3年に延長し、候補者探しに保護観察所が関与すると盛り込んだ。2024年に大津市の男性保護司が自宅で殺害された事件を受け、安全環境の整備を国の責務として明記した。
法務省によると、近年は保護司の高齢化が加速し、今年1月1日時点で約4万6千人の8割近くが60歳以上だった。同省は23年5月に有識者検討会を設置し、持続可能な制度確立に関し議論。法改正に向けた報告書が24年10月にまとめられた。
改正案では、保護司の人脈に依存してきた人材確保を保護観察所長の責務とした。自治体の広報誌などで広く募集する運用を想定する。適任者の条件にある「社会的信望を有する」を「人格識見が高い」に改め、候補者の心理的ハードルを下げた。活動場所の提供などを地方自治体の努力義務とし、協力を促す。
大津市の事件を受け、自宅以外の面接場所の確保といった安全対策も複数取り入れた。全国に883ある保護区ごとの活動が前提だった運用を弾力化し、隣接する保護区の更生保護サポートセンターなどの施設を活用しやすくする。
保護司の使命を「地域社会の浄化をはかる」としていた規定は、検討会で時代錯誤との指摘があったのを踏まえ、「安全な地域社会の実現」などと改めた。〔共同〕









