憂いと祈り(3)「磔刑」
憂いと祈り(3)「磔刑」
アテネ郊外にあるダフニ修道院には、11世紀末のモザイク壁画がよく残っている。ネレヅィよりも半世紀以上早く、ここには深刻な悲哀と憂鬱の描写が見られる。モザイクらしく金地の中に、磔(はりつけ)になったキリストが描かれる。その穏やかな死に顔は、両脇の2人と対照的である。
向かって右の使徒ヨハネは、苦渋に顔をゆがませながらも、必死に師の息の絶えたことを受け入れようとする。左のマリアは、息子であり神である…

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