襲撃グループだけでなく、襲われた側も逮捕される異例の展開となった。大阪・ミナミの貴金属買い取り店前の路上で4月、現金7千万円を運んでいた男性2人が3人組の男に襲撃され、現金を奪われそうになる事件が発生した。大阪府警は7月上旬までに3人組を強盗致傷容疑で逮捕したが、捜査の過程で7千万円は直前に金塊を換金したものだったことが判明。府警は、この金塊を密輸したとして関税法違反容疑などで被害者だった男性2人も逮捕した。金塊絡みの事件は各地で発生しているが、被害者がピンポイントで狙われるケースが目立つことから、取引情報が事前に漏れていた可能性が高い。誰がどうやって情報を入手し、なぜ漏らすのか。府警は被害者も逮捕することで〝黒幕〟の解明を狙う。
ジュエリータウンで襲撃
事件は4月28日昼過ぎ、大阪・ミナミの繁華街の中にあり、「西のジュエリータウン」とも呼ばれる大阪市中央区南船場の貴金属買い取り店前の路上で発生した。
7千万円もの大金を紙袋に入れて運んでいた42歳と34歳の男性2人が突然、3人組の男に襲撃された。男性2人は顔に催涙スプレーを吹きかけられたり、顔を複数回殴られたりし、全治1カ月前後の重軽傷を負ったが、何とか大金を守りきった。
3人組のうち2人は車で逃走したが、残る1人は男性2人ともみ合いになった際に負傷。病院に搬送された後、大阪府警に強盗致傷容疑で逮捕された。
逮捕されたのは愛媛県新居浜市の自営業、阿部剛被告(26)=強盗致傷罪で起訴。防犯カメラ捜査などから、逃走した2人は阿部被告の兄、貞(31)と仙波烈王(れお)(22)の両容疑者と判明した。




