「静岡パルコ」2027年1月に閉店へ…コロナ後に客足回復せず「営業の継続は厳しい」

スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 全国で商業施設を運営するパルコ(東京)は28日、JR静岡駅前の「静岡パルコ」の営業を2027年1月末で終了すると発表した。10年度が業績のピークで、コロナ禍が収束しても回復できなかった。20年の歴史に幕を下ろす静岡パルコに、地元からは惜しむ声が聞かれた。

2027年1月末の営業終了を発表した静岡パルコ(28日、静岡市葵区紺屋町で)
2027年1月末の営業終了を発表した静岡パルコ(28日、静岡市葵区紺屋町で)

 静岡市葵区にある静岡パルコは07年、西武百貨店の跡地に開業し、主に若年層向けのファッションを扱った。10年度には約109億9300万円を売り上げたが、その後はインターネット通販などに客を奪われた。売上高は19年度に98億1800万円、24年度に81億9300万円と下落。コロナ禍が収束しても客足は回復せず、来店客数はピーク時の約7割に減少していた。

 今後の業績回復も見込めないため、同社は建物賃貸借契約の満了の時期を踏まえ、27年1月に営業を終了し、県内から撤退することを決めた。

静岡パルコの営業終了を発表した同社の溝口岳取締役(左)(28日、静岡市役所で)
静岡パルコの営業終了を発表した同社の溝口岳取締役(左)(28日、静岡市役所で)

 市内で記者会見した同社の溝口岳取締役は「需要に合わせてテナントの入れ替えなどを行ってきたが、営業の継続は厳しかった」と語った。

2027年1月末に営業を終了する静岡パルコ(28日、静岡市葵区紺屋町で)
2027年1月末に営業を終了する静岡パルコ(28日、静岡市葵区紺屋町で)

 同店にはアルバイトなど約700人が勤務している。化粧品を扱うテナントの女性従業員(39)は「急だったので驚いている。次の仕事を探さないといけないのか」と不安げに話した。

 同店が位置する葵区紺屋町の商店街振興組合・服部功理事長(71)は「静岡市のシンボル的存在で、市内外からお客さんを引っ張ってきてくれた。今後の客足がどうなるのか不安。街の在り方を考え直さないといけない」と危惧する。

 高校3年生の女子生徒(17)は「小さい頃から家族と来ていて、最近は学校帰りに週1回のペースで友達と遊びに来ていた。思い出の場所がなくなると思うとさみしい」と肩を落とした。

 難波喬司市長は「長年にわたり、地域に活力をいただいて感謝している。まちの姿は変わっていくが、中心市街地の活性化に取り組んでいきたい」とコメントした。

スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

使い方
速報ニュースを読む 「経済」の最新記事一覧
注目ニュースランキングをみる
記事に関する報告
7390813 0 経済 2025/11/30 11:05:00 2025/11/30 11:05:00 2025/11/30 11:05:00 /media/2025/11/20251129-OYT1I50057-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

おすすめ特集・連載

読売新聞購読申し込みバナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)