ノウハウは誰も盗めない
最近思うのが、「仕事ができる人ほど、自分の持っているナレッジを提供してくれる」ということです。技術的なTipsであったり、こうやってはならないというアンチパターンであったり、と。
ただ世の中には、自分のナレッジの提供が切り売りになると心配しているヒトもいるようです。何でオレがコストかけて学んだナレッジを公開せねばならないんだ、って感じで。ナレッジだけ得ようなんてムシがよすぎる、と。
でもそれは間違っていると思うんですよ。
確かに、何かしらの問題に遭遇して自分で頑張って解決して得たナレッジだけを教えてくれというのは問題です。「いいとこどり」と解釈されます。でもそれはその人の姿勢の問題だし、いつか彼らがFOFA
しなくてはならない局面になった時に後悔するだけの話だな、と思ってます。
# あまりに「教えて君」ならキレてもいいと思うけど。
切り売りではなく、良質のナレッジをアウトプットすることで良質のインプットが得られるということに、もっと目を向けるべきだと思います。
ブログを書いていたり社内DBに自分のノウハウを公開している中で確信していることは、「アウトプットの質がインプットの質」を決めるということ。自分が質の高いナレッジを提供すれば、それに呼応した質の高いレスポンスしか返ってこないんです。これは確信を持って断言できます。
レベル3のナレッジを提供したら、それ以下のレベルのナレッジは返ってきません。レベルが違いすぎると全く参考にならないのと一緒です。
なので切り売りなんて感覚は全く持つ必要はなく、最終的には「宝の持ち腐れ」となって腐っていくんだと思えばいいんです。ナレッジの提供者は。
そして、もう1つ大きなコトがあります。
そういったナレッジを自分の手で構築できる能力は誰も盗めない、ということです。
ナレッジやTipsで提供できるのは「こういう問題は、最終的にこういう結論になった」という結果だけです。不確実で不透明な問題を前にして、自分が悪戦苦闘して得た問題解決のプロセスや思考回路は、何人たりとも盗むことはできません。
IT業界は「超できるヒト」と「しょーもないヒト」の差が非常に激しい業界です。超できる人は超できる人同士のコミュニティで腕を磨かれていますが、中間層の普通の人達との断絶は開く一方だと感じています。 もっと業界全体でのナレッジの共有が進むことを願ってやまないし、私レベルのナレッジはどんどんブログで公開していきたいと思います。