脱車社会
8月29日(水) 久しぶりに自転車の話
今年の夏は例年よりも炎天下の自転車散歩は控えめでした。
熱中症、歳相応・・・危ない々々と言われると、ちょっと控えるかとなります。
猪突猛進の自転車愛好家でもないので、健康で楽しく走る自転車ライフになっています。
秋の虫の音やトンボの舞う数も増えて、近所の青い田んぼにもたくさん飛んでいました。
トンボの飛ぶ姿はとても優雅だと思います。
生まれ変わって昆虫になるなら、トンボになって飛び回りたいと願っています。(笑)
中日新聞(8/27)の朝刊におもしろい記事が載っていました。
「脱車社会 ドイツの取り組み」という見出しでした。
ドイツでは1970年代から排ガス・騒音による都市公害、急速に進む高齢化に対応するための「脱車社会」が議論されてきたそうです。
その基本は自動車から徒歩と公共交通機関へとシフトチェンジされた交通網。
おもしろいのは自転車専用の環状道の整備、電車バスと連結した駐輪場、信号も自転車を先に通す仕組みだそうです。
あえて自動車を不便にすることによって徒歩・自転車・公共交通利用者を増やす計画で、ドイツ西部のミュンスター市では自転車の移動手段利用率が37.6パーセントだそうですから驚異的です。
高齢化する社会ではたしかに車が運転できない人も増えるわけで、車がなくても暮らせる街づくりです。
南部のフライブルク市では、既に460キロの自転車道が設置されてるというから、これも驚きです。
こういう街づくりの方向は市外地の町を結ぶ85キロの「自転車高速道路」計画案もでてるといいます。
「自転車高速道路」日本では夢のような話です。
ドイツといえば日本と同じように自動車産業大国です。
そのドイツが着々と「脱車社会」へと取り組んでいるという記事を読むと、先に「脱原発宣言」したドイツの本気度がなんとなくわかる気がします。
「将来は・・・」と先送りして、原発再稼働してしまう日本とは大違いでしょう。
洪水のように増える車、そしてCO2、「脱車社会」が言われ「地球温暖化」が言われているにも関わらず、都市交通も車社会の典型のような「高速道路建設」を続けている日本です。
「脱車社会」といったい誰が本気で考えているのでしょう。
ドイツでは列車にも路面電車にも自転車が乗せられるといいます。
荷物が多ければカーシェアリングで車を使うことも出来るそうです。
車中心社会になって、列車もバスも廃線が増え、路面電車も消え、環境負荷の大きい交通網となった日本。
選挙で庶民をアピールする程度の自転車の価値認識が議員さんの現状でしょうか。
僕は市街地の車を時速30キロ制限にし、自転車と公共交通機関を連結し、歩行者と自転車を中心にした、「街づくり」に本気で取り組み必要がある・・・だから「あえて自動車を不便に→公共交通機関へ誘導」(中日新聞)というのが、もっと検討されてもよいのではと思うのです。
「狭い日本、そんなに急いでどこに行く」(と言ったと思うが)、かってのこの標語が、脱車社会への標語として、甦るといいと思う。
「今、車を制限したら不便でかなわない」と思うかも知れませんが、「将来は・・・」ではなくて今、車中心の社会から歩行・自転車・公共交通に転換しなければ、もっと、もっと暮らしに不便で、環境を破壊した、お年寄りに優しくない町になるような気がします。
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