57 :美雪1:2008/10/26(日) 01:48:55.62 ID:vvMQtuBy0
いつの頃からだろうか・・・
彼女がこのコンビニに来る様になったのは。
彼女は毎日同じ時間にやって来て、毎日同じ物を買って行く。
220円のサンドイッチと120円のフルーツジュース。
二つ合わせて、税込みで357円
無論、毎日同じ物を買って行く客は他にも沢山いる。
ただ、俺が彼女の事を覚えたのは、彼女がとても綺麗だったからだ。 357エンニ ナリマス
_ ハイ !
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
60 :美雪2:2008/10/26(日) 01:49:32.54 ID:vvMQtuBy0
俺は何度も彼女に話し掛けようとした。
でも、それは出来なかった。
俺はどう見てもさえないコンビニの店員で、彼女は誰もが振り返る様な
とびっきりの美人。
相手にしてもらえるはずが無い。
だけどそんなある日・・・・。 336エンニ ナリマス
_ アレ ?!
_□ __//| ,,,,,,, , _ 357エン ジャナイデスカ ?
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ丶
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
61 :美雪3:2008/10/26(日) 01:49:58.90 ID:vvMQtuBy0
ジュースメーカーのキャンペーンで、いつも120円のフルーツジュースは
その日から100円になっていたのである。
コノ ジュース
イマ 100エン ナンデスヨ
_ ソウナンダ…
_□ __//| ,,,,,,, ラッキー♪
( 'A`) // ̄|_ (^ー^ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
63 :美雪4:2008/10/26(日) 01:50:31.51 ID:vvMQtuBy0
そんな些細な事でニッコリ笑った彼女は一段と綺麗だった。
それから俺と彼女は毎日話しをする様になった。 ガクセイサン ナノ ? ンートネ…
_ イマハ「プー」カナ…
_□ __//| ,,,,,,, テヘヘ…
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
ナマエハ? オレハ ドクオ ミユキ ッテ
_ ユウンダヨ
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
ミユキチャン カァー  ̄ ̄ ̄
65 :美雪5:2008/10/26(日) 01:51:55.70 ID:vvMQtuBy0
ある日、俺は偶然街中でみゆきを見掛けた。
彼女はその時、とある病院に入って行くところだった。 ┌──────────┐
│ VIP循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | |
| | | | アレッ ? アノコハ
| | | ,,,,,, ミユキチャン・・・カナ?
| | | (ー‘;ヾ (A` )
| | | ノ( )ゝ ノ( )ヽ
| | | (( 、、、、、 ( (
66 :美雪6:2008/10/26(日) 01:52:41.47 ID:vvMQtuBy0
その時はたいして気にも留めてなかったが、後日、俺はその事を
みゆきちゃんに訊いてみた。
コノマエ ビョウインデ
ミカケタケド
オミマイニ イッタノ ? _ ウンン、チョット
_□ __//| ,,,,,, ビョウキ シチャッテ…
( 'A) // ̄|_ (ー‘;ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
 ̄ ̄ ̄
ソッカ…
ソレハ オダイジニ
_ ウン !!
_□ __//| ,,,,,,, アリガトウ
( 'A) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
67 :美雪7:2008/10/26(日) 01:53:28.47 ID:vvMQtuBy0
元気そうなみゆきちゃんを見て俺は安心した。
たいした病気ではなかったのだろう。
ところが、それからしばらくした日、彼女は俺の目の前で
急にうずくまってしまったのだ。 エ?エ? ミッ…、ミユキチャン ?!
_
_□ .__//|_ ウッ……
Σ(; ゚A゚) // ̄|__/| lll|,,,,, ………
(ヽ)ヽ/  ̄ // (ー‘;ヾ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ ノ(ノ)
 ̄ ̄ ̄ ⊂⊂
ミユキチャン
_ダイジョウブ ?!
__//|_ _□ ダイジョウブ ダヨ…
// ̄|__/|(; ゚A゚). ,,,,, スコシヤスメバ モドルカラ…
/  ̄ /./ (ヽ)ヽ(ー‘;ヾ
| ̄ ̄ ̄|/ ) ) ノ(ノ)
 ̄ ̄ ̄ ⊂⊂
69 :美雪8:2008/10/26(日) 01:57:56.79 ID:vvMQtuBy0 トトトトリアエズ、モウスグシフトアガルノデ
オレノヘヤニ イコウ
_コノ スグウラ ダカラ
__//|_ _□
// ̄|__/|(; ゚A゚). ,,,,, デモ…、ソレハ
/  ̄ /./ (ヽ)ヽ(ー‘;ヾ ドクオサンニ ワルイワ
| ̄ ̄ ̄|/ ) ) ノ(ノ)
 ̄ ̄ ̄ ⊂⊂
ソンナコト キニスルナヨ !
_ サア…
__//|_ _□. ,,,,,, …ウン
// ̄|__/|(; ゚A゚) (ー‘;ヾ
/  ̄ /./ (ヽ)ヽノ(ノ)
| ̄ ̄ ̄|/ ) ) .((
72 :美雪9:2008/10/26(日) 01:59:21.17 ID:vvMQtuBy0
俺はみゆきをアパートの部屋に連れて帰り
みゆきのかばんから薬を取り出し飲ましてあげて、とりあえず布団に寝かし付けた。
30分程するとみゆきは元気になり、いつもの様に話し始めた。 |
ゴメンナサイネ |
ドウシチャッタンダロウ ______|
キョウノ ワタシ ,,,,,,, キニスルナッテ !! \
ソ‘ー‘) ソレニ、タダノ タチクラミ ダト \
/⌒ソ( )ゝソ⌒) ('A` ) オモウヨ、キット \
//⌒⌒⌒) / ノ(ノ )
/ (___ノ / ⊂⊂
(______ノ
75 :美雪10:2008/10/26(日) 01:59:55.25 ID:vvMQtuBy0 |
ドクオサン ッテ |
ヤサシイノネ ______| \
,,,,,,, \ ................
ソ^ー^) イヤ…、ソウユウ ワケジャ… \
/⌒ソ( )ゝソ⌒) ('A`;) テレチャウナ… \ /
//⌒⌒⌒) / ノ(ノ )
/ (___ノ / ⊂⊂
(______ノ
|
トコロデ… |
ナンナノ コレハ ? ______| \
,,,,,, コレハ… \ ギシギシ
ソ;‘ー) 「オヤクソク」 \ アンアン
/⌒ソ( )ヽソ⌒) (; 'A) ッテ ヤツデスカ \ /
//⌒⌒⌒) / ノ(ノ )
/ (___ノ / ⊂⊂
(______ノ
77 :美雪11:2008/10/26(日) 02:01:00.79 ID:vvMQtuBy0
あの日結局みゆきちゃんとは何もなかったものの
あの日から、みゆきちゃんはよく俺の部屋を訪れる様になった。
彼女が俺の部屋に来た何度目かの時、俺は意を決し、
心の内を彼女に打ち明けた。 ミユキチャン
| オレハ キミガ スキダ・・・
| ,,,,,,, エッ !…
| ( 'A`) (‘ー‘ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
オレト コイビト トシテ
| ツキアッテ クレナイカ ? アオリガトウ ドクオサン
| ,,,,,,, デモネ……、
| ( 'A`) (‘ー‘ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
79 :美雪12:2008/10/26(日) 02:01:46.93 ID:vvMQtuBy0
みゆきは話しを続けた。
私の「みゆき」は「美雪」って書くの。
雪は触れるととっても冷たくて、すぐ溶けて無くなってしまうの。
だから、雪には触れちゃダメなの。 \_________ _____________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘ヾ
ノ(ノ )
意味が判らない・・・・・・。('A`;) ?????
ソレハ「オレジャ ウンン !
| ダメ」ッテ コトナノ ? ソウジャ ナイノ !!
| ,,,,,,, デモ…、
| (; 'A) (‘ー‘ヾ スコシ カンガエ サセテ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
そう言って美雪は帰って行った。
残された俺は、一人、考え込んでしまった・・・ オレ…
| カラカワレテルノ カナァ~ ?
| ('A`)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
80 :美雪13:2008/10/26(日) 02:02:21.97 ID:vvMQtuBy0
その次の日も、美雪はいつもと同じ時間にコンビニへやって来た。
気まずさを感じていた俺に、美雪は自分から話し掛けてくれた。 キョウモ ドクオサンノ
ヘヤニ イッテモ イイカナ ? アア、
,,,,,,, _□ ジャア マッテルヨ
ソ‘ー‘) ____ ('A`)
ノ( )ヽ/./\_/ノ( )ヽ
| | | ̄\/// .( (
| ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
バイトを終え部屋に帰ると、美雪はすでに俺の部屋の前で待っていた。
その時の美雪の妙に思い詰めた様な顔が気になったのだが・・・・・。 キノウノ ヘンジヲ
| キカセテ クレルノ? ウン…
| ,,,,,,, ドクオサン
| ( 'A`) (ー‘;ヾ ワタシノハナシヲ ヨク キイテネ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
82 :美雪14:2008/10/26(日) 02:03:58.95 ID:vvMQtuBy0
昨日、毒男さんに「好きだ」って言われて、私、本当に嬉しかったの。
今まで男の人から「好き」って言われた事なんて一度も無かったからw \___________ __________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
そんな事は無いだろう ?
美雪ちゃんはとても綺麗で、肌だってホラ、こんなに真っ白で・・・・・。
俺なんかが見ると眩しいくらいで・・・・・。 \___________ _________________/
V
(; 'A`)
(ヽ)ヽ
83 :美雪15:2008/10/26(日) 02:04:44.96 ID:vvMQtuBy0
私の肌が白いのはね・・・・、新鮮な血が体に行き渡らないからなの。
毒男さん、私の手を触ってみて・・・・。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
,,ノ(ノ )
| メチャチベタイ !!
| ,,,,,,, デショウ…
| Σ(; 'A) (ー‘;ヾ
/ ̄ ̄ ̄ (ヽ)ヾ,,ノ(ノ )
/ 」」 ⊂⊂
84 :美雪16:2008/10/26(日) 02:05:06.31 ID:vvMQtuBy0
その時、俺は昨日の美雪の言葉を思い出した。 """""""""""""""""""""""""""""""""
"
雪は触れるととっても冷たくて "
"
すぐ溶けて無くなってしまうの。 "
" \_____ _______/ "
" V "
" ,,,,,,, "
" (‘ー‘ヾ "
" ノ(ノ ) "
" "
"""""""""""""""""""""""""""""""""
咄嗟に俺は美雪の手を離した。
俺の手には美雪の手の冷たい感触が残っていた。 | ハッ !! ダイジョウブ…
| ,,,,,,, ホントウニ トケタリハ
| (; ゚A)シ (ー‘;ヾ シナイカラ…
/ ̄ ̄ ̄ (ヽ) ,,ノ(ノ )
/ 」」 ⊂⊂
86 :美雪17:2008/10/26(日) 02:06:22.01 ID:vvMQtuBy0
私の手足はとても冷たいの。
これはね、「血の巡り方が普通じゃないから」って教えてもらってる。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
ソレハ…
| ドウユウ コトナノ? コレガ…
| ,,,,,,, ワタシナノ…
| (; ゚A) (ー‘;ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
88 :美雪18:2008/10/26(日) 02:07:22.63 ID:vvMQtuBy0
私は心臓に病気を持って生まれて来たの。
普通の薬や手術では治せない病気なんだって。
今まで何度も発作を起こして、何度も死んでしまいそうになって・・・・。
だから・・・・、今でも発作を抑える薬を毎日注射してもらってるの。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
…ソレデ アノ
| ビョウインニ…
| ,,,,,,, …ウン
| (; 'A) (ー‘;ヾ
/ ̄ (ヽ)ヽ ̄ ̄ ノ(ノ )
/ ⊃⊃ ⊂⊂
90 :美雪19:2008/10/26(日) 02:07:43.95 ID:vvMQtuBy0
発作が起きるたびに死にそうになって・・・・・・
それでも、今までなんとか生きて来て・・・・・・
でも、いつもお医者さんに「次の発作の時は命の保障は出来ない」
って言われ続けてて・・・・・・・。
こんな私だから、周りの男の子達はみんな私を避けていたの。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
(‘ー‘;ヾ
ノ(ノ )
私ね・・・・、子供の頃から一度も走った事が無いの。
ちょっとでも激しく動くと胸が苦しくなって、発作が起きそうになって。
だから・・・、私は女として毒男さんを受け入れる事が出来ない・・・・。
もし結婚しても、毒男さんの子供も生めない・・・・、赤ちゃんができないの・・・・。
そして・・・・、明日にも、いつ死んじゃうかわからないの。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
<ー‘。ヾ
( ノ)
91 :美雪20:2008/10/26(日) 02:09:49.24 ID:vvMQtuBy0
ごめんね・・・、毒男さん。 本当にごめんね・・・。
本当は、もっと早く話さないといけないって私わかってた。
でもね・・・、でもね・・・私も他の子と同じ様に恋がしてみたくて・・・・。
それにね・・・、それにね・・・・
毒男さんが・・・、毒男さんが・・・優しかったから・・・・・。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
<ー‘。ヾ
( ノ)
ごめんね・・・、ごめんね・・・・、ごめんね・・・・、ごめんね・・・・。
私、馬鹿だから・・・、本当に馬鹿だから・・・・
毒男さんの気持ちも考えられなくって・・・・。
毒男さんが「好き」って言ってくれた時、本当に嬉しくて・・・・。
でも、それで毒男さんにこんな私のわがままにつき合わさせちゃって。
私には「恋をする資格は無い」ってわかってたはずなのに・・・・・。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
<ー‘。ヾ
( ノ)
97 :美雪21:2008/10/26(日) 02:19:46.83 ID:vvMQtuBy0
だからね・・・、だから・・・・だから毒男さんには・・・・
私の事は早く忘れて欲しいの。 \___________ _________________/
V
,,,,,,,
<ー‘。ヾ
( ノ)
┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミッ…
│ │ ,,,,,,, ゴメンナサイ… ミユキチャン…
│ │ <ー‘ ヾ゚ ゚。 ヽ(A゚ ;)
│ / ( )ゞ ( )ヽ
│/ (( 、、、、、 ( (
102 :美雪22:2008/10/26(日) 02:25:29.74 ID:vvMQtuBy0 ┌────┐
│ │ │
│ │ │ ……
│ │ | ミユキチャン…
│ │ | (A` ;)
│ / .| ノ( )ヽ
│/ .| ( (
└────┘
声を上げて泣きながら美雪が出て行ったドアを、俺はボーゼンと見つめていた。
何も出来ずに・・・、何も言えずに・・・・。
それから俺は悩み続けた。
男と女として交わる事が出来ない美雪。 コドモモ ウメナイノカ…
_
_□ __//|_
(; 'A) .// ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./
) ) | ̄ ̄ ̄|/
一度発作が起きると、命を落としてしまうかも知れない美雪。 ホッサヲ カンゼンニ
| オセエラレナインダロウカ…
| ('A`;)
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
109 :美雪23:2008/10/26(日) 02:29:40.46 ID:vvMQtuBy0
三日間悩みに悩みひたすら美雪のことを考え続け、俺は心を決めた。
俺は美雪の為にこれからの人生を生きて行こう!!
俺は美雪のそばに居られるだけで幸せだ。
俺は力の限り美雪を守り続ける! \_____ ____________/
V
ゼッタイニ!! ゼッタイニ!!
('A`)
ノ( )ヽ
次の日、俺はバイトを休み、あの病院の前で美雪を待つ事にした。
あれから美雪は1度もコンビニへは来なかったが、ここで待っていれば
美雪に会えるはずだ。 ┌──────────┐
│ VIP循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | |
| | | |
| | | | アレー オカシーナー ・・・
| | | | (; 'A)
| | | | ノ( )ヽ
| | | | | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
111 :美雪24:2008/10/26(日) 02:30:40.13 ID:vvMQtuBy0
しかし、その日美雪は病院へ来なかった。
その次の日も俺はクビを覚悟してバイトを休み、一日中病院の前で待ち続けたが、美雪は来なかった。
三日目の夕方、一人の看護婦が俺に声を掛けて来た。 ┌──────────┐
│ VIP 循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | | ココニ ナニカ
| | | ゴヨウ デスカ ? ヒトヲ サガシテ
| | | ヽ⌒ノ イルノ デスガ…
| | | ソ´ー`) (A` ;)
| | | ノ( )ヽ ノ( )ゝ
| | | | | ( (
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┌──────────┐
│ VIP 循環器病院 │
└──────────┘
____________ ,,,,,,,
| | | | (‘ー‘ヾ
| | | | ソレハ ノ( )ヽ
| | | ドナタ デスカ ? \ ミユキ チャン…./
| | | ヽ⌒ノ  ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | ソ´ー`) (; 'A)ノ コノコデスケド…
| | | ノ( )ヽ ノ( )
| | | | | | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
112 :美雪25:2008/10/26(日) 02:31:34.90 ID:vvMQtuBy0 ┌──────────┐
│ VIP 循環器病院 │
└──────────┘
____________
| | | |
| | | | アア…
| | | ソノヒト ナラ… ヨカッタ!!!
| | | ヽ⌒ノ ワカリマスカ!!!!
| | | ソ´-`) (A` ;)
| | | ノ( )ヽ ノ( )ゝ
| | | | | ( (
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
六日前の夕方に緊急入院をされ、
その日の内に お亡くなりになりましたよ・・・ \_____ ____________/
V
ヽ⌒ノ
ソ´-`)
ノ( )ヽ
えっっっっ!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:32:50.57 ID:omWa8bzhO
(´;ω;`)
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:32:56.83 ID:jJpjwLe30
・゚・(ノД`)・゚・
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:33:13.80 ID:NIB8aTZYO
みゆきちゃん…!!
120 :美雪26:2008/10/26(日) 02:33:26.34 ID:vvMQtuBy0
まさか美雪ちゃんが死んだ ?! ?!?! \_____ ____________/
V
ウソ ダロ…
(゚A゚ ;)
ノ( )ヽ
| |
美雪は再び発作を起こし、医師の懸命の処置にも関わらず
帰らぬ人となってしまったそうだ・・・ ミユキ チャン…
(; 'A)
ノ( )ヽ
、、、、、 ノ )
123 :美雪27:2008/10/26(日) 02:34:02.57 ID:vvMQtuBy0 """""""""""""""""""""""""""""""""
"
雪は触れるととっても冷たくて "
"
すぐ溶けて無くなってしまうの。 "
" ,,,,,,, "
" (‘ー‘ヾ "
" ノ(ノ ) "
オレハ テシカ " "
フレテイナイ """""""""""""""""""""""""""""""""
(; 'A) ジャナイカ…テシカ!!! テシカフレテナイジャナイカ!!!
ノ( )ヽ
| |
127 :美雪28:2008/10/26(日) 02:34:38.19 ID:vvMQtuBy0
俺が、答えの判りきっている事を悩んでいる間に、
美雪は死んでしまっていた。
六日も前に・・・・・。 !!!ムイカ…?
| , _ ムイカマエ ッテ…
| (; ゚A)丶
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
あの日じゃないか !! ┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミッ…
│ │ ,,,,,,, ゴメンナサイ… ミユキチャン…
│ │ <ー‘ ヾ゚ ゚。 ヽ(A゚ ;)
│ / ( )ゞ ( )ヽ
│/ (( 、、、、、 ( (
└───
\________ _____________/
V
。
゚
(゚A゚ ;)
ノ( )ヽ
じゃあ・・・、あの後すぐに美雪は・・・・・・。
俺は美雪を泣きながら死なせてしまったのか・・・・。なんてことだ・・・・・・・・・・・
129 :美雪29:2008/10/26(日) 02:35:33.01 ID:vvMQtuBy0
馬鹿だ!!馬鹿だ!!大馬鹿野郎だ俺は!! 大馬鹿野郎だ!!!!
何故、何故、何故あの時、美雪に・・・・・ ┌────┐
│ │ │
│ │ │ ミユキチャンガ ドンナカラダデモ
│ │ ,,,,,,, オレハ カワラナイ !!
│ │ ソ‘ー>゚。 (A` ;)
│ / ノ( ) ノ( )ゝ
│/ | | ( (
└───
そう・・・言えなかったんだ・・・・・。
この馬鹿野郎・・・・・。 | バカ ヤロウ…
| (⌒ (; 'A)
/ ̄ ̄」」 | | ゚。。  ̄ ̄
・・・・馬鹿野郎・・・・・
ばかやろおおおおおおぉぉぉぉぉ・・・・・・・・
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:37:04.83 ID:jJpjwLe30
・゚・(ノД`)・゚・・゚・(ノД`)・゚・・゚・(ノД`)・゚・・゚・(ノД`)・゚・・゚・(ノД`)・゚・・゚・(ノД`)・゚・
136 :美雪30:2008/10/26(日) 02:38:53.31 ID:vvMQtuBy0
・・・・・あれから半年が過ぎた
今も俺はこのコンビニで働いている。
そして、今でもあの時間になると、美雪がサンドイッチと
フルーツジュースを買いに来る様な気がしてならない・・・
イラッシャイ
_ コンニチハ
_□ __//| ,,,,,,,
( 'A`) // ̄|_ (‘ー‘ヾ
(ヽ)ヽ/?ロ /ノ( )ゝ
) ) | ̄ ̄ ̄|/ | |
139 :美雪31:2008/10/26(日) 02:39:58.98 ID:vvMQtuBy0
そして・・・・、独りでそっと呟く。
ゴメン…
ジュース 120エンニ モドッチャッタ…
_
_□ __//|_
( 'A) // ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./
) ) | ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
_
100円じゃなくったんだよ _□ __//|_
ごめんね ( 'A) // ̄|_./|
(ヽ)ヽ/  ̄ /./
美雪ちゃん・・・・・ ) ) | ̄ ̄ ̄|/
 ̄ ̄ ̄
ごめんね・・・
糸冬
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:42:07.75 ID:dNEoLRlT0
みゆきタソ安らかに・・・
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:42:08.11 ID:jJpjwLe30
美雪ちゃん・゚・(ノД`)
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:23:45.59 ID:dNEoLRlT0
111 名前:水先案名無い人 sage 投稿日:2006/08/12(土) 08:45:23 ID:+fn9uvqJ0
ばあちゃん……
俺がうまいって言ったら、ずーっとそればっか作ってくれたな……
子供の俺には嬉しかったよ、ばあちゃん
死に目に会えなくてゴメンネ、子供だった俺は深夜1時過ぎまで起きてられなかったんだ
それに「倒れた」って聞いても、すぐに起きるもんだと思ってんだよ
最後に俺の名前呼んでくれたそうだね、その時のばあちゃんの気持ち考えると切なくなる
ばあちゃんが亡くなってから10数年、二十歳を過ぎた頃になって
父さんからばあちゃんの話を聞いた時ショックだった
ばあちゃんはじいちゃんの後妻で、父さんとは血が繋がってない
つまり俺とばあちゃんは、言ってしまえば赤の他人
それを聞いたとき「最後に俺の名前を呼んでくれたこと」を思い出し
ばあちゃんが死んだ時より泣いた
血の繋がりとか戸籍上とか関係無く、ばあちゃんは俺のばあちゃんだった
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:25:39.50 ID:dNEoLRlT0
512 名前:[名無し]さん(bin+cue).rar sage 投稿日:2006/10/14(土) 19:45:25 ID:IDCQbix10
仕事で手ひどい裏切りに遭って酔っぱらって泣き寝入りして、うとうと目が覚めかけたとき、飼ってる
猫2匹が「私が死んだらどうするか」について相談してる声が聞こえてきちゃったのよ。
「お水がもらえないと困る」
「うん、お水はね~」
「ごはんはお皿にあるからいいけどさ」
「あるもんね」
……確かに寝る前に皿にカリカリを山盛り入れたけどさ、おまいら、それ
食べたらなくなるってわかってる?
「おまいらさ~」
と起き上がって文句を言おうとしたら、2匹とも慌てて毛づくろいを始めたのには笑った。
猫には「今日」しかないって、ホントなんだなって思ったら、落ち込んでるのがバカバカしくなって、
開き直って仕事して今に至る。
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:28:05.12 ID:dNEoLRlT0
171 名前: おさかなくわえた名無しさん [sage]投稿日: 2006/12/17(日) 04:10:26 ID:32EhscPl
割と大きな病院に通院していました。
ある日、男子トイレの洋式の方に入り座ると、ドア裏に小さな落書きがあったのです。
『 入院して二ヶ月 直らない もうだめだ 』
そして二週間後(その落書きの事はすっかり忘れていたのですが)、またそのトイレに入りました。
…ドア裏は落書きでいっぱいいっぱいになっていました。
『頑張れ』『ガンガレ』『必ず良くなるぜい!』等々。
しかもその後、トイレはペンキ塗り直しされたのですが、そのドアだけはそのままだった事が
なんか嬉しかったなぁ。
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:33:11.21 ID:p+xV8pxo0
俺が小さい頃に撮った家族写真が一枚ある。
見た目普通の写真なんだけど、実はその時父が難病(失念)を宣告されていて
それほど持たないだろうと言われ、入院前に今生最後の写真はせめて家族と・・・と撮った写真らしかった。
俺と妹はまだそれを理解できずに無邪気に笑って写っているんだが、
母と祖父、祖母は心なしか固いというか思い詰めた表情で写っている。
当の父はというと、どっしりと腹をくくったと言う感じで、とても穏やかな表情だった。
母がその写真を病床の父に持って行ったんだが、その写真を見せられた父は
特に興味も示さない様子で「その辺に置いといてくれ、気が向いたら見るから」と
ぶっきらぼうだったらしい。母も、それが父にとって最後の写真と言う事で、見たがらないものをあまり
無理強いするのもよくないと思って、そのままベッドのそばに適当にしまっておいた。
しばらくして父が逝き、病院から荷物を引き揚げる時に改めて見つけたその写真は、
まるで大昔からあったようなボロボロさで、家族が写っている部分には父の指紋がびっしり付いていた。
普段もとても物静かで、宣告された時も見た目普段と変わらずに平常だった父だが、
人目のない時、病床でこの写真をどういう気持ちで見ていたんだろうか。
今、お盆になると、その写真を見ながら父の思い出話に華が咲く。
祖父、祖母、母、妹、俺・・・。
その写真の裏側には、もう文字もあまり書けない状態で一生懸命書いたのだろう、
崩れた文字ながら、「本当にありがとう」とサインペンで書いてあった。
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:36:09.64 ID:p+xV8pxo0
小学生のとき、少し足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅いA君がいた。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。
抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。
担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。
私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、N先生は違う学校へ転任することになったので、
全校集会で先生のお別れ会をやることになった。
生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え、と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。
放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。
N先生がぶるぶる震えながら、嗚咽をくいしばる声が、体育館に響いただけでした。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:44:53.68 ID:QDrpG84a0
昨日、デパートのポストカードなどに美しい水彩画と、A君のサインを発見いたしました。
N先生は今、僻地で小学校で校長先生をしております。
先生は教員が少なく、子供達が家から2時間ほどかけて登校しなければならないような
過疎地へ自ら望んで赴任されました。
N先生のお家には、毎年夏にA君から絵が届くそうです。
A君はその後公立中高を経て、美大に進学しました。
お別れ会でのN先生の挨拶が思い浮かびます。
「A君の絵は、ユトリロの絵に似ているんですよ。
みんなはもしかしたら、 見たこと無いかもしれない。
ユトリロっていう、フランスの人でね、街や 風景をたくさん描いた人なんだけど。
空が、綺麗なんだよ。
A君は、その才能の代わりに、他の持ち物がみんなと比べて少ない。
だけど、決して取り戻せない物ではないのです。
そして、A君は それを一生懸命自分のものにしようしています。
これは、簡単なことじゃありません!」
A君は、空を描いた絵を送るそうです。
その空はN先生が作り方を教えた、
美しいエメラルドグリーンだそうです。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:44:18.08 ID:p+xV8pxo0
オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。
いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。
それをばあちゃんに見せては
「ここでモンスターが出るんだよ」
「ここに止まったら三回休み~」
ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。
それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。
やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ
家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。
先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。
遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。
開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。
モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか
妖怪も混じっていたり。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。
最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に
「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」
人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。
ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 01:50:19.83 ID:p+xV8pxo0
5年位前の話
飼ってたネコが死んだ。
超がつくほど溺愛してた。
自分よりネコの方が大切なくらい可愛がってた。
親はたまにネコを叱るけど、俺は叱ることも、もちろん叩いたことなんてなかった。
でも、一度だけ大きな声を出してしまったことがある。
それはドラマを見ている時で、ちょうど良い感じの盛り上がるところ
そこで、ネコがしつこく鳴いて外に出たがった。
だから俺はつい「うるさい!!!」って言ってさっさと外に出した。
その一度だけ。
翌日、学校から帰ってきたらネコが死んでた。
死ぬ前に言った言葉が「うるさい」だなんて泣きたくなった。
あの時、死ぬ姿をオレに見せたくなかったから外に出たがったのだろうか。
ネコに言った最初で最後の不満の言葉。
しばらくは立ち直れなかった。
でもある日、夢にそのネコが出てきて、俺の足に体をすり寄せてきた。
まるで、怒ってないよと言ってくれてるように。
夢から覚めて思った。
「あぁ、この夢は俺の願望なんだろう」と
俺は、それでも涙が止まらなかった。
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:19:23.29 ID:ForkhKm+0
1800年代後半、日本とメキシコの間に国交さえなかった頃。
金星の接近を観測するため日本にやってきたメキシコの観測団は、
日本に観測所を建てる、どころか、どこで観測して良いかも判らないといった状態でした。
とはいえ、わざわざ遠方から学術研究の為に日本に来たメキシコ人。
その使命感に敬意を感じた日本政府は、
当時外国人の居住さえ認められていなかった横浜に観測所を建てることを許可しました。
特例中の特例の扱いに、メキシコの観測隊も感動。
代わりに、日本人実習生をこの観測に受け入れることを申し出ました。
スペイン語どころか、英語すらろくに話せない日本人実習生を、です。
日本もこれにはいたく感動し、快諾。日本人実習生4人が、先進の天文学に触れることになりました。
その後、観測隊の一員であったフランシスコ・ディアスは「日本旅行記」という本を書きました。
「日本国民よ、日本を訪れる外国人との交流が日本の将来に影響ありとするなら、
今後の祖国繁栄を願って、外国人の意見を大いに摂取するがよい。
われわれも絶大な協力を提供しよう。
われわれは日本民族が幸福になる価値が十分にあると信じている。
日本人は品位があり、紳士的で勤勉で、勇敢にしてかつ法に恭順な民族だからである。
私の祖国が将来日本と友好関係を結ぶことを、そしてまた将来日本と同じ位多くの友を得ることを祈念している」
そして、1888年。
欧米列強との不平等条約に頭を悩ませていた日本と、
東洋と国交を開きたいメキシコとの間で「日墨修好通商条約」が結ばれました。
完全な平等条約、アジアを除けば日本にとって初めての平等条約です。
メキシコは、かつての観測における友好を忘れておらず、
数ある東洋の国から、対等なパートナーとして、
まったくの後進国であった日本を選んでくれたのです。
メキシコの駐日大使館は、現在も当時と変わらず東京のど真ん中、永田町にあります。
こんな一等地に、一戸建てのキレイな大使館を構えているのはメキシコだけ。
平等条約締結のお礼として、明治政府がこの土地を提供したからです。
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:40:47.67 ID:XLCiP5TJ0
主人公の祖父がやっている映画館が
ついに閉館することになる。
主人公は彼女と一緒に祖父の手伝いをすることに。
「どうせ誰もこないよ」
主人公の言葉に答える祖父。
「待ってる人もいるんだよ」
館内を掃除するものの一向にお客さんの来る気配はなく、
遂に最後の上映が始まってしまう。
結局、誰一人通らない受付。
だが、主人公達がドアを開くと
館内には一杯の観客が着席していた。
上映が終ると拍手喝采の嵐。
観客は老人ばかりだと気付く主人公達。
その直後、館内を埋めていた筈の観客が消えてしまう。
主人公は、祖父の言う「待ってる人」が誰だったのか分かる。
かつて映画を最大の娯楽としていた、
今はもうこの世に存在しない人々だと……。
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:52:51.01 ID:p+xV8pxo0
俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。
この手の話でよくあるような、「母親がいない事を理由にいじめられる」なんて事も全然なくて、
良い友達に恵まれて、それなりに充実した少年時代だったと思う。
こんな風に片親なのに人並み以上に楽しく毎日を送れていたのは、
やはり他ならぬ父の頑張りがあったからだと今も思う。
あれは俺が小学校に入学してすぐにあった、父母同伴の遠足から帰ってきたときのこと。
父は仕事で忙しいことがわかっていたので、一緒に来られないことを憎んだりはしなかった。
一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれて、寂しくもなかった。
でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんがなぜだかとっても羨ましくなって、
その日仕事から帰ったばかりの父に「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」ってお願いしたんだ。
当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、
「何でうちにはお母さんがいないの」なんてことも父には一度だって聞いたことがなかった。
星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。
でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。
突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。
いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。
同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いたっけ。
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:53:04.99 ID:p+xV8pxo0
それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。
高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて「もういいよ」なんて俺が言っても、
「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。
そんな父も、今年結婚をした。相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。
結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。
でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。
良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。
心からおめでとう。そしてありがとう、お父さん。
203 :父親:2008/10/26(日) 03:09:47.02 ID:vvMQtuBy0
学生時代、書類の手続きで1年半ぶりに実家に帰った時のこと。
本当は泊まる予定だったんだが、次の日に遊ぶ予定が入ってしまったので結局日帰りにしてしまった。
母にサインやら捺印やらをしてもらい、帰ろうとして玄関で靴紐を結んでいると、父が会社から帰ってきた。
口数が少なく、何かにつけて小言や私や母の愚痴を言う父親のことが苦手で、
一緒に居ると息苦しさを感じていたので、父が帰宅する前に帰ってしまいたいということもあり日帰りにし、
ひいては家から通えない距離の学校を選んだのも理由の一つだった。
父が、「なんだお前、泊まるんじゃなかったのか」と訊いたので、
「ちょっと忙しいから」とぶっきらぼうに答えると、
「そうか・・・」と言いながら手に持っていた ドーナツの箱を私に差し出し、
「これやるから、電車の中で食え。道中長いだろうから」と言った。
電車の中ではさすがに食べられないと思いながらも受け取った。
205 :父親:2008/10/26(日) 03:10:10.31 ID:vvMQtuBy0
駅に着くと、電車は行ったばかりのようで人気がなく、30分は待たされるようだった。
小腹が減ったので、父からもらったドーナツの箱を開けた。
3個ずつ3種類入っていた。
家族3人でお茶するつもりだったんだなぁ。 でも、私が9個貰っても食べきれないよ・・・
箱の中を覗き込みながら苦笑した。
その直後。
あぁ、あの人は凄く不器用なだけなんだろうな―。
ふとそう思うと、涙がぼろぼろ出てきた。
様々な感情や思い出が泡のように浮かんでは消えるけど、どれもこれも
切なかったり苦かったりばっかりで。
手持ちのポケットティッシュが無くなっても、ハンカチが洗濯直後の干す前みたいに濡れても涙は止まらなくて、
結局、もう一本あとの電車が来るまで駅のベンチでずっと泣き続けていた・・・。
216 :おばあちゃん:2008/10/26(日) 03:15:29.47 ID:vvMQtuBy0
まだ私が小さい頃、父と母がすでに他界していたため
おばあちゃんが私と兄を育ててくれていたのですが、
遠足などある時はいつもおばあちゃんの手作りお弁当を持って行きました。
でも当時おばあちゃんが作るお弁当はおにぎり2こだったので、
同級生の子達のかわいらしいたくさんおかずが入っているお弁当がうらやましかったんです。
お弁当箱もキティーちゃんとかマイメロディーなどのかわいいお弁当箱なのに、
私だけは銀紙で包んだおにぎり2つだけだったので、おばあちゃんに対して
「こんな変なお弁当つくらないでよ」
「はずかしいからやだ」とはき捨てたり、せっかく作ってくれてもわざと持っていかなかったり。
そんな酷い孫に対して、おばあちゃんは決して叱ったりしませんでした。
219 :おばあちゃん:2008/10/26(日) 03:15:54.57 ID:vvMQtuBy0
そんなある日、1度かわいいスヌーピーのお弁当箱にハンバーグや玉子焼きが入ったお弁当を作ってくれました。
おばあちゃんなりに他の子達はどんなお弁当を作ってもらっているのか一生懸命考えて作ってくれたのです。
おばあちゃんは、「ごめんね、かわいいお弁当っておばあちゃんの時代なかったからわからなかったのよ・・・
これなら恥ずかしくないかねぇ」としわしわのとても暖かな手でお弁当を手渡してくれました。
今思い出すだけで、私はおばあちゃんになんて酷い言葉を吐いていたんだろう、なんて最低な子供だったんだろうと涙が出てきます。
おばあちゃんのおにぎりだって、本当はとってもとってもおいしかったのに、「おいしかったよ」の一言も言わなかった。
本当にこんな酷い孫でごめんねおばあちゃん。
220 :おばあちゃん:2008/10/26(日) 03:16:10.62 ID:vvMQtuBy0
今私は結婚し、子供にも恵まれました。
おばあちゃんに曾孫を抱かしてあげる事ができ、幸せそうなおばあちゃんの優しい笑顔を見ると
これがあの頃の恩返しになればと私も幸せに思います。
うちの子はおばあちゃんの作るおにぎりが大好物なんですよ。もちろん私もです。
ありがとうおばあちゃん。ずっとずっと長生きして下さい。
大好きです。
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 03:46:36.13 ID:QkFDsny50
137 名前:名無しさん@120分待ち 投稿日:02/06/25 03:32 ID:RBNJQkM2
秋もだいぶ深まってまいりました。
ディズニーランドのスタッフの皆様、いつも私たちにステキな夢をありがとうございます。
今月、数年ぶりに主人とディズニーランドに遊びに行かせていただきました。
実はこの日は、一年前に亡くなった私達の娘の誕生日、そして命日でした。
身体がとても弱かったために、生まれて間もなくこの世を去ってしまい、
主人と二人、ずいぶんと長い間、深い哀しみにおりました。
助けてあげられなかったこと、何一つ我が子にしてあげられなかったこと、
いまでも悔やんで仕方ありません。
生まれてきたら、このディズニーランドに連れてきてあげたいという私たちの
夢も果たすこともできず、主人と話し、この日、娘の供養のために来ることがで
きました。
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 03:46:47.08 ID:QkFDsny50
事前にガイドブックを見て、かわいいお子様ランチがあることを知り、
娘に食べさせてあげたいと思い、ワールドバザールにあるイーストサイド・カフェに入りました。
本当は8歳以下でないと注文することができないものでしたが、お店の方に事情を話すと、
快く注文を聞いてくださいました。
そして隣の4人掛けのテーブルに子供用のイスまで用意してくださって、
「3名様、こちらにどうぞ」と席を移してくださったのです。
「本日はよくきてくださいました。ご家族で楽しんでいってくださいね」と、
まるで我が子がここに一緒にいるように私たちをもてなしてくださり、
主人も私も感激で胸がいっぱいになり、涙があふれました。
娘を亡くしてからはじめて、「親子3人でいる」ということを味わわせてくださって、
本当に感謝しております。
娘が生きていてくれたらどんなに幸せだったろうという思いでいっぱいです。
お店の方々にとても親切にしていただき、そしてかわいいお子様ランチも食べることができて、
娘もさぞ喜んでいたと思います。
思いもよらぬ皆様の温かなおもてなしのおかげで、とても良い想い出ができましたし、
娘のためにも、とてもよい供養ができたと思います。
親子3人で楽しいひとときを過ごさせていただきまして、本当にありがとうございました。
あの時のお礼を言いたくて手紙を書かせていただきました。
娘は天国へ行ってしまったけれど、私たちのかけがえのない宝です。
これからも愛し続け、一生ずっと一緒に生きて行こうと思います。
また娘を連れて遊びに行かせていただきます。
ステキな夢を見れる日を楽しみにしています。
スタッフの皆様、日ごとに寒さが加わってまいりますので、お体を大切に、
これからも私たちのために頑張って下さい。
では、さようなら。
260 :おとうさん:2008/10/26(日) 03:47:49.47 ID:vvMQtuBy0
去年3月に定年を迎えたお父さんにお兄ちゃんと私で携帯電話をプレゼント。
退職前は携帯などいらんと言っていたがうれしそうだった。
使い方に悪戦苦闘の父に一通り教えてまずメールを送ったが
返事はこなかった。
その6月に脳出血で孫の顔も見ずに突然の死。
40年働き続けてホッとしたのはたったの2ヶ月。
葬式後父の携帯に未送信のこのメールを発見した。
最初で最期の私宛のメール。
私は泣きながら送信ボタンを押した。
「お前からのメールがやっと見られた。
返事に何日もかかっている。
お父さんは4月からは毎日が日曜日だ。
孫が生まれたら毎日子守してやる。」
私の一生の保護メールです。
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 03:49:59.17 ID:nEvCwCy20
534 名前: 素敵な旦那様 [sage] 投稿日: 2006/07/02(日) 19:21:20
普段俺のことをバカにしまくってるドーベルマンのロッキー
しかし小学生のとき、ロッキーは俺を助けてくれた
当時お袋の実家に帰省していたとき、近所のデカい川にロッキーと一緒に
遊びにいったんだが、川の石を渡って真ん中までたどり着いたとき、
足元のコケに滑らせて転落してしまった
落ちた場所はギリギリ足が着く深さだったんだが、流されるうちに深い場所に
いってしまい、パニくった俺は泳ぐことも忘れ溺れていった
釣り人はもっと上流の方に行かないといないし、道路からも遠いので
溺れながらも必死で叫んでも、誰も来ない状況
しかも川の水は冷たく、段々力が抜けていって、死を覚悟し始めた頃、
目の前にロッキーがいて、俺のシャツを噛んで川の岸に運んでくれた
正直ロッキーが来るのはありえないと思ってた
だって俺はロッキーが逃げないようにリードを階段の手すりに結んでいたから
どうやってロッキーは来れたんだろうって思って水を吐いて落ち着いてから
ロッキーを見ると、リードが噛み千切られていた
首からも余程暴れたのか血が出ていて、こんなに必死になって俺のことを
助けてくれたのかと思うと、小学生ながらも感動して、号泣した
それ以来ロッキーは俺のヒーロー
もしロッキーに何かがあったら次は俺が助けてやりたいと思う
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:06:00.15 ID:dNEoLRlT0
808 :優しい名無しさん :05/01/08 03:21:08 ID:GsRwVY8Q
わたしがひとりで大泣きしていたときのこと。
普段はひとりきままに過ごしてるウチの猫が傍に寄って来て泣きじゃくるあたしをじっと眺めてた。
それにあたしがふと気がつくと彼女はゆっくりとあたしに近づき手の甲に落ちた涙を舐め出した。
いつもは抱っこしても嫌がってすりぬけていくくせに。あたしは嬉しくてまた泣き出した。そのあと彼女はまたどこかへ行った。
それでも嬉しかった。
今はもう天国に行っちゃったけど、彼女が付けてた鈴はここにあって、彼女の温もりもこの手にある。
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:09:30.38 ID:dNEoLRlT0
113 :おさかなくわえた名無しさん :03/03/23 10:13 ID:fwqwvAzs
ずいぶん前の話しだけど、
第一志望の大学の受験中、緊張しすぎた私は鼻血を吹いてしまった。
「退室になるかも…!」って恐怖に怯えた俺は、恥も外聞も捨て両手で
鼻血をぬぐっていた。両手血まみれになりながら。
そうしたら、試験監が後ろを向いた隙に隣に座ってた人が、
ピシッ、とティッシュをニ枚滑らせてくれた。
そのティッシュには、
「イ マ ダ ! ガ ン バ レ」
と、と鉛筆で書いてあった。
試験の後さんざん言ったけど、いいたりない。ありがとう。名前もきけなかったけど。
俺はやっぱり落ちちゃったけど、君はきっと受かったね。
俺も受かってたら、友達になりたかったよ。
290 :むすめ:2008/10/26(日) 04:18:27.62 ID:vvMQtuBy0
3歳になる娘が、突然字を教えてほしいといってきた・・・。
どうせすぐ飽きるだろうと思いつつも、毎晩教えていた。
ある日、娘の通っている保育園の先生から電話があった。
「○○ちゃんから、神様に手紙を届けてほしいって言われたんです」
こっそりと中を読んでみたら、
「いいこにするので、ぱぱをかえしてください。おねがいします」
と書いてあったそうだ。
旦那は去年、交通事故で他界した。
字を覚えたかったのは、神様に手紙を書くためだったんだ・・・
受話器を持ったまま、私も先生も泣いてしまった。
「もう少ししたら、パパ戻って来るんだよ~」
最近、娘が明るい声を出す意味がこれでやっとつながった。
娘の心と、写真にしか残っていない旦那を思って涙が止まらない・・・。
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:22:19.92 ID:dNEoLRlT0
親父の手話
俺には母親がいない。 俺を生んですぐに死んでしまったらしい。
生まれたときから耳が聞こえなかった俺は物心ついた時にはもうすでに
簡単な手話を使っていた。
耳が聞こえない事で俺はずいぶん苦労した。
普通の学校には行けず、障害者用の学校で学童期を過ごしたわけだが、
片親だったこともあってか近所の子供に馬鹿にされた。
耳が聞こえないから何を言われたか覚えていない( というか知らない )。
が、あの見下すような馬鹿にしたような顔は今も忘れられない。
その時は自分がなぜこんな目にあうのかわからなかったが、
やがて障害者であるということがその理由だとわかると俺は塞ぎ込み、思春期
の多くを家の中で過ごした。
自分に何の非もなく、不幸な目にあうのが悔しくて仕方がなかった。
だから俺は親父を憎んだ。そして死んだ母親すら憎んだ。
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:24:03.11 ID:dNEoLRlT0
なぜこんな身体に生んだのか。なぜ普通の人生を俺にくれなかったのか。
手話では到底表しきれない想いを、暴力に変えて叫んだ。
ときおり爆発する俺の気持ちを前に、父は抵抗せず、ただただ、涙を流し 「 すま
ない 」と手話で言い続けていた。
その時の俺は何もやる気がおきず、荒んだ生活をしていたと思う。
そんな生活の中での唯一の理解者が俺の主治医だった。
俺が生まれた後、耳が聞こえないとわかった時から、ずっと診てくれた先生だった。
俺にとってはもう一人の親だった。
何度も悩み相談にのってくれた。俺が父親を傷つけてしまった時も、優しい目で
何も言わず聞いてくれた。
仕方がないとも、そういう時もあるとも、そんな事をしては駄目だとも言わず、咎め
る(とがめる)事も、慰める事もせず聞いてくれる先生が大好きだった。
そんなある日、どうしようもなく傷つく事があって、泣いても泣ききれない、悔しくて
どうしようもない出来事があった。
内容は書けないが、俺はまた先生の所に行って相談した。
長い愚痴のような相談の途中、多分 「 死にたい 」 という事を手話で表した時だと
思う。 先生は急に怒り出し、俺の頬をおもいっきり殴った。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:26:01.67 ID:dNEoLRlT0
俺はビックリしたが、先生の方を向くと、さらに驚いた。
先生は泣いていた。
そして俺を殴ったその震える手で、静かに話し始めた。
ある日、俺の親父が赤ん坊の俺を抱えて先生の所へやってきたこと。
検査結果は最悪で、俺の耳が一生聞こえないだろう事を父親に伝えたこと。
俺の父親がすごい剣幕でどうにかならないかと詰め寄ってきたこと。
そして次の言葉は俺に衝撃を与えた。
「 君は不思議に思わなかったのかい。
君が物心ついた時には、もう手話を使えていた事を。 」
たしかにそうだった。俺は特別に手話を習った覚えはない。
じゃあ、なぜ・・・
「 君の父親は僕にこう言ったんだ。
『声と同じように僕が手話を使えば、この子は普通の生活を送れますか』
驚いたよ。 確かにそうすればその子は、声と同じように手話を使えるようになるだろう。
小さい頃からの聴覚障害はそれだけで知能発達の障害になり得る。 だが声と同じよう
に手話が使えるのなら、もしかしたら・・・
でも決してそれは簡単な事じゃない。 その為には今から両親が手話を普通に使える
ようにならなきゃいけない。
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:26:56.40 ID:dNEoLRlT0
健常人が手話を普通の会話並みに使えるようになるのに数年かかる。
全てを投げ捨てて手話の勉強に専念したとしても、とても間に合わない。
不可能だ。 僕はそう伝えた。
その無謀な挑戦の結果は君が一番よく知ってるはずだ。
君の父親はね、何よりも君の幸せを願っているんだよ。
だから死にたいなんて、言っちゃ駄目だ。 」
聞きながら涙が止まらなかった。父さんはその時していた仕事を捨てて、俺のために手話
を勉強したのだ。
俺はそんな事知らずに、たいした収入もない父親を馬鹿にしたこともある。
俺が間違っていた。 父さんは誰よりも俺の苦しみを知っていた。
誰よりも俺の悲しみを知っていた。
そして誰よりも俺の幸せを願っていた。
濡れる頬をぬぐう事もせず俺は泣き続けた。
そして父さんに暴力をふるった自分自身を憎んだ。
なんて馬鹿なことをしたのだろう。 あの人は俺の親なのだ。
耳が聞こえないことに負けたくない。 父さんが負けなかったように。
幸せになろう。 そう心に決めた。
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:27:51.49 ID:dNEoLRlT0
今、俺は手話を教える仕事をしている。
そして春には結婚も決まった。俺の障害を理解してくれた上で愛してくれる最高の人だ。
父さんに紹介すると、母さんに報告しなきゃなと言って父さんは笑った。
でも遺影に向かい、線香をあげる父さんの肩は震えていた。
そして遺影を見たまま話し始めた。
俺の障害は先天的なものではなく、事故によるものだったらしい。
俺を連れて歩いていた両親に、居眠り運転の車が突っ込んだそうだ。
運良く父さんは軽傷ですんだが、母さんと俺はひどい状態だった。
俺は何とか一命を取り留めたが、母さんは回復せず死んでしまったらしい。
母さんは死ぬ間際、父さんに遺言を残した。
「私の分までこの子を幸せにしてあげてね。」
父さんは強くうなずいて、約束した。 でもしばらくして俺に異常が見つかった。
「あせったよ。 お前が普通の人生を歩めないんじゃないかって
約束を守れないんじゃないかってなぁ。 でもこれでようやく、
約束果たせたかなぁ。 なぁ・・・ 母さん。」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 04:57:59.26 ID:0onss2/K0
夏休みに自転車でどこまでいけるかと小旅行。計画も、地図も、お金も、何も持たずに。
国道をただひたすら進んでいた。途中大きな下り坂があって自転車はひとりでに進む。
ペダルを漕がなくても。何もしなくても。
ただ、ただ気持ちよかった。自分は今、世界一早いんじゃないかと思った。
子供心に凄く遠いところまできた事を知り、一同感動。滝のような汗と青空の下の笑顔。
しかし、帰り道が解からず途方に暮れる。不安になる。怖くなる。いらいらする。
当然けんかになっちゃった。泣いてね~よ。と全員赤い鼻して、目を腫らして強がってこぼした涙。
交番で道を聞いて帰った頃にはもう晩御飯の時間も過ぎてるわ、親には叱られるは、
蚊には指されてるわ、自転車は汚れるわ。
でも次の日には全員復活。瞬時に楽しい思い出になってしまう。絵日記の1ページになっていた。
今大人になってあの大きな下り坂を電車の窓から見下ろす。
家から電車でたかだか10個目くらい。
子供の頃感じたほど、大きくも長くもない下り坂。
でもあの時はこの坂は果てしなく長く、大きかった。永遠だと思えるほどに。
今もあの坂を自転車で滑り落ちる子供達がいる。楽しそうに嬌声を上げながら。
彼らもいつの日にか思うのだろうか。
今、大人になってどれだけお金や時間を使って遊んでも、
あの大きな坂を下っていた時の楽しさは、もう二度とは味わえないと。
もう二度と、友達と笑いながらあの坂を、自転車で下る事はないだろうと。
あんなにバカで、下らなくて、無鉄砲で、楽しかった事はもう二度とないだろうと。
336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:05:41.20 ID:zTvWImbZ0
最初って涙なんか出なかった。
親戚や友達に連絡して、それはもう事務的にお通夜とかの準備をしなければいけなくて。
涙を流す暇がないっていうのかな。
オヤジも姉ちゃんも、同じように忙しくて悲しみにひたる余裕はないって感じでした。
忙しさに追われたから、俺は今日の一日を冷静でいれたのかも。
一度、家に帰ってくる時に三人で夕飯食べたんだ。ハンバーグ食べた。
オヤジが、「うまくないなぁ…か…」
って、言葉詰まらせてイキナリ泣き出したんだ。子供みたいに。
俺はすぐ分かった。
その、「か…」の後に続けようとした言葉がすぐに分かった。
オヤジと母さんはよく食べ歩きが好きで、うまい店があると家族サービスとかいっては
よく連れて行ってくれてたんだよ、俺と姉ちゃんを。
オヤジは「うまくないなぁ、母さん」って
いつもの癖でついつい言ってしまうところだったんだろうね。
俺は黙ってた。姉ちゃんも黙ってた。
俺は泣かなかった。泣けなかった。黙って食べてた。
何かしゃべったら俺も崩れてた。
今日の夕方もむしむしと暑くて、地元のスーパーはいつも通りにぎわっててさ…思わず寄ったよ。
特売のトウモロコシと枝豆売り場には主婦が沢山いてね
その中に母さんいるんじゃないかって、バカげた子供みたいな考えに変な期待持っちゃって。
「アツシ、トウモロコシ買ってきたから茹でてあげるからね~ッ!」
って、一昨年の夏みたいに、笑う母さんの顔が見たかった。
こんなクソ暑い夏に、リビングで寝っ転がりながらトウモロコシを食う俺の行儀悪さをうるさく言う母さんの声が聞きたかった。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:30:26.14 ID:dNEoLRlT0
149 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/06(日) 04:04
ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした。トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、
こっそりジェリーの前から姿を消しました。ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、
ジェリーにはよくはわかりませんでした。トムの願い通り、ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
(続く)
367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:30:53.73 ID:dNEoLRlT0
そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。トムよりのろまで体も小さい猫です。喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、
今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。そこでジェリーは、穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、
その猫に罠をかけることにしました。いつもトムにしていたように。
ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。
ジェリーはしめしめと思いました。いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。
うふふ。手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
でも、その猫はトムではありません。猫はチーズの近くまで来たとき、ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき、
目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが、
トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい、体をガブリと噛まれました。ジェリーも噛みつき返しましたが、
トムより体が小さいはずの猫は平気です。
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で、本当は鼠が猫と喧嘩して勝てるわけがないことと、いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして、
わざとジェリーを捕まえないでいたことを、そのとき始めて知ったのです。トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。
そしてトムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。かけがえのない友を無くした悲しみでした。
ジェリーの魂が体を抜けた時、空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。
「また喧嘩ができるね」
「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ」
368 :一生愛してるよ:2008/10/26(日) 05:32:48.72 ID:vvMQtuBy0
36 :素敵な旦那様 :05/10/02 07:58:47
結婚相手には経済力が一番重要だとか
旦那に内緒で豪華なランチを楽しむ
なんて話を聞きますが・・・
昨日の夜、嫁の日記をこっそり盗み読みしたんです。
いつも昼飯は、納豆ご飯やお茶漬けしか食べてないってことがわかった・・・。
友達とファミレスに行くのも月に一度と決めているらしい。
俺に美味しい料理を食べさせたいからみたいな意味のことが
書いてあった・・・。
昼飯けずって夕飯にまわすって。
しかも、すげー明るく書いてあんの。
「今日は○ちゃん(俺)の好きな牡蠣を買うのだあ~」とかさ・・・。
369 :一生愛してるよ:2008/10/26(日) 05:33:36.47 ID:vvMQtuBy0
俺の文句とかも書いてあるけど、文句書いてるくせに最後は俺を庇ったこと書いてるし。
マジで泣いた。
もっと俺に甲斐性があれば昼から寿司でもなんでも食わせてやるんだけどな。
給料少ないのに専業で居てくれって言ったの俺だし。
金のことで責められたこと一度もないし(タバコ減らせとは言われるが)
節約も楽しいよーとか言ってたし。
盗み読みは良くないことだが、結婚してよかったってつくづく思った。
こんなに俺につくしてくれたのって親以外で初めてだし。
何もしてやれんから、浮気だけはしないと誓うよ。ま、浮気しようにももてないからできない俺だがな。
きょうこ!大好きだ!一生愛してるよ!
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:38:27.85 ID:dNEoLRlT0
834 名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/10/24(水) 19:23:00
Λ,,Λ
(´・ω・)
.c(,_uuノ
おかーさん。なんでボクだけ、ハダカんぼうやったん?
おかーさん。なんでボクだけ、シッポついてたん?
おかーさん。なんでボクだけ、おててつかんとあるけへんかったん?
おかーさん。なんでボクだけ、つくえでゴハンだべられへんかったん?
おかーさん。なんでボクだけ、みんなとオシャベリでけへんかったん?
おかーさん・・・。なんでボクだけ、さきにしんでしまうん・・・?
383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:47:22.77 ID:dNEoLRlT0
512 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/09/24(水) 01:41:47
嫁は妊娠中。もうすぐ八か月。
西日の部屋で、ソファに座ってお腹を撫でてる嫁を見てたら、なんとなく言いたくなって
後ろから抱き締めて「愛してる」って言った。
ただ、俺の嫁、ろう者なのね。なんも聞こえないの。わかんないの。
わかんないはずなの。
でも、嫁、振り返って
手話で
《わたしも》
って言ってくれた。
俺、明日もがんばれるわ。
457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 08:10:14.03 ID:dNEoLRlT0
71 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:04/10/06 20:55:44 ID:4utVLvO1
私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。
誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過ぎて近寄りにくい雰囲気がありました。
そんな課長の机の上には奥さん、子供四人と写った写真が飾られてて、
「あの朴念仁でも家族は愛してるんだな」と微笑ましく思ったものです。
何年経っても同じ写真が飾ってあったので、理由を聞いてみたら、
「一番かわいかった頃の写真だからね」と照れ笑いを浮かべながら答えてくださいました。
それが私の見た唯一の課長の笑顔でした。
そんな真面目一徹、入社以来無遅刻無欠勤の課長が三日続けて無断欠勤。
家に電話しても誰も出ず、親族の連絡先も分からなかったので、
部長が直接課長のマンションを訪ね、管理人さんにお願いしてドアを開けていただきました。
課長は玄関で倒れていて、既に冷たくなっていました。急性心不全だったそうです。
部長が管理人さんに課長の家族がいつ戻ってくるか聞くと、「○○さんには家族はいないですよ」という返事。
あわてて人事部の資料をほじくり返すと、確かに課長には家族がいません。
課長は10年前に中途入社した人なので、それ以前に家族に逃げられていて、
写真を見て幸せだった時代を懐かしんでいたんだと思い、少し悲しくなりました。
結局、課長の葬儀にも家族も親族も顔を出さず、血縁の人たちの冷たさにもっと悲しくなりました。
後日墓参りに行くと、立派なお墓が立っていました。死んでやっと家族と和解できて、
立派なお墓を立ててもらえたのかと安心して墓石を見てみると、愕然としました。
お墓は古びていて、課長と同じ名字の名前が墓誌にいくつも彫ってありました。
課長以外は全員十数年前の同じ日に亡くなっていました。
家族を一度に亡くしてからの十数年の歳月を、彼はどんな気持ちで過ごしていたんでしょうか?
二度と会えない家族の写真をどんな思いで毎日眺めていたんでしょうか?
人を遠ざけ、自分のことを決して語らなかった課長の姿を思い出し、涙が止まりませんでした。
463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 08:42:57.09 ID:QkFDsny50
寝れない…
一昨日、姪が5歳の誕生日を迎えた。
毎年姪の誕生日には決まって実家近くの居酒屋で誕生会をしている。
そこは姪の誕生を一番心待ちにし、残念ながら姪をその腕に抱くことなく逝ってしまった俺の親父の行きつけの店だ。
親父はいまどき珍しいほどの職人気質を絵に描いたような古風な男だった。
無口で厳格で特に俺にとってはこわい父親だった。
俺たち兄妹が幼い頃、たまの休みに遊びに連れていってくれたデパートの屋上で乗り物に乗った俺たちが「お父さん!」と手を振っても、照れくさそうに口をへの字に曲げて不細工な笑顔を作るような、愛情表現の不得手な親父だった。
妹が産婦人科の医師からおめでたを告げられたその翌日、
酒の飲みすぎで体を壊していた親父は5年間断っていた酒を飲むために、以前行きつけだった居酒屋に入ったらしい。
そこでいい加減酔って気分良くなった親父は帰り道、あと家まで100メートルくらいというところで事故に遭い、すぐに病院に運ばれたがそのまま他界した。
事故に遭って道路に横たわった親父は、純綿のフリルのついたおくるみが入った、綺麗に包装された 箱を大事そうにかかえていたそうだ。
464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 08:43:17.24 ID:QkFDsny50
親父の葬儀のとき、最後に会ったことを因果に感じてか居酒屋の大将が弔問してくれたので、その数日後、俺はお礼がてら居酒屋へ初めて入った。
長い付き合いだけあって、大将は俺たちの知らない親父の一面をよく知っていた。
意外だったが、俺のことも自慢げによく話していたという。
なにより大将の話の中で一番印象に残ったのは妹の体のことだった。
妹はかつて、卵子が通る卵管というところに問題があり、産婦人科からも通常の妊娠はまず難しいだろうとの見解を示されていた。
その事実を知った父親は、俺たちの前では「まぁ、子供を産むことだけが人生じゃない。旦那と2人で幸せに生きていくってのも人生のひとつの在り方だろう。」と半ばぶっきらぼうに言っていた。
しかし、大将の前では違っていたと言う。
飲みすぎを気遣う大将の静止も聞かず酒をあおり、「あの子が何をしたっていうんだ!俺の娘には親になる資格がないっていうのか!」とひどい荒れ様だったというのだ。
その後、長い不妊治療の末、妹がようやく妊娠できたことを知った親父は、それでも俺たちの前では「良かったな。」と口をへの字にした不細工な笑顔で言った程度だった。
そして最期の夜。ずいぶん久しぶりに大将に会った親父は、すこぶるご機嫌だったらしい。
15分に一度おくるみの入った箱を目の前に突き出し、「こいつでくるんだ孫をもうすぐ抱っこしてやれるんだ」と繰り返し言っては目じりを下げ、酒を飲んでいたようだ。
店を出るときに足元のおぼつかない親父に「だいじょうぶか?」と声をかけると、「だいじょうぶだよ!俺はもうすぐおじいちゃんになるんだから!」と理由ともつかないことを言っていたらしい。
俺は久しぶりに人前で泣いた。
別に『男は人前で涙を見せるもんじゃない』という親父の教えを頑なに守っていたわけではないのだが、大将の話を聞いて本当に久しぶりに人前で泣いた。
本当に不器用だったんだなと思う。
照れ屋だったのかもしれない。
俺も親父の愛情を読み取れるほど勘がいいわけでも器用でもなかった。
そして来月、俺もようやく親になる。
親父のように愛情をたっぷりと注げる父親になりたい。
できればもっと上手くその愛情を示したいけど。
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 11:12:20.84 ID:dNEoLRlT0
458 名前:ななしのいるせいかつ[] 投稿日:2007/03/17(土) 14:36:24
老人ホームで実習した時の話。
そこは認知症のおじいちゃんおばあちゃんばかりの所で、
5分前に話した話は覚えてない、1ヶ月居ても私の顔は覚えてくれない。
かなしいな、とは思いつつも精一杯介護させていただいた。
1ヶ月の実習が終わっていよいよ最後の日。
一人一人に挨拶をして回る私。
すると、かなり重い認知症を患ったおばあちゃんが目いっぱいに涙溜めて
「あの時はありがとう。怪我した小指に絆創膏貼ってくれたね」
ってそう言って抱きしめてくれた。
その後、聴いたことも無いメロディーに乗せて涙ポロポロ流しながら
「別れは辛いけどあなたに会えてよかった。」と歌ってくれた。
あんなに泣いたのはいつ振りだろうってくらいに声を上げて泣いたよ。
501 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 11:17:15.12 ID:dNEoLRlT0
93 大人になった名無しさん 2006/11/10(金) 00:22:56
死んだ親父はよく食いに連れてってくれたな
うまいんだけど、親父は食うのが早くて、
食い終わるとじっと怒ったよな顔でオレが食べるのを見てた。
「早く食え」って言ってるみたいでちょっとヤだった。
こないだ初めて子供とラーメン屋に言ったら、やけにおいしかったらしく
ガツガツ食うわ、あせって水飲むし、ちっこい手で丼つかんでスープ飲んでハァハァいってる
可愛かった
そしたら「ねぇなんでじっと見てるん?怒ってる?」
オヤジ・・・・
519 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 12:32:10.66 ID:dNEoLRlT0
ちょっと泣けた夜だったんで書いてみます。
今日は結婚記念日でカミさんと外食した。
レストランはそこそこに混んでいてガヤガヤうるさかった。
特に隣の家族がうるさくって、カミさんとちょっと顔を見合わせて苦笑いをしたぐらいだった。
父親が子供にいろいろ質問しては笑い、っていうのがえんえん続いてこっちもうんざりしてた。
しかも、その父親がやたらと大きく咳き込むので実際鬱陶しかった。
しばらくすると、ウチのカミさんがその家族の父親を見て、「ちょっとあのお父さん見て」と言うので、見つめるのも失礼なので向いの鏡 越しに彼の後姿をみてみた。
咳き込むたびにハンカチを口に当てていて、それをポケットにしまうのが見えた。
ハンカチは血だらけだった。咳き込んだあとは赤ワインを口に含んで子供たちにばれないよう大声で笑いごまかしていた。
向いに座っていた彼の奥さんは笑っていたが、今にも泣きそうな顔をしていた。
奥さんはどうやら事情を知っているみたいだった。その父親が何らかの重い病気なのは明らかだった。
うちのカミさんはちょっともらい涙していた。
帰りに俺は無神経にも「今日はなんか暗い結婚記念日になっちゃったな。台無しだよな」とカミさんにいった。
カミさんはちょっと沈黙を置いて、
「かっこよかったじゃんあのお父さん。ああいうお父さんになってね」
って涙声で俺に言った。俺もちょっと泣いた。
226 :かーちゃん :2008/10/26(日) 03:21:47.24 ID:vvMQtuBy0
俺が小学校に上がる前に離婚し、母は女手1つで俺を育ててくれた。
父と結婚する前仕事らしい仕事もしたことがなかった母は
お弁当屋の調理やコンビニエンスストアのレジなどのパート勤務で生計を立てていた。
当然家は貧しく、俺は高校を卒業したものの、バブルがはじけ最悪の不景気で、就職もできず家でぶらぶらしてばかりいた。
そんな俺に母親は「そのうちいい仕事が見つかるよ^^」と独り言のように呟いては無理に明るく笑いかけていた。
ある日、母は「パソコンぐらい使えないと就職も難しいのかね?パソコン買おうか?」と言い、俺を電器屋に連れていった。
パソコンのことは何も知らない母と俺は店員に勧められたパソコンを買い
インターネット接続の作業も頼んで店を後にした。
帰るとき母親は「25万円かー、こんな大金を使うのは父さんが死んで初めてだねw」と笑った。
228 :かーちゃん その3:2008/10/26(日) 03:24:30.93 ID:vvMQtuBy0
新たに増えた月々15000円のローン返済のために母は、パートを増やし夜遅くまで働くようになった。
俺の方は無料で遊べるネットゲームを見つけ、その面白さに魅せられ、来る日も来る日もひたすらネトゲばかりしていた。
いつもパソコンに向かっている俺を、パソコンの学習と思い込んだ母親は「パソコン上手になった?いい仕事が見つかるといいね」と
言っては笑ってた。毎日働きづめの母親の笑い顔はどこか疲れていて
俺はその笑顔を見るとゲームばかりやっている自分が情けなくなった。
そんなある日、母の仕事先から電話があった。
母が倒れて救急車で病院に運ばれたとのことだった。俺は急いで病院に向かった。
ボロボロの自転車を1時間あまりこぎ続けて、ようやく病院に着いた。
心配している俺に向かって母親はベッドから起き上がり、「ただの過労だよ。」と笑った。
「自転車で来たの?ここまで来るの大変だったでしょ?パソコン上手になって
いい仕事が見つかったら新しい自動車も買えるからね。」と言いながら、細い腕を伸ばして汗だくの俺の額をタオルで拭いてくれた。
229 :かーちゃん その3:2008/10/26(日) 03:25:25.30 ID:vvMQtuBy0
病院まで遠いこともあって、俺はそれ以降は病院に行かずに、
母親の世話は近所のおばさんに任せっぱなしにして、母のことを気がかりになっていたもの
相変わらずゲームにのめりこんでいた。
母が入院して5日後、病院から精密検査の結果をお伝えしますからという電話があり、俺はボロボロの自転車で向かった。
5日ぶりに会った母親はいよいよ元気がなく、俺は妙な不安を覚えた。母親との面会の後、診療時間を過ぎた診察室に通らされた
俺は、担当の医師から母親が急性白血病であと3ヶ月あまりの余命だということを聞かされた。
頭の中が真っ白になった。母親に負担をかけっぱなしで、最近は母親の期待を裏切って
ゲームばかりしている自分が情けなくて、馬鹿すぎて、涙がこみあげてきた。
医師は「患者さんに動揺を察しられるといけませんから今日はこのまま帰った方がいいでしょう」と言われ
母になにもつげずに家路に着いた
俺はずっと泣きながら自転車をこいだ。
230 :かーちゃん その3:2008/10/26(日) 03:25:57.18 ID:vvMQtuBy0
家に着くと俺はすぐにRMTで自分のアカウントやアイテムを全部売りに出した。
かなりの安値なのですぐに買い手は見つかった。
翌日、自分のちっぽけな郵便預金口座から振り込まれた8万円を引き出し、
母が大好きなチーズケーキと生クリームがのったプリンをケーキ屋で買い綺麗に包装をしてもらい
病室を訪れた。
日に日に日やつれていく母はチーズケーキを見ると驚いて「お金はどうしたの?」とたずねた。
「ネットのパソコンのバイトで8万円ほど手に入ったから」と俺は嘘をついた。
母は心から嬉しそうににっこり笑って「パソコン上手になったからいい仕事が見つかったんだね、がんばってね^^」と言った。
「自転車もいいの買えるね、あとは自動車の免許をとって車を買うのに無駄遣いはしないでね」と続けて言い、おいしそうにプリンを食べた。
自分の体が日に日にやつれていくのに「体は大丈夫?ちゃんとご飯食べてる?風邪ひいてない?」
と俺の心配ばかりしてくれた。
232 :かーちゃん その3:2008/10/26(日) 03:27:09.28 ID:vvMQtuBy0
入院してから2ヶ月ほどが過ぎた日の朝、いよいよ母はきびしくなった。
朝すぐに病院から呼び出され俺がかけつけると、苦しそうにハアハアと息をする母がいた。
かけつけてからずっと母の手を握り締めた。
たまに薄く目を開け俺に何か言いたそうにするのだが、聞けることはなかった。
ただずっと泣いてばかりの俺の手を母は、優しくさすってくれた
死ぬ間際だというのに、すっげー苦しいそうなのに、泣いてる俺を励まそうとしてくれた・・・
その日の午後、母は俺の手を握りながら息を引き取った
母の遺体が安置室に運ばれ、がらんとした病室で小物類を片付けていると、看護婦さんが俺を慰めようと優しく声をかけた。
「パソコン得意なんですってね、お母さんは毎日のように自慢してたわ」
俺はその言葉を聞くやいなや涙がこみ上げてきた。そして体を震わせて大声を上げて看護婦さんの前で泣き続けた・・・・・・・
363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 05:27:23.27 ID:QDrpG84a0
906 :Mr.名無しさん :04/09/21 16:06:37
もし、貴方の命で死の床に伏した母を救えるとしたら、どうしますか?
と聞いてきた友達がいたんだがどうだろうか?
自分の命を捧げてまで母を助けられるのだろうか?
908 :Mr.名無しさん :04/09/21 16:20:53
>>906
たった今リアルにカーチャンに聞いたところ
「どの世界に子供の命を引き換えに長生きしたいなんて母親がいる?」
と真正面から顔を見てハッキリ言われた。
鳥肌が立った。
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/26(日) 02:51:36.02 ID:9q0GF3eP0
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「ほんとにフリーザぶっ倒してくれるの!?」 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::... ヽヘ;;. 人丿ス :: ::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::;;;;
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「今日はお前の誕生日だろ?」 ;;;;:;,:.:;;;;;;;;;;;;:::. __ ('∀`)_/ ∪レ..... 弋| :::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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「・・・カーチャン戦闘力あるの!?5000じゃ殺されるよ!?」 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,:.. (∨ヘ |....|: .) .:::;;,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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「カーチャンいっぱい修行したからね、6500くらいあるからたぶん勝てるよ」 、 ._ _.:;~⌒^^⌒⌒´⌒` ̄ ̄ ....::,...⌒~^⌒
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