「AIが先進国と途上国の格差拡大も」、国連開発計画が警告

「AIが先進国と途上国の格差拡大も」、国連開発計画が警告
ニューヨークの国連本部で9月撮影。REUTERS/Jeenah Moon
[ジュネーブ 2日 ロイター] - 国連開発計画(UNDP)は2日に発表した報告書で、人工知能(AI)が先進国と発展途上国の格差を拡大させる可能性があるとし、影響を抑制する政策措置を求めた。
「次なる大きな乖離:AIが国家間格差を拡大し得る理由」と題された報告書は、経済パフォーマンス、人々のスキルセット、統治システムの面で、国家間に大きな差異が生じる可能性があると警告。
UNDPアジア太平洋地域担当のチーフエコノミスト、フィリップ・シェレケンス氏はジュネーブで記者会見し、「過去50年間の収れんの後、AIは国家間格差拡大の新たな時代を告げていると考える」と述べた。
報告書は、これまで貿易、技術、開発が国家間の格差縮小に貢献し、所得、健康、教育の面で大きな進歩をもたらしたが、これらの進歩が今、損なわれる危険があると指摘。
シェレケンス氏は、最終的に貧困国がAIによって取り残されれば、より裕福な国々も苦しむことになると予想。「格差が拡大し続ければ、安全保障上の課題や不法移民といった面での波及効果もさらに深刻化するだろう」と述べた。

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