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沖縄県立中部病院クラスターにおける感染症専門家高山義浩の責任

 学術誌投稿を図っていたのでブログ更新できませんでした。2021年(以下記載せず)6/30沖縄県議会質問から沖縄県立中部病院クラスターが問題になっています。5/24-6/17患者職員51人感染、県内最多死者17 人です。論議が正しく進むよう急いで整理しました。
 要点1、発端患者は細菌感染症と診断で5/12入院、入院前PCR検査をせず。それまで、感染症専門家高山義浩はどういう指導を自分の勤務する病院でしていたのか?
 要点2、経過見れば、正式な公表が遅れたのは高山の責任大きいが、県立病院クラスターの公表はどうあるべき?
今回改善したというのは他に比べとても遅れており、高山に疑問。経営体力が民間病院より有利な県立病院はクラスター発生公表を積極的に行い他への警鐘となるべき。  【 】内は当方追加。

経過
 発端となった患者は細菌感染症と診断で5/12入院。入院前PCR検査を受けておらず、マスクをせずにリハビリ目的で病室外を歩き回っていた。その後、この病棟をコロナ対応病棟に転換することになり、患者たちを他の病棟に分散させ、5/24に患者のコロナ感染が判明。結果として他の病棟に感染が広がった。クラスターは5/24から6/17に発生。感染者は患者職員計21人、県内最多死者17人。【7/2沖縄タイムス】
 6/1に県病院事業局から会見は時期尚早という連絡があったという。【7/3 新報】。【県病院事業総務課】中矢代真美【医療企画監】は7/1病院会見後、報道陣質問に、クラスターと判断できないため6/1の会見の見送りを指示。専門家【高山義浩】の意見を基に「公表する基準がない」と病院側に説明したが、会見中止を指示していないという。【7/2新報】 
 6/3、県が施設名を伏せた上で「うるま市の医療機関で5人のクラスターが発生した」と発表。病院は6/10にホームページでクラスター発生公表。その後の感染拡大については6/30県議会で質問されるまで公表していなかった。【7/2朝日】【結果的に中部病院は7/1まで会見せず】
 その後、6/7に同局から同意を得て、病院は6/11にオンライン会見することを決めた。しかし、県から前日6/10、会見を取りやめるように連絡があったという。【7/2新報】 
 県病院事業局は7/2、中部病院に送ったメールを公開【7/3沖縄タイムス】2021-07-02県公開メール
 我那覇局長は6/10、中部病院の診療制限と感染者数(6/8、41人)資料を謝花喜一郎副知事に提出。【7/3新報】
 6/10、高山は出席し意見を述べた【高山FB】。その後、県は公表基準を策定する手続きをしておらず【7/2新報】【高山は自身の責任をFBで反省】、
 6/30県議会で質問【7/2朝日】
 7/2会見前、県内の県立病院長でつくる病院長会議を開催し、クラスター発生時の公表基準を作成。玉城院長は 略 公表基準がまとまったことについて「病院側としては、感染が大きくなる前に公表できる体制なら、今後のことを考えて一番いいと思い納得した」【7/3 新報】。
 県立病院の場合、どのように公表するかの基準は「非常に緩やかだ」という。他にも、別の県立病院で5人が感染するクラスターが起きたが、発生を公表していないことも明らかにした【7/2朝日】
 病院は改善点としてコロナ患者かどうかを問わず痰を吸引する際は、窓を大きく開けて換気し、職員が高機能のN95マスクを装着すると決めた。入院患者については、全員PCR検査を受けてもらうようにした【7/2沖縄タイムス】
 6/17以降、新たな感染者は出ていないため病院側はクラスターは収束【7/1QAB】

コメント
他府県では第3波の2020年末までに入院時一律PCR検査が行われており、発端患者が感染症と診断されたのにPCR検査がされなかったと矮小化していけない。テレビに複数回出演するほどの感染症専門家を自負する高山義浩が、決めれば問題なく実施になった入院時一律PCR検査を抜かしていたのが最大の問題である。
 PCR検査の感度や特異度に問題あるからとの言い訳は通用しない。 日本感染症学会は2020年10月「PCR検査の感度90%、特異度ほぼ100%」としており(*)、高山が知らないはずはない。そもそも「感度70%なら、51人中15人は初回陰性で直後再検陽性でなければならず」あり得ず、嘘!(3日以上遅れて再検になった該当例は初回未感染だった可能性あり含めてはいけない)。特異度は忽那医師99.9%でもこの規模では全く問題なし。
 隠蔽の意図がなかったと言っても、感染対策責任者といえる高山がかなりの規模の自院クラスター公表に後ろ向きだったことは明らかである。社会の偏見については、経営体力のある県立病院が率先して情報公開し世論に訴えていかないといけない。人材設備が整った県立病院でのクラスター発生は、他の民間病院の引き締めにもなる(県立中部病院は6月から入院一斉PCR検査をするようになったが他の民間病院にその日で伝わったか?)。さらには「感染症専門家」の誘導によってPCR検査を誤解している一般市民に正しくPCR検査の役割を認識させること妨げていたことになる。
 沖縄県立中部病院は日本で遅れていた感染症臨床を進め過去著名な専門家を排出している。高山はそこで学んでいるだけにすぎない。プロフィルのどこかに糖尿病や家庭医志向をうかがわせる記載もあったようで、研究者のように感染症学に命かけている人だろうか私は疑問。県病院幹部は彼から自立して新型コロナ対策を考えていかねば沖縄の医療を守ることはできない。

7/1QAB https://news.yahoo.co.jp/articles/966cac6cc089bb364c09e44caeab289ba59a90dd
7/1 NHK https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20210701/5090014765.html
7/2沖縄タイムスhttps://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/779698
7/3沖縄タイムス https://news.yahoo.co.jp/articles/aa6f8911448031604c240fef7fe1b5ebee6aff9f
7/2朝日 https://www.asahi.com/articles/ASP717TGDP71TPOB006.html
7/2新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1348029.html
7/3新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1348604.html
(*)https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_kensakekka_201012.pdf

文責 小嶺幸弘

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