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2011年11月11日 (金)

地磁気が逆転する原因が判明・・・したかも

2011111 地球には地磁気というものがあり、北極付近にS極、南極付近にN極がある。だから磁石の針は南北を(磁性体としての地球のNS極とは逆に、Nが北をSが南を)向くのだということは小学校で習いました。洗面器だかバケツだかに水をくんで棒磁石を浮かべたりしたんじゃなかったでしょうか。でも私達が小学生の頃には、実はN極・S極は固定されたものではなく、逆転してる時代もあったのだなどということは習いませんでした。

なので後にNとSが逆転してた時代もあったのだという話を聞いたときには、ちょっとクラクラめまいがするほど驚きました。《それはいったいどういうことなんだ?》&《逆転すると磁石の向きが変わる以外の何が起きるんだ?》&《何故そんなことが起きるんだ?》の疑問で、頭の中は???の嵐。
しかし意外にも地磁気の反転が観測されたのは、新しいことではないのですね。

Wikipediaによれば、現在とは逆向きに磁化された岩石が発見されたのは、なんと1906年。
特に重要な発見は日本人によるもので、1926年に京都帝大(現在の京大)の松山基範教授が、兵庫県・玄武洞の岩石が逆向きに磁化されていることを発見。3年後の1929年に地磁気逆転の可能性を示す論文を発表したそうです。
松山教授の説は発表当時は世界中から完全無視されたそうですが、現在はもちろん常識になっていて、二百数十万年前から七十数万年前にいたる逆転期は「松山逆磁極期(Matuyama Reversed Epoch)」と名づけられているそうです。

しかし現在は過去に2回逆転の時期があったことは分かっていますが(「松山」と、もう1回は約500万年前から約400万年前の逆転期で「ギルバート」と名付けられているとのこと)、なぜそのような現象が起きるのかは分かっていませんでした。それがもしかすると解明されたかも知れないという話なんですが――

地球の外核は2層構造=地磁気反転の原因か―高温高圧で再現・東工大など

地球の中心部にある液体状に溶けた鉄などでできた「外核」(深さ約2900~5150キロ)は、これまで考えられてきた均一なものではなく、密度の異なる2種類の結晶を含む2層構造の可能性が高いことを、東京工業大と海洋研究開発機構、高輝度光科学研究センター(兵庫県佐用町)の研究チームが明らかにし、11日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 外核を構成する液体金属は対流しており、地球を取り囲む地磁気の源になっている。地磁気は数万~数十万年に1度の割合でN極とS極が反転するが、2層構造と仮定するとこの逆転現象を説明できるといい、研究チームはシミュレーションを進める。
 東工大の広瀬敬教授らの研究チームは、ダイヤモンドとレーザーで高温高圧を作り出す装置を開発し、地球内部の状態を再現。外核の主成分の一つ、酸化第一鉄(FeO)を227万~324万気圧、約4000度の外核と同じ条件にし、同センターの大型放射光施設「スプリング8」で結晶構造の変化を調べた。 

(時事通信)

ふんふん、なるほど。そうか、そういうことね。――などと言ってみたいものですが、なんか全然解りません。
20111111 ちょっと地球の構造についておさらいしてみましょう。図はWikipediaから借りました。

一番中心にあるのが内核。その外側が今問題になっている外核です。内核と外核は共に鉄やニッケルからなっていますが、内核は固体で温度は5000度から6000度と見られているらしいです。
外核は同じく鉄やニッケルですが流体で、温度は4400度から6100度ぐらい。
なぜ内核は6000度でも固体なのに、外核は4400度で流体なんだという疑問がわくかもしれませんが、これは圧力が関係してるのですね。内核はあまりにも圧力が高いためにこんな高温でも固体になるようです。

201111111 でその外核は液体金属が対流していて、これが地磁気発生の原因とみなされています。
対流はきっと熱対流なので、左図のようになっているんだと思います。赤いほうが内核で、青い方がマントルです。

これが2層構造ということは、素人考えなので間違ってるかも知れませんが、この図が二段に重なってると考えて良いのかと思います。
2011111_2_2 地場を発生させる要素が二重に、というか二段構えになってると思えばいいのでしょうか?(右図)

で、わからないのは何故2層構造だと地磁気の逆転を説明できる可能性があるのかなんですが、時事の記事にも共同通信のにも読売新聞のにも、そこが説明されてません。どなたかこういうことに詳しい方がいらしたら、わかりやすく教えていただけませんか?

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