大切な幹部が離れていくけど大丈夫?
AI競争中に最高AI責任者を失い、競合たちから遅れを取っているMeta(メタ)ですが、さらにもう1人の重要な幹部が離れることになってしまいました。今度は最高収益責任者(CRO)が退職するようです。
退職の理由は?
Bloombergによると、17年以上Metaに在籍してきた最高収益責任者John Hegeman氏が退職して、自分の会社を立ち上げるとのことです。
Hegeman氏は最高収益責任者に就任してからまだ1年経っていないのですが、最高収益責任者になる前は、Facebookアプリや広告チームなど数々の重要な役割を担ってきた人物だとWall Street Journal紙は報じています。Bloombergは、後任として長年Metaで働いてきたAndrew Bocking氏が、最高収益責任者のポジションを引き継ぐと伝えています。
Hegeman氏は社内向けの掲示板でこう述べています。
「Metaでの17年間は本当に素晴らしいものでしたが、このチャプターを終え、前からやりたかった自身の会社作りを始めるときが来たと判断しました。
ここで働けたことは大変な特権であり、振り返る思い出も数多く、皆さんにお礼を言いたいことが山ほどあります」
最高収益責任者は、企業の収益運営全体を統括し、幅広い責任を負う役職。企業の中枢を担う存在です。Hegeman氏が立ち上げる会社がどのようなものになるのかは明らかになっておらず、本人もまだ詳細を公表していません。
Metaを去るベテラン幹部たち
ここ数週間で、Metaからは他にも長年在籍した幹部が複数人去っています。
つい先日は、約10年間在籍した最高AI科学者Yann LeCun氏もMetaを自身の会社を立ち上げるために退職。
LeCun氏はAIが「人間レベル」の知能に到達するという見方に否定的で、LLMに過度に依存する現状は業界が誤った方向に進んでいる証拠だと最近述べていました。他にもビジネスAI部門のリーダーも辞職しています。
AI投資への懸念
とはいえ、こういった退職がすぐにMeta全体に深刻な影響を与える状況ではないようですが、第3四半期の決算は期待外れに終わり、またAI事業に巨額の資金を投じ続ける計画について、投資家の間では不安が広がっていると報じられています。
ザッカーバーグ氏は、「Meta Superintelligence Labsは順調なスタートを切っており、AIグラス分野で引き続き業界をリードしています」と先月の第3四半期決算発表で説明しています。
AI投資への不安はMetaに限らず、他の大手企業も同じ状況です。投資家たちは巨額の出費が積み重なる中で、このAIバブルが弾ける寸前のように感じ始めているようです。









