ふりかえり・会議でアイスブレイクを取り入れてみよう! チームの関係性を築くシーン別22選

ふりかえり・会議でアイスブレイクを取り入れてみよう! チームの関係性を築くシーン別22選

アイスブレイクとは、会議や面接などの前に行う軽い雑談やゲームのこと。緊張感のある場面で、参加者が話しやすくなるように雰囲気を和らげるコミュニケーション手法です。

例えば、ふりかえりの場で取り入れると、参加者全員が自然と声を出しやすくなります。緊張がほぐれるだけでなく、コミュニケーションがより活発になるでしょう。さらに、アイスブレイクによって心理的安全性が高まり、「発言しても否定されない」という安心感が生まれることで、オープンな議論につながります。ふりかえりの場では、伸びしろのような少し言いにくいことも話す必要があるため、その効果をより強く感じやすいです。

この「Agile Journey」を運営するユーザベースでは、採用面接や部署横断のキックオフなどの場面でもアイスブレイクを欠かさず取り入れています。どのような場でも、参加者全員が心理的ハードルを感じずに発言できるようにすることが目的です。

記事を書いている私・竹澤も、候補者として参加した採用面接でアイスブレイクを経験しました。それまでは緊張して逆質問をするのが苦手でしたが、冒頭での軽いやりとりで気持ちがほぐれ、落ち着いて話すことができました。入社後も、アイスブレイクがその後の対話や関係づくりに大きく影響することを実感しています。

今回は、数年間にわたり年間200回以上実施してきた私たちの経験をもとに、厳選した全22種類のアイスブレイクを利用シーンにあわせて紹介します。

「なぜそんなに多くの種類が必要なの?」と思われるかもしれません。

それは、アイスブレイクにはシーンごとの向き・不向きがある上、初対面のメンバーへの配慮も欠かせないからです。場面や相手に応じて適切なアプローチを選ぶため、私たちはさまざまな方法を使い分けています。また、同じ手法を繰り返すと飽きが生まれ、効果が薄れてしまうため、常にバリエーションを持たせることも意識しています。

いずれも5分ほどで実施できるものですが、この5分によって議論の質が向上します

定番として使いやすいアイスブレイク

定番として使いやすいアイスブレイク

まずは説明なしですぐ実践できる“定番”のアイスブレイクから見ていきましょう。初対面のメンバーがいる場でも使いやすく、心理的ハードルを下げる効果が高いものばかりです。「とりあえず困ったらこれをやっておけば安心」といえる手法を3つ集めました。アイスブレイクが初めてのチームや、何から始めるか迷ったときにおすすめです。

1. 大喜利

大喜利に参加者が答えるアイスブレイクです。

【方法】

  1. 司会者が大喜利のお題を出します。
  2. 参加者は、順に大喜利のお題に答えます。

例えば、次のようなお題が考えられます。

  • 宇宙人が初めて地球に来て驚いたこととは?
  • 世界一ゆるいスポーツ大会。その競技種目とは?
  • おばけが日常生活を送ったときの困りごととは?
  • 社長から届いた謎のメール。その内容は?
  • 新しい福利厚生、“〇〇し放題”を導入! さて何?

面白い回答を引き出すために、予備知識がなくても回答しやすいお題を事前に考えておくことがポイントです。

オンラインでもオフラインでも行うことができます。オンラインの場合は、オンラインホワイトボードなどのツールを使い、参加者に回答を書いてもらい、順に読み上げてもらうとスムーズです。

2. なぞなぞ

その名の通り、なぞなぞです。

【方法】

  1. 司会者は、なぞなぞを出題します。
  2. 参加者は、順になぞなぞに答えます。

こんななぞなぞを出すと、場が和むかもしれません*1

  • ビンに「人々」を詰め込むと、何になる?(答え:ビタミン)
  • かけ算で24、足し算で11になる虫は?(答え:ミツバチ)
  • 顔に楽器をつけたらできあがる、5文字の食べ物って何?(答え:明太子)

出題のストックをいくつか持っておくのがポイントです。

順に答えてもらう形式にすることで、全員の発言を促すことができます。特に初回参加者がいる場では、緊張を和らげつつ、頭のウォームアップとしても効果的です。

オンライン・オフライン問わず実施しやすく、さまざまな場面に対応できます。

3. 「〇〇縛り」しりとり

道具も必要なく、実施環境を選びません。手軽に始められて盛り上がるアイスブレイクです。言葉のテーマに制限を加えることで、しりとりに適度な難しさと遊び心が加わり、会話が弾みます。

【方法】

  1. 司会者は縛りの内容を伝えます(例:「音楽用語縛り」、「ビジネス用語縛り」など)。
  2. 参加者は縛りの条件を満たす言葉で、しりとりを続けます。

「〇〇縛り」は、一般的なテーマの方が汎用性が高いですが、参加者の属性に応じた内容(エンジニアの集まりの場では「技術用語縛り」など)にすると、より一体感が生まれ、場が活気づきます。

ユーザベースで技術用語縛りのしりとりをした際、「Boolean(ブーリアン、プログラミング言語などで使われるデータ型の名称)」と答えた人がいて、「ん」がついてしまったため、とても盛り上がりました。

ふりかえりの場に適したアイスブレイク

ふりかえりの場に適したアイスブレイク

アジャイル開発において、定期的なふりかえり(レトロスペクティブ)は、継続的な改善のために欠かせないプロセスです。

議論を円滑に始めるには、参加者同士の緊張を和らげ、発言しやすい雰囲気をつくることが有効です。

このセクションでは、ふりかえりの冒頭で活用しやすいアイスブレイクを2つ紹介します。無理なく発言を促し、場の立ち上がりをスムーズにするための手法をピックアップしました。

4. 感情グラフ

直近1週間の出来事を思い出す導入として有効なアイスブレイクです。感情の変化を可視化することで、ふりかえりの前段として効果があります。

【方法】

  1. 司会者は、ホワイトボードとマーカー、もしくは紙とペンを用意します。
  2. 参加者1人ずつに、直近1週間の感情の変化をグラフにしてもらいます。横軸は時間の経過、縦軸は感情の高低です。
  3. 参加者は書いたグラフを他の参加者に見せ、「なぜ感情が動いたのか」理由を話します。
感情グラフ
▲ 感情の変化をグラフにしてもらう

直近1週間に限らず、1カ月や1プロジェクトなど、対象期間を自由に調整できるのも特徴です。

オンラインで実施する場合は、オンラインホワイトボードなどを使えば対応可能です。参加者のカレンダーのスクリーンショットなどを用意しておくと、直近のイベントを思い出すきっかけになります。

5. 〇〇を振り返って一句

期間を区切って過去をふりかえる、川柳形式のアイスブレイクです。その期間に起きた出来事や感情の動きをユーモラスに共有できます。ふりかえりの導入として活用しやすく、チームの雰囲気を和らげる効果もあります。

【方法】

  1. 司会者は、お題を出します(例:今週1週間、今月、今年など)。
  2. 参加者は、お題の期間を振り返り、川柳(五・七・五の17音)を一句作ります。
  3. 参加者は、作った川柳を順に発表します。

これも対面でもオンラインでも実施できます。

チームビルディングに効果的なアイスブレイク

チームビルディングに効果的なアイスブレイク

プロジェクトを円滑に進める上で、メンバー同士の信頼関係や相互理解は欠かせません。

日頃の感謝を伝え合ったり、意外な一面を知ったりすることで、コミュニケーションの土台が築かれます。

このセクションでは、関係性を深めることに主眼を置いたアイスブレイクを5つ紹介します。プロジェクトの進行やチーム連携にも良い影響を与えることが期待できます。

6. 感謝の爆弾ゲーム

参加者から参加者へ、楽しく感謝を伝えられるアイスブレイクです。

【方法】

  1. 参加者全員で円になります。
  2. 司会者は、参加者のうち1人を選び、ボールを渡します。ボールがない場合は、ペンや丸めた紙など、身近なもので代用できます。
  3. 司会者は3分計ります。
  4. ボールを持っている参加者は、他の参加者への日頃の感謝を一言言い、言い終わったら隣の人へボールを渡します。
  5. 3分たった時点でボールを持っていた人が負けです。
感謝の爆弾ゲーム
▲ 日頃の感謝を順々に伝えていく

最後にボールを持っていた人には、後片付けをお願いしたり、ふりかえりの場合は最後にアクションアイテムを記入してもらったりと、簡単なタスクを任せることもあります。もちろん、何もお願いしなくても構いません。

参加者にとっては少し気恥ずかしくて、はにかんでしまうような手法です。場を和ませるのに非常に効果的ですが、相手への感謝を伝える必要があるため、初対面の人がいる場には向きません。

7. 実はね……

参加者の新しい一面を知ることができる、関係性を深めるタイプのアイスブレイクです。普段のやりとりでは見えない意外な経験や趣味などが共有されることで、メンバー間の相互理解が進みます。

【方法】

  1. 参加者一人一人に、「他の参加者が知らないと思う自分の一面」を話してもらいます(例:実は父が消防士、実は最近テニスを始めた、現在はエンジニアとして働いているが前職は営業だった、など)。話が長くなりそうな場合は、一人当たり1分程度で時間を区切るとよいでしょう。

このアイスブレイクは、ある程度関係性ができているチームに向いており、初対面の人が多い場では控えるのが無難です。あらかじめ司会者がお手本を示すことで、空気がほぐれ、進行しやすくなります。

オンライン・オフラインどちらの形式でも対応可能で、カジュアルに実施できます。

8. Yes, And

提案に対して「否定せずに賛同する」ことで、発想の広がりと心理的安全性を生むアイスブレイクです。楽しみながら話せるので、アイデア出しの場などで活用できます。

【方法】

  1. お題を決めます(例:今週末すること、チームの懇親会ですることなど)。
  2. 1人目の参加者は、お題に沿った提案をします(例:「お寿司を食べに行こう!」)。
  3. 2人目の参加者は、前の参加者の提案に賛成した上で、さらに提案を加えます(例:「いいね、いいね! それならおいしい日本酒も用意しよう!」)。
  4. 2と3を繰り返します。

誰かが提案をした後、参加者全員で「いいね!」と言うと、より白熱します。司会者も一緒になって、元気よく「いいね!」と声を合わせてみましょう。

終わりのタイミングは、あらかじめ時間を決めておくとスムーズです。ユーザベースでは、必ず最後に「宇宙」に到達するルールにして、「宇宙」に到達したら終了とするチームもありました。

例:「お寿司を食べに行こう!」→「いいね、いいね!それならお寿司の前に公園へ出かけよう!」→「いいね、いいね! 公園へ出かけるついでに海外にも行っちゃおう!」→「いいね、いいね! 海外へ行くなら、宇宙にも行っちゃおう!」

無理やり「宇宙」へつなげる展開となり、大いに盛り上がっていました。

このアイスブレイクは、相手の発言を受け入れてから発展させる形式のため、発言への不安が減り、心理的ハードルが下がります。

9. 他己紹介

他の参加者から自分がどう思われているかを知ることで、相互理解を深めるアイスブレイクです。自分では気付いていなかった一面を知る機会にもなり、関係性が深まり始めたチームに適しています。

【方法】

  1. 参加者は、自分の右隣の人の紹介をします。
  2. 紹介をしてもらった参加者は、その紹介に対して感想を述べてもいいでしょう。
  3. 他己紹介が一周したら、終了です。

準備が不要で、リモートでもオフィスでも実施できます。

初対面の人が多い場には不向きですが、お互いの理解が進み始めたタイミングで行うと、チームの関係性を一歩深める入口になります。客観的に見た自分を知ることができるため、意外性もあって面白いです。

10. 他の参加者の〇〇を当てよう

他の参加者のことをクイズ形式で当てることで、関心を引き出し、会話が生まれるアイスブレイクです。ゲーム感覚で実施できるため、場の緊張を和らげながらスムーズに対話が始まります。

【方法】

  1. 司会者は、お題を決めます(例:「好きな食べ物」、「ハマっているもの」など)。
  2. 司会者は、クイズの対象となる参加者1人を決めます。
  3. 対象とならなかった参加者全員で、クイズの対象となった参加者のお題の内容を当てます。
  4. 時間が許す場合は、クイズの対象となる参加者を別の参加者にします。

他の人の好みや興味を扱うため、初対面の参加者が多い場では適さないことがあります。ある程度関係性ができたタイミングで使うと、より効果的です。

また、答え合わせの際に「それにハマった理由は?」、「その食べ物を家で料理することはある?」など答えに関する質問をすることで、会話が広がります。

初対面でも安心してできるアイスブレイク

初対面でも安心してできるアイスブレイク

初対面のメンバーがいる場では、緊張や遠慮から発言しづらくなることがあります。

このセクションでは、そんな状況でも緊張せずに話し始められるように工夫されたアイスブレイクを3つ紹介します。どれも準備が不要で、場所を選ばず実施可能です。

もちろん、関係性ができているチームでも、場を和らげるために活用できます。

11. 隣の人に質問してみよう

質問と回答を通じて会話を始めるアイスブレイクです。お互いの関心や価値観を知ることで、その場に初対面の参加者がいても、スムーズに打ち解けやすくなります。

【方法】

  1. 参加者は、自分の右隣の人に質問をします。
  2. 質問をされた参加者は、その質問に答えます。
  3. 質問に答えた参加者は、自分の右隣の人に対し、別の質問をします。
  4. 2と3を繰り返し、一周したところで終了です。

短時間で場を温められるため、会議やワークショップの冒頭におすすめです

12. もし〇〇があったら?

誰でも参加しやすい、想像力を使ったアイスブレイクです。「自分ならどうするか」を自由に語れるため、初対面の場でもに会話が生まれます。

【方法】

  1. 司会者は、お題として何か一つ魔法の道具を考えておきます(例:どこでもドア、魔法のほうき、タケコプターなど)。
  2. 参加者は、もしお題として出された魔法の道具があったら、何をしたいかを順に話します。

軽く盛り上げたいときや、初対面の場のアイスブレイクとして活用しやすい手法です。

13. おすすめの〇〇は?

短時間で楽しめる、話題共有型のアイスブレイクです。参加者同士の興味や価値観が垣間見え、対話の糸口になります。

【方法】

  1. 司会者は、お題を用意します(例:旅行先、ガジェット、本など)。
  2. 参加者は、順にお題に沿っておすすめを紹介します。

紹介内容から雑談や深掘りに発展しやすく、「もし〇〇があったら?」と同様、さまざまな場面で柔軟に使えます。

漢字を書く、絵を描く形式のアイスブレイク

このセクションでは、漢字や絵を使ったタイプのアイスブレイクを4つ紹介します。手を動かすことで、言葉に頼らないコミュニケーションが生まれます。ツールの準備が必要になることもありますが、集中力や発想力を刺激して、場の空気が活性化します。

14. 〇〇な漢字をいっぱい書こう!

発想力と記憶力を刺激する、オフライン限定のアイスブレイクです。制限時間内にできるだけ多くの漢字をひねり出す過程で、思わず笑いや悔しさが生まれます。

【方法】

  1. 司会者は、お題を出します(例:「しんにょう」のつく漢字、「魚」が含まれている漢字など)。
  2. 参加者は、お題の条件を満たす漢字を思いつく限り書きます。司会者は3分計っておきましょう。
  3. 制限時間内に一番多く漢字を書けた人が勝ちです。
〇〇な漢字をいっぱい書こう!
▲ お題は「糸」が含まれている漢字

日常的に漢字を書く機会が少ないと、なかなか思い出せず苦戦する場面も出てきますが、それがかえって盛り上がりにつながります。

ただし、漢字を書く必要があるため、さまざまな言語話者が多い場では配慮が必要です。

15. 〇〇を漢字1文字で表すと

テーマに沿って思いを漢字1文字で表現する、アイスブレイクです。シンプルながら言語化力と発想力が問われるため、参加者の視点や考え方を知ることもできます。

【方法】

  1. 司会者はお題を決めます(例:今年1年、チームの雰囲気など)。
  2. 参加者は、お題を表す漢字1文字を考え、ホワイトボードや紙に書きます。
  3. 参加者は順に自分の考えた漢字とその理由を発表します。

お題は、その場の目的に合わせて調整することで、アイスブレイク後の議論にもつなげやすくなります(例:ふりかえりの場なら「この1週間を漢字1文字で表す」など)。

16. 絵しりとり

にぎやかなアイスブレイクです。絵のうまさは関係なく、むしろ不思議な絵から笑いが生まれるため、初対面同士でも場が一気にほぐれます。

【方法】

  1. 参加者は、絵でしりとりを行います。このとき、答えを口に出さないようにしましょう。
絵しりとり
▲ 絵しりとりの例。「リス」→「スルメ」→「目玉焼き」→「キツネ」→「ネコ」→「心」

オンラインでも、ホワイトボードツールなどを使えば実施可能です。マウスで描く絵が逆に味になり、笑いを引き出すきっかけになります。

17. 似顔絵

こちらも絵を描くタイプのアイスブレイクです。絵の得意・不得意にかかわらず笑いが生まれ、描かれることで無理なく距離感が縮まります。

【方法】

  1. 参加者は、自分の右隣の人の似顔絵を描きます。
  2. 司会者は、時間を決めて計っておくといいでしょう。
似顔絵
▲ 絵を描くのが苦手でも大丈夫!

似顔絵にコメントする時間を設けると、全員が発言しやすくなり、場の緊張も次第にほぐれていきます。

季節やイベントに適したアイスブレイク

季節やイベントのタイミングにあわせて実施できるアイスブレイクです。新年やエイプリルフールなど、ちょっと特別な雰囲気を演出したいときにおすすめです。

このセクションでは、タイミングを生かして楽しめるユニークな手法を3つ紹介します。

18. 書き初め

新年のスタートにふさわしいアイスブレイクです。ポジティブな発言も多くなり、自然と場が和らぐでしょう。

【方法】

  1. 参加者は、オフラインの場合はホワイトボードや紙にペンで、オンラインの場合はオンラインホワイトボードツールでマウスを使い、今年の抱負を書きます。
  2. 参加者は、順に今年の抱負について話します。

オンラインではマウスでの文字入力が難しい場合もありますが、それ自体が場を和ませる要素になります。

初対面でも実施しやすく、新年らしい雰囲気づくりにもつながります。

19. うそかと思った本当の話

驚きや笑いを共有しながら、会話へとつながるアイスブレイクです。エイプリルフールの時期に行うとぴったりですが、日常のちょっとした話題でも十分に楽しめます。

【方法】

  1. 参加者は、順にうそかと思った本当の話をしていきます。

例えば、「先週たまたま通勤途中の電車の中で、同僚の〇〇さんに声をかけられた」というような、ちょっとした出来事でも大丈夫です。リアル・オンライン両方に対応でき、特別な準備もいりません。

司会者が最初に例を話すことで、参加者も話しやすくなります。意外な一面を知ることで、距離が一気に縮まることもあるでしょう。なお、過度にプライベートに踏み込まないように注意してください。

20. 3つの真実と1つのうそ

うそをテーマに参加者に対話を促す、クイズ形式のアイスブレイクです。参加者同士で相談しながら答えを導くスタイルのため、発言が活発になり、場に一体感が生まれます。

【方法】

  1. 司会者は、4つの出来事を書いておきます。ただし、うち3つは本当の出来事、残り1つはうその出来事を書きます。
  2. 参加者同士で相談しながら、4つの中から、うその出来事を当てます。
  3. うその出来事を当てることができたら成功です。

対面でもオンラインでも実施できますが、事前に司会者が内容を準備しておく必要があります。

うその中に紛れ込んだ本当の話が雑談のきっかけにもなります。

その他のユニークなアイスブレイク

その他のユニークなアイスブレイク

最後に、ゲーム性が高いものや、場の雰囲気にあわせて柔軟に使える汎用的なアイスブレイクを2つ紹介します。ちょっとしたアクセントを加えたいときや、定番に飽きてきたタイミングにもぴったりです。

21. 〇〇といえば? 以心伝心ゲーム

参加者同士の感覚のズレや一致を楽しめる、シンプルで盛り上がるアイスブレイクです。相談なしで同じ答えが出るかどうかが試され、笑いや会話が生まれます。

【方法】

  1. 司会者は、参加者の人数分の紙とペンを用意しておきます。
  2. 司会者は、お題を出します(例:「人気の給食のメニューといえば?」、「卒業ソングといえば?」など)。
  3. 参加者は、他の参加者と相談せず、答えを紙に書きます。
  4. 司会者の合図とともに、参加者は紙に書いた答えを同時に見せます。
  5. 参加者全員の答えがそろっていたら、「以心伝心」成功です。

参加者同士がお互いの心を読み合う様子が面白いです。オンラインホワイトボードツールを活用することで、オンラインでも実施可能です。

22. ささいな幸せ

日常の中のちょっとした喜びを共有する、穏やかなアイスブレイクです。幸せな感情を共有することで安心感が生まれ、初対面の場でも自然に会話が始まります。

【方法】

  1. 司会者は、時間を2分計ります。
  2. 参加者は、順に最近見つけた「ささいな幸せ」を言います。
  3. 2分たったところで終了です。

「ささいな幸せ」以外にも、「最近の楽しかったこと」や「チームのメンバーに感謝していること」など、テーマを変えて応用することもできます。

準備不要でオンライン・オフラインどちらでも実施可能です。

気軽にアイスブレイクを試してみよう

ここまでたくさんのアイスブレイクを紹介してきましたが、種類が多くて、どれを選べばいいか、迷ってしまうかもしれません。そこで私が最初に試してほしいと思うのが、「8. Yes, And」です。

このアイスブレイクは、準備も不要で手軽にできる上、「いいね!」の相づちでテンション高く盛り上がれるため、参加者全員が笑顔になります。心理的なハードルが下がることで、その後の議論もスムーズに立ち上がりやすくなるのが特長です。どのアイスブレイクを使えばいいか迷った場合は、ぜひ「Yes, And」を試してみてください。

今までやっていなかったアイスブレイクをチームに導入するのは、最初はハードルが高く感じるかもしれません。そんなときは、 「実験してみよう!」という軽い気持ちで試してみてください! そして議論の終わりに、アイスブレイクを行った場合と行わなかった場合について1~2分程度で振り返ってみるとよいでしょう。

「意見の出しやすさが変わったか」 「自分が議論に参加している実感が増えたか」

このように問いかけることで、参加者もアイスブレイクの効果を実感してくれるはずです。

実際に、ユーザベースでは数年にわたり年間200回以上アイスブレイクを実践していますが、これは参加者全員がアイスブレイクの効果を感じているからです。

ぜひ、皆さんもアイスブレイクを活用して、活発な議論の場をつくっていきましょう。

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編集・制作:はてな編集部

*1:例題は「なぞQ.com」に掲載されたなぞなぞを参考に、表現をアレンジしたものです

竹澤彩里さん
竹澤 彩里(たけざわ・あやり)
株式会社ユーザベース スピーダ事業 Product Division ソフトウェアエンジニア
九州大学卒業後、2023年に受託開発企業に入社。2024年7月よりユーザベースに参画し、スピーダの開発に従事。ユーザーの役に立つサービスを生み出すことにこだわりを持っている。また、チームで協力しながらアイディアを形にしていく過程が好きで、ペアプログラミングなどXPのプラクティスを通してより良いプロダクトを目指し日々開発中。