経済産業省出身で制度アナリスト・評論家の宇佐美典也さん(44)の次女、ツムギちゃん(仮名、5歳)が通っていた港区の保育園、幼稚園で同級生の女児A子からいじめを受け、精神的に不安定になった。症状は、難聴、モノが二重に見える、といった身体的症状にまで悪化し、日々の登園どころか家から出ることすら難しい状況に追い込まれた。
一度はいじめから逃れるために元々通っていた保育園から別の幼稚園に転園したものの、A子が「ツムギちゃんと遊びたい」と同じ保育園へ転園してきたことで被害が再発していた。
この件は港区史上初の「いじめ重大事態」の枠組みに沿った調査が行われ、9月30日には調査報告書も発表されている。
一体何があったのか、宇佐美さんに話を聞いた。
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2024年7月に新しい幼稚園に移ると、ツムギちゃんはすぐに落ち着きを取り戻した。以前から保育園で交流していた幼稚園で馴染みもあり、すぐに一緒に遊ぶ友達もできて笑顔で登園するようになった。
しかし11月に入ると、ツムギちゃんが通う幼稚園にA子が転園してくる、という噂が聞こえてきた。
「ツムギちゃんと遊びたい」という理由でA子が同じ幼稚園に…
「保育園の園長にはツムギとA子のトラブルについて何度も相談していましたし、娘の退園の理由がA子の存在であることも伝えていました。それなのに、A子が『ツムギちゃんと遊びたい』という理由で幼稚園に転園しようとしていると知っても、A子の保護者にこちらが転園した事情を一切伝えてくれませんでした。なぜ言ってくれなかったのか、理解に苦しみます」
報告書でも、ツムギちゃんが幼稚園の前に通っていた保育園の園長は、A子の転園に際してA子の保護者にトラブルについて伝えていないことが明らかになっており、その理由として「どっちに転ぶか分からなかった」「判断が難しかった」と述べている。
A子の保護者は「ツムギちゃんがA子を理由に転園したと知っていたら、転園しなかった」と証言している。
そして12月、A子は本当に幼稚園に転園してきた。


