ウォール・ストリート・ジャーナル紙「ウォール街はマムダニ市長の勝利を阻止できなかった。今こそ彼と協力しなければならない。
ニューヨーク市長選で、金融界の重鎮らが他の候補者の支持を高めるために数百万ドルを費やした。
金融業界からの激しい反対と資金援助にもかかわらず、マムダニ氏がニューヨーク市長選に勝利した。
ウォール街の重鎮らは、ニューヨーク市の有権者が民主社会主義者の市長を選出するのを阻止できなかった。さて、どうなるのだろうか?
マムダニ氏が市長選に勝利したことが明らかになった火曜日の夜、ニューヨークの上層部には敗北の空気が漂っていた。ニューヨークの金融業界の重鎮らは、マムダニ氏による政権樹立は考えられないと考え、他の候補者の支持を高めるために数百万ドルを費やしていた。
今、彼らは新市長と協力し、市長が市のビジネス環境に与える影響についての最悪の懸念が現実にならないことを祈らなければならない。
34歳のマムダニ氏は、多くのニューヨーカーが価格高騰で締め出されていることに感じている広範な不安を巧みに利用し、州議会の郊外議員から市の最高責任者へと急速に上り詰めた。彼は、億万長者への2%の追加課税と、無料バス、保育サービスの拡充、市営食料品店の費用を賄うための企業への増税を約束している。
当初、マムダニ氏の勝利の可能性は低いと思われていたが、6月の民主党予備選での意外な勝利は、金融業界に衝撃を与えた。選挙戦が白熱するにつれ、アポロ・グローバル・マネジメントやシタデルといった企業は従業員に投票に行くよう促した。ヘッジファンドの億万長者ビル・アックマン氏は、彼を阻止するために200万ドル以上を費やしたが、競争力の低い代替案に資金を投じたのは彼だけではなかった。
マムダニ氏の政策を懸念する人々にとって、最も懸念されるのは無差別路上犯罪だ。殺人事件は1990年の2000件を超えるピークから、2017年には292件と近年最低水準にまで減少した。ニューヨーク州会計監査官事務所の報告書によると、ニューヨーク州のヘイトクライムは2023年に12.7%増加し、記録されているヘイトクライム全体の約44%、宗教に基づくヘイトクライムの88%がユダヤ人を標的としている。
マムダニ氏がニューヨーク市警本部長のジェシカ・ティッシュ氏に留任を要請する意向を示したことで、一部のビジネス関係者は安堵している。彼女がこの任務を受け入れるかどうかはまだ分からない。
マンダニ氏は、富裕層への2%の追加課税を検討すると述べているが、これはニューヨークの金融業界の多くの人々を動揺させた提案の一つに過ぎない。
トランプ大統領との関係から生じるであろう不安定さを懸念する声もある。トランプ大統領は土壇場で、マムダニ氏の主要対立候補である民主党のクオモ前知事への支持を表明した。トランプ大統領は、ニューヨーク市への移民関税執行局(ICE)と州兵の配置強化、そしてインフラ整備事業のための連邦資金180億ドルの差し押さえを警告している。
ラザードの元投資銀行部門責任者、ワイス氏は、ニューヨーク市とワシントンD.C.の関係が最も差し迫った課題となる可能性が高いと述べた。
マンハッタン・ミッドタウンのパーク・アベニューでは、JPモルガン・チェースが最近、30億ドルを投じた新タワーの開業式典を行った。クイーンズ生まれの同行CEO、ジェイミー・ダイモンは、業界のマスコット的存在と言える存在であり、ニューヨークに留まることを誓っている。マムダニ時代に耐えられない人たちは、別の見方をするかもしれない。
「マムダニが当選したからといって、誰かがニューヨークを去るという考えは愚かだ」と、かつてブルームバーグ氏の3度目の市長選を率い、後にブルームバーグ政権に助言したベンチャーキャピタリスト、ブラッド・タスク氏は述べた。「もしニューヨークが自分のビジネスに合わないなら、去るべきだ」
孫崎享のつぶやき
NY市長、新市長当選、WSJ[ウォール街はマムダニ市長の勝利を阻止できなかった。数百万ドルを費やした。新市長は彼は、億万長者への2%の追加課税と、無料バス、保育サービスの拡充、市営食料品店の費用を賄うための企業への増税を約束。企業、富裕者はNYに残るのか]
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ニューヨークは私が尊敬するアナーキストのグレーバ氏の拠点です。10数年前、OCCUPY WALL
STREETの大衆デモを展開しウオール街包囲を成功させました。マムダニ氏はそういう無産者の運動の流れに沿っていると私は感じています。
無料バス、保育サービス、市営食料品店の費用を賄うために企業と富裕層に追加課税する。社会が無産者の労働で下支えされてのを彼は直視し何とかしようというのですから社会主義政策のイロハですね。見事です。
ケネデイーが暗殺された時、米国専門家の猿谷要氏が元々米国はデモクラシーの国じゃなかった。銃と資本が主権者だと語ってました。当時の日本の大衆は主流メデイアの教宣によって米国はデモクラシイの国だと洗脳されていました。その洗脳は徹底していて、その後多くの米国批判者が大衆にそのことを説いてきましたが、そのことに資本に買収された日本のメデイアは頑固に反論し今も米国の偽の民主主義を高くかかげ日本の大衆に信じ込ませているのです。
そして現在、日本は右翼の高市氏を首相に選び対中戦争を視野に入れました。米国がじわりと民主化に向けて踏み切りだしたのに日本は逆に弱者切り捨て軍国有理に舵を切っているのです。日本のその反動的な動きに日本の主流メデイアは異議を唱えることなくむしろ応援している始末です。
日本はそういう国ですから、主流メデイアはマムダニ氏の勝利を小さくい小さく隅の方に追いやって記事にするでしょう。
取り締まられる人物が取り締まる側になってしまった。この原因は物価高なのでしょう。家賃が7千ドルといえば、100万円であり、生活できる段階を超えているのではないか。
民主党極左のサンダース氏が後見者であり、ニューヨークだけの問題でなく、30代と若くトランプ氏を脅かす存在になるのであろうか。びっくりしたのはマルダニ市長はパレスティナ解放運動の活動家という事である。
取り締まりのティッシュー警察本部長が残るのか、新しい人物に変わるのかはニューヨークの体制が180度変わることであり注目すべきでしょう。
富裕層がフロリダとかテキサスに移住するということになれば、ニューヨーク貧困層居住場所になってしまう。
米国ではこのようなことが起きてしまう。一都市とはいえ、ドラマチックといえる。
>ニューヨーク市の有権者が民主社会主義者の市長を選出
私はサヨクを自認しているので、”民主社会主義者“がニューヨーク市長になることには、好感を持つ(もっとも、日本では、なにやら往年の「民社党」を思い出させるネーミング?)。
ただ、今世界的な対立軸は、左右の対立というよりは、グローバリズム対反グローバリズムという対立だと、私は考えている。古典的な資本主義(右派)対社会主義乃至共産主義(左派)という対立軸は、問題の本質をクリアに分析する切り口としては、有効性に欠ける時代遅れなものとなった。
ここでグローバリズムとは、世界をアメリカ帝国の一極覇権により全体主義的に統一する志向性である。政治的には西欧流の自由民主主義イデオロギーが唱導され、経済的には新自由主義や金融資本主義により特権エリートによる富の独占と、その他の下流大衆による二極分離が起こる不平等社会もやむなしとされる。しかも、自由民主主義を世界中に押し広げるという美名の下、戦争も辞さない強権が使用される。アジア、東欧や中東等で権威主義国家とレッテル貼りされた国々には、軍事力を含む圧力にさらされ、場合によると、戦争をしかけたり、政権転覆クーデターといった暴力すら容認される世界観。それがグローバリズムだ。従って、戦争を辞さないから、軍産複合体、戦争屋とも親和性のある世界観である。
これに対して、反グローバリズムは、アメリカ帝国等の覇権を拒絶し、多極化した国家間による国益を軸にしたチェックアンドバランスによる均衡と調整による国際社会の形成を志向する世界観だろう。そこでは、自由民主主義イデオロギーは絶対ではなく、各国は独自の歴史、文化、文明をベースにした発展と社会形成が認められる。だから、自由民主主義のために戦争も辞さないという倒錯した価値観は薄くなるだろう。一極覇権を拒絶するから、各国の伝統や文化に基づく国民国家が再度復権した世界となる。(この点から、保守傾向は一定やむを得ない)
このように、グローバリズムに反対し、多極化した世界を受容することが、戦争のない、結果的に名も無き庶民を尊重する世界を作ることになる。
従って、本質的にはニューヨーク市長が左派かどうか、民主党かどうかではなく、私は彼が反グローバリズムの側に立つのかどうかが重要だとかんがえている。新しいニューヨーク市長は、反グローバリズムの立場から庶民の味方になろうと立ち上がったなら、時代の潮流に合致するだろう。その場合、反グローバリズムの要素を持つトランプ政権と重なる点もあるのではないか?共和党対民主党という対立軸は邪魔ではないか?
>>1
追加
マムダニ氏の当選を私の予想に反して朝日が第一版の一面左下に記事にしてました。私みたいな読者に対してアリバイ造りをしたとしか見えませんが。
>>3
どうもマムダニ氏はニューヨークの弱者、貧者、無産階級の救済に立ち上がっただけで、反グローバリズムみたいな高次の理念を持っていてそれに結び付けているようには見えませんね。
トランプは、私の独断ですが、チープガバメントの信奉者、コチコチの共和党最右翼ではないでしょうか。従って、ネオコンとは肌が合わないと見てます。
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