近頃は作品の数が溢れかえり、本当に演技力のある女優が見つかりにくい。プロのドラマ通に「本物」を選んでもらった。
いま求められる演技力とは
インターネットの映像配信サービスで映画やドラマを観ることが当たり前になった。
その結果、視聴者が作品に求める要素が変わってきているという。日本テレビの編成部に在籍しながら、現在は大和大学社会学部教授を務める岡田五知信氏はこう語る。
「クオリティの高い海外ドラマは、字幕を見なくても登場人物の感情が伝わってきます。それほど役者のレベルが高い。ネット配信の作品を観て目の肥えた日本の視聴者は、日本の役者にも『演技力』を求めるようになったと感じられます」
そもそも演技力の上手下手はどのように判断するのだろうか。映画ライターの北村有氏は、こう解説する。
「時代によって、その基準は変わると思います。いまは自然で違和感のないリアルな表現が求められています。役者の名前が目立つよりも、役の存在感を表現できるほうがいい。その上で、普通の日常を生きているように表現ができ、視聴者の共感を生む役者が『上手い』とされているのではないでしょうか」
なかでも、特に演技力を求められるようになっているのが、女優だという。昭和の時代は美人女優が「清純なヒロイン」を演じるケースが多かったが、近ごろはシングルマザーや風俗嬢など、複雑な役どころが増えてきたからだ。
では、いまの基準に照らし合わせて演技が上手いのは誰か。ドラマの見巧者たち10人とドラマ関係者10人に、第一線で活躍している女優の中から10名を挙げてもらい、上から10点~1点の点数をつけてランキング化した。