WindowsのAI製品への批判を受けMicrosoftのAI責任者が冷笑系にウンザリ、「超賢いAIに感心しないなんて信じられない」と語る

WindowsはCopilotをはじめとするさまざまなAI製品を開発していますが、これらのAIに対しては根強い批判もあります。Microsoft AIのムスタファ・スレイマンCEOは、WindowsのAI製品に対する不満に「AIの能力に感銘を受けていない人々がいることに驚いている」と反論しました。
Microsoft AI CEO pushes back against critics after recent Windows AI backlash — "the fact that people are unimpressed ... is mindblowing to me" | Windows Central
https://www.windowscentral.com/microsoft/windows-11/microsoft-ai-ceo-pushes-back-against-critics-after-recent-windows-ai-backlash-the-fact-that-people-are-unimpressed-is-mindblowing-to-me

スレイマンCEOは、Googleが500億円(当時のレート)で買収したAIスタートアップ・DeepMindの共同創業者です。
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DeepMindは2016年に囲碁のトップ棋士であるイ・セドル九段に勝利したAIの「AlphaGo」を開発したことで、一躍脚光を浴びました。
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DeepMindはGoogleのAI開発部門であるGoogle Brainとは別個のAI企業として独立して存在しながら、AlphaGoやAlphaFoldといった画期的なAIを開発してきましたが、2023年にGoogle Brainと統合され、GoogleのAI研究を主導する最重要組織となっています。
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DeepMindで数々のAI開発に携わってきたスレイマンCEOは、2019年にDeepMindを離れてGoogleの政策関連の役職に就任。その後、2022年にGoogleを退社し、AIベンチャーのInflection AIを設立。そして2024年3月にMicrosoftが新設したAI部門Microsoft AIのCEOに就任しました。
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そんなスレイマンCEOが自身のXアカウントで、「冷笑的な人がこんなにいるだなんて!AIを『期待外れ』だなんて言うのを聞くと笑ってしまいます。私はノキアの携帯でヘビゲームをプレイしながら育ってきたんですから!超賢いAIと流ちょうな会話ができ、どんな画像や動画も生成できるのにそれに感心しないだなんて、ちょっと信じられません」と投稿しました。
Jeez there so many cynics! It cracks me up when I hear people call AI underwhelming. I grew up playing Snake on a Nokia phone! The fact that people are unimpressed that we can have a fluent conversation with a super smart AI that can generate any image/video is mindblowing to me.
— Mustafa Suleyman (@mustafasuleyman) November 19, 2025
スレイマンCEOの投稿について、Windows関連メディアのWindows Centralは「この投稿は、Windowsのパヴァン・ダヴルリ社長が『WindowsがエージェントOSへと進化している』と投稿したことで、オンラインユーザーから激しい反発を受けたため投稿したものと思われる」と指摘しています。
問題のダヴルリ社長の投稿が以下で、「Windowsはエージェント型OSへと進化しており、デバイス・クラウド・AIを接続して、どこでもインテリジェントな生産性と安全な作業を解き放ちます。Microsoft Igniteでフロンティア企業のWindowsによる変革と、プラットフォームの次なる展開をご覧ください。皆さんにご紹介するのが待ちきれません!」という内容です。
Windows is evolving into an agentic OS, connecting devices, cloud, and AI to unlock intelligent productivity and secure work anywhere. Join us at #MSIgnite to see how frontier firms are transforming with Windows and what’s next for the platform. We can’t wait to show you!…
— Pavan Davuluri (@pavandavuluri) November 10, 2025
ダヴルリ社長の投稿には多数のインターネットユーザーが反応しており、「これじゃあLinux一択になっちゃうよ。たのむから私のパソコンを普通に動くようにしてよ」「Microsoftはユーザーが全く求めていない、文字通り企業利益を優先する機能を押し付けています」「こんなバカげた話はやめてください。誰も望んでません」「あなたが許可なく私たちのデータを販売している相手以外、誰もこんなものを望んでいません」「奇妙な方向に頑なに固執しているのを見ると、ソフトウェアエンジニアがWindowsを選ぶ理由は見当たりません。Microsoftは開発ツール構築をDNAに刻み込んでいるのに、こんなに奇妙だなんて。OSのコントロールを求めるビルダーが選ぶようなものじゃありません。デベロッパーの選択肢はMacかLinuxですね」などの批判的なコメントが殺到。この反応を受け、ダヴリル社長は当該投稿へのリプライを閉鎖しています。
なお、ダヴリル社長はユーザーからの批判を受け、「チームは大量のフィードバックを受け取っています。私たちは製品フィードバックシステムで見えるものと、直接耳にするもののバランスを取って考慮しています。それらはいつも一致するわけではありませんが、どちらも大事です。コメントを全部読みました。信頼性、パフォーマンス、使いやすさ、そういった点に焦点が当たっていることがわかります。ただ、皆さんが指摘している点にちょっと時間を割きたいです。簡単にまとめると、我々は開発者を深く大切に思っています。エクスペリエンスの改善が必要だということは理解しています。日常的な使いやすさ、一貫性のないダイアログ、パワーユーザー向けの体験まで、我々はチームで集まる時、これらのポイントについて詳しく議論します。なぜなら、開発者にWindowsを選んでもらいたいからです。言葉だけじゃ足りないのはわかっています。改善を続け、製品を届けていくのは私たちの責任です。チームがこれらの領域をどう改善してるかについて、皆さんとつながって話せたら嬉しいです」と投稿しています。
Hey Gergely, I am responding here, and I think this applies to a bunch of the comments that people have made. I mean, a lot of comments 🙂.
— Pavan Davuluri (@pavandavuluri) November 15, 2025
The team (and I) take in a ton of feedback. We balance what we see in our product feedback systems with what we hear directly. They don’t…
ダヴリル社長の投稿について、Windows Centralは「ダヴリル社長は特に、ダイアログの一貫性のなさやパワーユーザーエクスペリエンスといった問題点に言及しており、これらは長年にわたって早急な改善が求められてきた領域です。10年以上にわたって、Windowsはインターフェースの一貫性のなさや洗練度の低さに悩まされてきました。その結果、プラットフォームは時代遅れで、手入れが行き届いていないと感じられるものとなり、これが昨今のWindowsの評判の低迷に大きく影響していると考えられます」と指摘。
さらに、近年のWindowsの状況を悪化させているのはMicrosoftのアップデート配信戦略にあるとWindows Centralは指摘しています。Microsoftは近年、OSを毎月継続的に新機能や変更を加えて最新状態に保とうとしていますが、これは多くの人にとってむしろ悩みの種となっていると指摘。多くのユーザーはAppleやGoogleのような、年に一度の大規模アップデートを望んでいるとしました。
また、Windowsが毎月継続的にアップデートを投入するようになったことで、開発サイクルが短くなり、Windowsはバグなどの問題に頻繁に直面するようになったともWindows Centralは指摘しています。
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in AI, ソフトウェア, Posted by logu_ii
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