ジークアクス感想

なんとなく自分の中でGQの感想をまとめておきたくなった

私の状態

「竹」「鶴巻和哉」「榎戸洋司」「GQuuuuuuuuuuuX(なんて読むのかわからない」のパワーで劇場版ビギニングを見に行った

 

ビギニングまじくっそ面白かった

劇場でいきなりおそらく初代ガンダムであろう映像のパロディが始まった時は、ウン十年前のアニメの映像が再び掘り起こされたかのような、なんというか遺跡発掘みたいなワクワク感があった

後半からGQパートになった途端、突然今までとは打って変わってポップでキュートな画作りと台詞回しが現れる

グラデーションだけで表現された極限まで簡素な駅構内、シルエットで魅せるキャラの動き、音楽を流して色々すっ飛ばす演出

挙げ句の果てに、特に丁寧に理由が描写されているわけでもないのにマチュがガンダムに乗り込む

ガイナックスがエヴァ1話を作る際、ガンダムの1話の絵コンテを見てそのあまりの完璧さにウワーーーンこんな完璧なロボアニメの1話作れないよ~~!!!包帯ぐるぐる女でなんとかなれ!!!!みたいな感じで作ったみたいな記述をなんかの本で読んだことがあるんだけど(ソース不明)

あれから20年くらい経って、「あっちの方がなんか強そう」でガンダムに乗る主人公を描いているというのは、なんというかカラーなりの時代感の反映とかなのかなと思った

なにより、マチュがわけわからんままにガンダムに乗って敵の斧拾って暴れ始める時の気持ちよさといったら

なんか、「ロボットアニメの1話で主人公がロボに乗るのには相応の理由が必要」とか、「ガンダムの世界ではこういうものがあってこう」とか、そういう、オタク的なものを、wikipediaでほーんとテキトーにRX-78の項目を流して「うるせえ、行くぞ」みたいな動きをするマチュは、明らかに、なにかを動かしてくれる予感があったし、それは、シャアを画面に出してしまうほど初代ガンダムを丁寧に再び描こうとする態度と、なにかとてつもない化学反応を起こす気配がある これは、アニメの放送が、待てないもう、俺は

 

アニメ1話放映でかなり萎えた

えーーーービギニングの後半パートで見た時はめっちゃ面白かった気がするのに、アニメ1話としてそのまま流されるとほんま意味不明…みたいになってものすごく萎えた

あー全然時代感の反映とかじゃなくて普通にやっぱロボット乗る理由説明ないとよくわかんねっす…というか

マチュが急に大暴れしだして面白かったのは前半の初代ガンダムパートがあったが故のコントラストの輝きというか、別に単体で見ても面白いものだとは感じられなかった

次回予告で初代ガンダムパートが流れてこれほんまに大丈夫か…?みたいな気持ちになり、2話見終わったら「1話に続く」って出てきたんだが

これマジで本当にわかんないんだけど普通にTVアニメみてて2話見たら「1話に続く」とかほんまに意味わかんなくない?

俺達は構成をミスったよ!って大声で叫んでるみたいな違和感というか いやだっておかしいやん2話が1話に続くのは💢💢

 

ほんでなんか楽しみにしていたOP映像もあんまり好みじゃなくてウーン

えー…はー…何…みたいになってもうこのあたりでかなり見るのをやめていた

 

クランバトル編

なんか日常生活をしながらガンダムに乗って夜中バトルみたいなことをしているマチュ

マチュとニャアンとシュウジのキャラ性や関係性の変化・深堀り、戦争とクランバトルの対比、大人と子ども、ガンダムに乗らなくてはならない理由、とか描かれるのかなと思ったら全然そんなことはなかった

いやなんか「え?描かれてたでしょ!これとかこれとか!」って言われたら、はい…描かれています…すいませんでした…というしかないんだけど

描かれてない

言ってはいる

なんか結局このクランバトルパートの中でマチュが日常の中でどういう閉塞感を感じているかが本当によくわからなかったし、マチュがどういう行動原理で動いているのかもよくわからず、マチュが他の人の人生を動かしている感覚もなく、同様に、ニャアンが流されるままに行動しているのもよくわからず、ガンダムが言っているお兄さんはもう本当にそれを言うだけの機械すぎてキャラですらなかった

でなんかそのガンダムが言っているラジオに恋してるっぽい2人

これはマジでなんなんだよ

なんというかキャラクターというよりはなんか音声が出る画面内にいるカラフルななにかという感じにしか見えず、なんやこのパートは…という感じだった

ほんで登場した竹キャラその回で殺されるし…

竹キャラ登場→テーマを提示→問題に直面→問題解決・テーマ回収 みたいなニチアサっぽい挙動をしているんだが

テーマがマチュに関係ないし、直面した問題があんまり解決されてるようには見えないし、これマジでなんなんだよ…みたいな

その上凄まじく進行が遅いので、もうはやくシャア出してくれよ って感じだった

 

普通に俺は竹デザインの3人の青春ジュブナイルガンダム物語が見たかったんだけど、もう3話とか4話の時点でそれが見れる未来が想像できなくて、もう、これは、どういう気持ちで追えばええんや という感じだった

ていうかもう6話とかになっちゃうんですがこれって本当に1クールでまとまるんですかという雰囲気になる

 

7話で話が大きく動きます!

6話かけて描かれた日常描写の中にキャラ性を感じ取ることができなかった というかもう自分の視点で言うと完全にストーリーが破綻しているようにしか見えてない

7話でムチャクチャ話が大きく動く 後戻りができなくなる

しかし、後戻りしたいほど魅力的な時間が過去にないので「まあ、ええんやないの…」みたいな感じにしかならない

結局マチュがムチャクチャ短絡的な思考で動いているあんまりちゃんと物事を考えて自分の意思で行動してみたいなキャラじゃないんだなというのがこの辺でようやく分かってきた感じがあった

そう考えると最初から行われてきたマチュのあらゆる行動が、劇伴・レイアウト・作画によってひたすらカッコよく見せられただけで、全部、メチャクチャ雰囲気で動いてるだけだったんじゃないか みたいな気がしてきて

 

マチュとニャアンが離れ離れになった瞬間にコンテの圧縮度が凄まじいことになり、会話の密度もギュッと引き締まる

ここにきてムチャクチャ見応えのあるアニメに変貌したGQに戸惑いを隠せない

全くキャラは輝いていないがひたすらムチャクチャハイレベルな映像美でひたすらワクワクさせられる

しかしニャアンが「マチュは本物だから」とか言った瞬間に、映像美で熱を持った脳が冷める

マチュが本物ではないことはこれまで散々描かれてきてしまっているのに、ニャアンがそういう台詞を吐いてしまう 

 

こうなると2択が現れる 「マチュはマジで"本物"なので納得してこのアニメを見る必要がある」「ニャアンはメチャクチャなにも考えずに発現している」

 

なんと正解は後者だった

最終的にこのアニメがすごい出来だったとかは全く思えないんだけどニャアンのキャラ性の描写は常に一貫しつづけていた

ニャアンはありえないほど最初から一貫してマジで何も考えてないし、なんかその場の勢いでそれまでにあった出来事を全部チャラにして忘れるし、なんか雰囲気でしか行動しない

「そういうキャラとして丁寧に描けている」と称えればいいのか、「なんでそんなキャラにしたのかわからない」と残念がればいいのかマジでわからない

本当にニャアンは最初から最後まで一貫していた

ファーストガンダムの話もジュブナイル竹キャラも両方やるのは尺的に無理があった
なら竹キャラの方をマジで何も考えてない子どもにしてしまえばいい

そんなわけあるか

ふざけるなよ

 

終わりそう

実は並行世界で夢の世界でとか言い出し始めて、なんかマチュとかニャアンとかだけじゃなくてシャリアとかシャアとかキシリアみたいな大人キャラもなんか割とカジュアルな感じで行動してんのかなみたいな気分になる

なんか散々「ハハア…これはキャラ性がしっかり描けていないですねえ…」みたいな顔でぐちぐち言っているんだが

正直40年前のIPのifストーリーが実は感情のループによって産まれた仮想世界で…みたいな、すっごい中二病みたいな設定がワクワクするタイプのオタクではあった

なんというか、アニメ等を見ている時、「この作品の客層ではないんだな自分は」と思って文句を言わずに去ることはたくさんあるが

このアニメは、間違いなく、私も客層の中にいられたはずだ というわけのわからん執着がある

なんかいい意味で安っぽいというか、いい意味で感情のドラマすぎる感じというか、いい意味で厨二病というか、こういう、ある程度ガキ向けなアニメが、私は本当にガキだから、本当に好きなはずなんだけど、

じゃあその感情ループで産まれた仮想世界を肯定する主人公がコイツじゃだめだろうが

コイツまじで何も考えてない

コイツ

アマテ

 

結局、ガンダムに乗る理由、クランバトルに参加する理由、自分の生活を捨ててまで非日常に傾倒する理由、何もわからず、コイツ何も考えていないんじゃないかという疑いが晴れないまま、今度は「ララァを助けなきゃ」などと言い出す

お前とララァまじで関係ないやん

お前はそういう感じじゃなかったやん

ニャアンの方はちゃんとマジで何も考えてないのでなんか人焼き殺しちゃってほんま面白い

 

でもなんか、アニメの中でキャラが「向こう側の世界が…」とか「イメージの中の私か…」とか「この世界を終わらせるために」とか、メッチャ厨二病なこと言って、斜めレイアウトで、すごい綺麗な映像処理で、なんか起こってると、マジで理由もなくワクワクさせられるというのは本当にある

ずっとそういうアニメが好きだった

私はフリップフラッパーズのOPのサビ終了直前の水面に映った少女の髪の毛が跳ね上がるカットとか、くじびき♥アンバランスのOPのサビで音に合わせて動きの連続した全く無関係なカットが素早く流れるシーンとか、京騒戯画のweb公開版PVとか、ゲボイデ=ボイデの最終話でお嬢様が霧散しつづけるシーンとか、そういう、なんか映像によってナゾの快楽スイッチを押される、ある意味で「中身がない」と批判されてもおかしくはないが、それでもなんかナゾのキラメキがある映像体験がずっと好きで

 

しかしこのアニメにはなんかそういう映像体験になりそうな気配だけがずっとあって結局そこまで輝くことはないし輝かない輝く以前にキャラが5話かけてマジで何も考えてないことしかわからなかったので輝かなさそうなことだけがわかる

 

ひたすら説明台詞しかなかった11話ラストで初代ガンダムが登場した時は「あーもうなんかもう終わらせる方法がこれしかないんかな」みたいな信じられない萎え方をしていた

だからお前は?

結局、ムチャクチャ説明台詞を連打しながら、「いやマジでこれマチュの話だからマジで!!」みたいな感じでシャリアブルがムチャクチャ喋りまくってなんか終わった

キラキラ空間で会話した後、ロボットちょっと出して、またキラキラ空間で会話して、ロボットちょっと出して、またキラキラ空間で会話する

まあ会話で終わらせられるんやったらもう最初から会話でええよな 速くガンダム降りたらいいんじゃないの

 

マチュの話だったのか?本当に、これは

最初から、ずーっとマチュは描かれてない なんかニャアン私とマブになろう!!!うん!!みたいな感じでパァーッと明るくなるニャアンだけはマジでずっと一貫している感じがあって12話でもニャアンはマジでニャアンだな…みたいな嫌ーな納得感だけはある お前ムチャクチャ人殺したくね…

結局、なにかを判断して、自分の意思で行動することのできない子どもを、周りの大人たちが支えもせずひたすら持ち上げるだけ持ち上げて、なんか持ち上げられたからテンションがあがってそれっぽい台詞を言いながら男の子とキスまでしちゃって、なんか、みんな幸せになったのでマジでよかったぜという雰囲気になったので、よかった ? ????

シュウジがララァのために行動している、みたいなのも、最初の浮浪者みたいな感じでふらふらクラバトに参加してるときはそんなちゃんと目的あるようにはとても見えなかったのでよくわからなかった

ニャアンだけがずっと、"ちゃんと"何も考えてない少女だった

で、なんかそういう問題が、あんなに大人がいてあんなに戦いがあるのに、何も解決されないままハッピーエンドみたいな雰囲気になる

ララァとシャアが出会えたこととか、なんか、諸々すごい嬉しい雰囲気になるんだけど、結局こいつらは何もかも放置されてひたすら神輿として担ぎ上げられて何もわからないままロボットアニメの主人公の動きをさせられて、しかもその自覚はなく、なんか、海にいた

 

えー?

例えば

ゼクノヴァのキラキラエフェクトであるとか、いつも通りのエヴァセルフオマージュなコンテ感であるとか、竹大先生のキャラデザであるとか、町の風景、アニメーション、3Dで縦横無尽にスタイリッシュに動くロボット、簡素なコロニーの背景美術と、宇宙に浮かぶ兵器のディティールのギャップ、

すごく見応えがあった

言ってしまえば私は、「マチュ達の物語が見たかったのに…」と言っているだけで、多分そういう人はメチャクチャいる 

なんか描かなかった上に描いたことにして終わらせてる感じが、なんか、生み出したキャラクターに対する責任放棄のように感じられて、まあそんな感じ方してるのは、完全に私の方による曲解だと言われれば、そうでしかないんだけど、腹が立つのは、腹が立つ

 

12話を見てる最中、マチュがニャアンとマブを組み、私は昨日の私より進化する!とかグレンラガンみたいなこと言い出した時は、「こっからマチュの話としてまとめられるわけないだろ!www!」みたいな感じで割とギャーコラ笑いながら見てたんだけど、なんか、1日たつと、腹が立つ このアニメは

腹が立ってきた

1話の時点で萎えてたくせに最終話まで見て文句たれてるの何?

本当にごめんなさいね

キレそう

 

 

 

追記(2025/06/26)

なんか想像の20000倍くらい読まれてしまった

そんなめっちゃちゃんと考えてる文章じゃないから「ええ??💢💢💢」みたいになった人ほんまごめんなさい

アニメ1話で萎えたわwとか言いながら最終回まで見てお気持ち長文怒りブチギレブログ書いてるようなオタクまじクソゴミやからほんまに無視してください

「これ俺と同じ感想やー!!!」みたいになってる人もあんまよくない ふつーにどう考えても曲解しすぎやからこの感想は

 

でも脚本がなんかチョコチョコ破綻してるってのは比較的マジな気がしてるし面白かったー!てなってる人もそれはそうみたいに思ってる感ある
でもよ、自分が好きなアニメとかも冷静になって見ると結構破綻してたり足りなかったりしてることは多い
昔から好きなアニメとか見返して「あれこんなストーリーめちゃくちゃやっけ」みたいになること結構ある
なんか映像パワーでなんかムッチャ感動させられると、全部良かったことに自分の中でなっている
それって悪いことではない アニメのパワーや多分
そういう強引に肯定させられる体験が好き 綺麗にまとまりきってない方がいい説だってある
描かれてない部分とかも肯定的な姿勢になったらメッチャ自分の頭で補完できるし

なんかそういう意味では、GQってなんかそういう、グチャグチャだけどメチャクチャ煌めいてる最高のアニメっぽい雰囲気めっちゃある
でもなんか"映像の圧"みたいなもの(クソ雑)が薄い気がして、なんかウオオ!!!てなりきれんかった
いやそんなわけないくらい一級品のアートとビジュアルやったのにな
ここに"1st二次創作のアツさ"みたいなものを感じ取ることで、ウオオ!!!になれるのかもしれん

いや、多分これが全て
キャラ描写足りてねえ!とかストーリーむちゃくちゃ!とか、全部うそ 全部うそは言い過ぎ
本当は、絵コンテに(いや、画コンテに?)つめ込まれた映像の快楽に、心がライドできたかどうかが全て
ライドできなかった理由を求めようとすると、キャラ描写が、とか設定が、とかいい出してしまう
別にプロでもないからんなことわかるわけないのに…
多分あんま関係ない
わたしは、ライドしそこなった
それでも最後まで見られたのはウン十年作り続けてるスタッフの熟練の技巧を感じる

 

 

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