2025/03/01

シベールというポーラスター

今回はシベールです。
正直むじなのここに来てシベールを知らない人は居ないと思うし、ウィキも充実してるし、あんまり書くことも無いとこではあります。
メインライターは沖由佳雄氏、このま和歩氏、計奈恵氏、豊島ゆーさく氏。
途中参加としては森野うさぎ氏、三鷹公一氏、吉敷しのぶ氏。川猫めぐみ氏(いずれも変名を使っているけれど通りのいいペンネームで失礼)50年近く前の空気を知らないと、当時の沖由「科」雄氏やこのま和歩氏の少年漫画でも少女漫画でもない絵柄の衝撃が伝わらずもどかしいです。
今回は2から、終刊の7までのご紹介。1に関してはコピー誌。(初版再版あり)この冊子のコピーは見たことあるのですが、本物はお目にかかったこと無く。ゼロも含めていったい、今どれくらい現存しているのか気になるところ。
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vol2に関してはvol1に掲載されたみかさちゃんききいっぱつ パート1が掲載された1980年の再版、オフセット版です。
沖由佳雄描く、みかさちゃんがすごくかわいい。この胴体と足とほぼ同じ太さの絵に衝撃を受けたものです。
cybele2-1.jpgこのま和歩のリス耳少女はおそらく最初期のケモミミのエロヒロインのはず。フリルの書き方が女性のソレと違って「へー」と思った。もちろん吾妻ひでお作品には悪いところが見当たらない。
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vol3
作家4人のエッセイが良い。特にどこから来た絵柄かわからないくらい完成された、このま和歩のルーツがわかるとこが良い。
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仁科蒼一氏のBLOODY.MARYが少女らしさと残酷さが同居してて傑作。
vol4、5 、6で募集していた同士メンバーが少し増える。4では森野うさぎ、吉敷しのぶ、5では一度きりだが早坂未紀 6からは三鷹公一、川猫めぐみ、他にも1回だけ登場のメンバーも多い。
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vol4 豊島ゆーさく氏の「母さんの血」は劇画調だと内部で意見があったようだが豊島氏特有の弱い物によりそう事を描いた温かみのある傑作。商業誌ではほとんど見られなかった線の多い豊島氏の絵柄はこの後続いてゆく。
cybele5-1.jpgVol5 早坂未紀氏登場。漫画はフェアリーのかわいいモノだがイラストのほうは結構描いちゃっている。具体的なエロ絵が少ない早坂氏にしてはちょっと珍しい。豊島氏の「我が国に。。。」もアニメキャラ漫画キャラ大爆発の快作。
cybele6-0.jpgvol6は三鷹公一登場。クラリスファンで知られる氏だが、西遊記の少年誌らしいパロディを掲載。トーンを使わないこだわりの画面は目を引く。またvol6.7に描いているみどりのおやま氏はミャアちゃん官能写真集にカットも寄せているが森野うさぎ氏の友人で有ること以外は詳細不明。
6は特に新人が多く、新しい人材を育ててメインメンバーは抜けていく計画もあったようだが、その頃にはすでにシベールは、ニューウェイブの雄、吾妻ひでおも参加する伝説的な本になってしまい、同じ志の仲間が集うところ、というよりメインライターの作品を期待するいわゆる読者が多くなっていて、漫研的な活動からは遠ざかっていった。シベール自体にもファンクラブができてしまう。
当時二十歳そこそこの漫画家志望のメインライターは趣味で始めたポルノ冊子とは距離をおきたいところもあったように感じられる。まさかこの頃、誰もが「美少女漫画」が商業レベルで展開するとは誰も思っていなかった。後々メンバーの多くはいわゆる美少女誌で活動してゆく。
メンバーの中で、美少女誌に関わらず少年誌1本だったのは三鷹公一だけである。
cybele7-0.jpgvol7
前号イラスト登場した川猫めぐみが扉から登場。川猫氏は虎馬社との関わりが強く、個人で同人活動漫画活動をしていた作家。少女まんがと三流劇画の間の不思議な作風はシベールでも健在。
cybele7-2.jpg森野うさぎ氏のKOEDAちゃん漫画などメインライターのお遊びも多く楽しめる1冊。
今となってはポルノとは呼べないような漫画作品が多いが50年近く前の衝撃をぜひ感じてほしい。

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