NTT東日本 長野支店は11月8日、ながの表参道 セントラルスクゥエアにて「防災チャレンジ こどもパーク」を開催。災害時に役立つヒントをもらえる体験型イベントの数々を用意した。関係者は「防災について親子で考えるきっかけにしてもらえたら」とアピールしている。
親子で気軽に参加できるイベントに
穏やかな秋空のもと、善光寺にほど近いイベントスペースで行われた今回の催し。当日は、NTT東日本 長野支店、NTT東日本 防災研究所、長野県、長野市、長野県警察、長野市消防団など14もの企業・団体がブースを構えた。主催者挨拶でステージに登壇したNTT東日本 長野支店長の喜内久雄氏は「地域の皆さまと防災・減災について考える、初めてのイベントです。お子様と一緒に体験して、今後の防災の参考にしていただければ幸いです」と呼びかける。
また、NTT東日本 長野支店の久東優貴氏にも話を聞いた。「防災訓練となると、人はつい身構えてしまいます。そこで『防災チャレンジ こどもパーク』とし、親子で気軽に参加できる雰囲気をつくりました」と久東氏。パートナー企業にも、子ども目線に立った体験ブースを出展してもらえるよう依頼したという。「参加した親子には、楽しみながら防災について学んで欲しいですね。そのうえで、帰宅してから『どんな備えが大事なんだね』と話し合ってもらえたら嬉しいです」とした。
NTT東日本 防災研究所のブースでは、備蓄品ワークショップが行われた。冒頭、スタッフは「避難所ってどんなところか知っていますか?」「避難所で1日を過ごすため、どんな物を持っていけば良いでしょう?」と問いかける。そこで子どもたちは、手元のカードをあれこれ吟味。「ぬいぐるみは必要?」「トランプは?」「ゲームも持っていきたい!」「おかしは良いの?」などと、付き添いの両親と相談しながら、防災リュックに入れる物を決めていく。
避難所に持っていく物が決まったあとで、子どもたちは新たなカードをひいた。そのカードには「さむいよ。部屋がとても冷えている」「いたい……。転んで、すりむいてしまった」「うわぁ、どうしよう。トイレが大行列で間に合わない」といった、避難所で起こりそうな事象が書いてある。子どもたちに「毛布は持ってきましたか? バスタオルやカイロでも良いですよ」「ばんそうこうはありますか?」「簡易トイレを持っている人はいますか?」と確認するスタッフ。参加した親子はワークショップを通じて、避難所に持っていくべき物について学んだ様子だった。
一方でNTT東日本 長野支店のブースでは、災害用伝言ダイヤルの使い方を紹介した。そもそも災害用伝言板(web171)とは、被災地の方の安否確認を行うための、インターネットを利用した伝言板のこと。「171」をダイヤルして、ガイダンスに従って伝言の録音(または再生)を行う。スタッフは「あらかじめ、ご家族の間で“伝言を録音する電話番号”を決めておくことをオススメしています」と説明する。
公衆電話の場合、操作方法は以下の通り(このとき利用料金はかからない)。まずは受話器を取り、1・7・1とダイヤルする。そのあと自分の声を録音するときは1を押し、連絡先の電話番号を押して、あとは音声ガイダンスにしたがって伝言を録音する。伝言された録音を再生するときは1・7・1とダイヤルしたあとで2を押し、連絡先の電話番号を押して再生する。
また、被災地においてインターネット通信を提供する「災害対策用ポータブル衛星通信」についても紹介した。会場に展示したのは、衛星通信(JCSAT-12)を利用できる可搬型の無線装置。乗用車に積み込めるほどの小型で取り回しがよく、発災直後の被災地でも通信手段を確立できる。
このほか、長野県危機管理防災課では「AR浸水体験」を用意。腰の上まで浸かるような洪水が起きたとき、どうやって避難したら良いのか、その疑似体験ができる趣向だった。筆者も試してみたが、VRゴーグルをかけるとイベント会場が水浸しの状態に。歩こうにも足元が見えず、何度も転びそうになった。
長野市危機管理防災課では「防災ナビ」についてアピールした。iOS/Androidに対応したアプリで、市の防災行政無線の放送内容を確認できるほか、指定緊急避難場所の検索、安否情報の登録などが行えるようになっている。
長野県警察は、パトカーと救助ボートを子どもたちに開放。運転席に乗ってハンドルを切る子、無線を試す子の姿が見られた。また長野市消防団は、消火器体験、救命体験、子ども用の防火衣試着体験を用意した。
















