Neowinは10月20日(現地時間)、「A crucial Edge feature will get considerably faster soon」において、MicrosoftがWebブラウザー「Edge」のPDFビューアのパフォーマンス向上を計画中だと伝えた。

Microsoftが発表したロードマップには、2026年5月に向けて、EdgeのPDFビューアの実装をWebUI 2に移行する開発項目が登録されている。

パフォーマンスや操作性の向上に期待

Microsoftでは2024年より、EdgeのUIの一部実装をWebUI 2に移行している。WebUI 2は、マークアップ優先のアーキテクチャを採用したUI開発フレームワークであり、バックエンドでのレンダリングやUI更新プロセスの最適化、コードバンドルのサイズを最小限に抑える最適化、起動時間の短縮、コードのバンドルサイズの削減などといった強みがある。この移行によって、ブラウザ全体の14以上のUIコンポーネントが、平均で40%以上高速に動作するようになったという。

この成功を踏まえて同社は、PDFファイルを閲覧するための組み込みのPDFビューアもWebUI 2に移行する方針を固めたようだ。WebUI 2に移行することによって、既存のワークフローやユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、基盤となるパフォーマンスの向上が期待できるという。他のコンポーネントとのデザイン要素の一貫性の向上や、よりスムーズな操作性も実現できるとのこと。

この計画は、Microsoft 365 RoadmapのページにRoadmap ID「516043」として追加された。

  • PDFビューワーのパフォーマンス向上に関する開発項目

    PDFビューアのパフォーマンス向上に関する開発項目

ロールアウト開始日は2026年5月としているが、この日付は暫定的なものであるため、実際の日付とは異なる可能性がある。また、通常のUIと違い、PDFビューワーの実装をWebUI 2に移行したところで、パフォーマンスにどれくらい影響があるのかは現時点では未知数だとNeowinは指摘している。

MicrosoftはEdgeを、クラウド、AI、SaaSサービスが集約する重要な拠点と位置付けている。Microsoft 365 Roadmapに登録された項目は実現しないケースもあるが、同社のビジネスにおけるWebブラウザの重要性と、これまでのWebUI 2への移行実績を考慮すれば、このアップデートに関しては実現の可能性が高いと言えるだろう。