つかこうへい作品「熱海殺人事件」「ストリッパー物語」の二作品が、つかこうへい作品の聖地である紀伊國屋ホールにて上演中、この名作を忠実再現しての公演。まずは「ストリッパー物語」が1日に開幕、「熱海殺人事件」は2日に開幕した。
「熱海殺人事件」は劇団EXILEの小澤雄太主演、たやのりょう一座・座長の田谷野亮、松川尚瑠輝、小池里奈が出演。

1973年11月26日に文学座アトリエにて初演、1974年の第18回岸田國士戯曲賞を最年少にて受賞。つかこうへいの代表作の一つで、様々なバージョンで上演されている。
登場人物は4人、木村伝兵衛(小澤雄太)、熊田留吉(松川尚瑠輝)大山金太郎(田谷野亮)、ハナ子(小池里奈)。婦人警官の名前、初演からソウルバージョンまではハナ子だが、つかこうへい演劇活動再開後は水野朋子となる。



「白鳥の湖」の曲がかかるとよく知ってる観客は「待ってました」という心持ち、自然にテンションが上がる。様々なバージョンがあるが、大音量の「白鳥の湖」をBGMに木村が電話で大声で喋るシーンや木村伝兵衛が熊田留吉に渡す書類をわざと落として「拾ってください」という台詞、後半、木村伝兵衛が大山金太郎を花束で何度も引っ叩くシーンなど、多少の演出の変化はあるものの、こういった見どころシーンは基本変わらない。


警視庁で名を馳せる木村伝兵衛、田舎からやってきた熊田留吉に対しての上から目線、木村に仕えるハナ子、登場した時はサングラスで颯爽と、途中で丸メガネに変わる金太郎。膨大な台詞量、独特の言い回し、細かいギャグ、印象に残る台詞、この戯曲が書かれた時代の空気感、ところどころに挿入される曲、最小限のセット、シンプルな照明、怒涛の2時間、圧倒される時間。



多くのバージョンがあるが、この「熱海殺人事件」はシンプルでドラマチック。凝った演出は一切なく、ストレートに世界観が観客に迫る。劇場も紀伊國屋ホール、ロビーにはつかこうへいのモノクロ写真が飾ってある。この劇場で観るつかこうへいの戯曲、9日までこの「熱海殺人事件」と「ストリッパー物語」が観られる、この2つの作品を一度にこの劇場で観ることができる貴重な公演。
<「ストリッパー物語」公演レポ記事>
<小澤雄太(劇団EXILE)× 日比美思「熱海殺人事件」「ストリッパー物語」クロストーク>
概要
紀伊國屋書店提携公演
たやのりょう一座
第14回公演
一座二部作
「熱海殺人事件」「ストリッパー物語」
日程・会場:2025年11月1日〜11月9日 紀伊國屋ホール
原作:つかこうへい
演出:こぐれ修
振付:髙橋有生
ギター演奏:ちゃんじょん
出演:
熱海殺人事件 小澤雄太(劇団EXILE)松川尚瑠輝 小池里奈 田谷野亮
ストリッパー物語 日比美思 田谷野亮 滝澤エリカ 大川泰雅 八条院蔵人 永井彩加 門松順 / なだぎ武
企画製作:合同会社一座
提携:紀伊國屋書店
公式サイト:https://ichiza.jp


